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これからの上手なサブスク活用法とは? 日々の面倒を解消し満足感を得ながらコストを抑えられる「インフラ系サービス」に期待

2022.12.28 23:26 更新

 昨今、話題を集めているサブスクリプションサービス(以下、サブスク)は、けして今に始まったものではなく、例えば「定期券」「ヤクルトの配達」「ウォーターサーバー」といったサービスが以前から存在していた。その中で2015年に「Apple Music」や「Netflix」などのデジタル系サービスが登場し、人々の生活に“使い放題や定額制”というサービスが浸透し始めた。2018年にサブスク全盛期が本格的にスタートしたとされており、2019年には流行語大賞にノミネート。「KINTO」など大手が参入し、「モノ系」サービスも登場するなど一気に普及していった。そこで今回、これからの上手なサブスクの活用法について専門家に聞いた。

 サブスクは、“お得に使い続けられるもの”という認知が広まり、長く使えば使うほどお得になるという基本特長に加え、サービス提供側が利用者の行動パターンや好みなどを把握できることで、よりフィットした提案をしてもらえるというメリットが受け入れられている。特にミレニアル世代は、2000年前後の不景気の時代に思春期や青春期を過ごしていた世代のため、生活費のコストを抑えたいインサイトを持っており、その世代に刺さったことが大きいとされている。

 市場の調査分析を行う矢野経済研究所が2022年6月に発表した「サブスクリプションサービス市場に関する調査」によると、同年6月時点で、2022年度のサブスクリプションサービス国内市場規模は前年度比9.5%増の1兆524億7500万円、2024年度には1兆2422億4000万円になると予測されており、今後もサブスク市場の拡大傾向と期待感を示唆している。

 2021年度のサブスクリプションサービス国内市場規模はエンドユーザー支払額ベースで、前年度比10.6%増の9615億5000万円であった。内訳をみると、前年度と比較して成長した市場は「衣料品・ファッションレンタル」「外食サービス」「生活関連サービス」「多拠点居住サービス」「デジタルコンテンツ」「定期宅配サービス(食品・化粧品類)」の6市場すべてであった。ただし、2020年のコロナ禍の影響からの回復により前年度対比で成長している市場もあるという。

 サブスクの現状について、経営学者の川上昌直氏は、「コロナ渦におけるお籠り需要や、在宅時間増加による“プレミアム・贅沢志向”によって、生活に潤いを与えてくれるサービスとしてサブスクのモノ系サービス(お花、ビールサーバー、地域特産品の定期配送など)が人気を集めた。しかし現在では、withコロナの生活にも慣れ、ほとんど日常生活に戻った状態のため、モノ系サービスは衰退の傾向にある」と分析する。

 「コロナ禍による新しい生活様式との相性の良さによって、モノ系サービスを中心にサブスク全体の浸透は加速した形だが、コロナが落ち着いて以降も、“面倒なことを解決してくれて、コストを抑えられるようなサービス”つまり便利でロイヤリティが高いものの需要は続いていくと見られているようだ。円安など経済不安がある状況下では、“生活水準を落とさずに、繰り返し買いなどで賢くコストを抑えたい”という需要が高まるため、使用することがあらかじめわかっており、銘柄も指定できるインフラ系サービスは、今後一層普及していくと予測されている」との考えを示した。

 長く使うことでお得になるというサブスクの基本的な特長を踏まえた場合、フォーカスすべきは使用頻度と持続性である。より多く、長く使うであろうものについては、サブスクを利用することで、コストパフォーマンスやQOLを高めることができるとされている。近年では、健康志向に後押される形で水の日常的な飲用が浸透しており、天然水を購入している人が増えている。そんな需要に合わせて、飲料メーカー各社は天然水の関連商品を多数展開したり、定期便などにも注力している。また、ウォーターサーバー業界もコロナ禍を機に右肩上がりを続けている傾向だ。

 特に、ウォーターサーバーはサブスク文化の草創期から展開されているインフラ系サービスとして、日常的な使用頻度も多く、導入することでメリットを感じやすいカテゴリといえる。コロナ禍で飲料メーカーが、ウォーターサーバー型の商品を展開し始めたことからも、このカテゴリの注目度がうかがえる。ウォーターサーバーは、「水を買いに行く手間が省けて、冷たい水も温かいお湯もすぐに出る、飲用だけでなく料理でも扱いやすい」など、生活の手間を解消してくれる。最近では、「浄水型のウォーターサーバー」が登場し、自宅に設置したサーバーに水道水を入れれば、浄水化された水が使い放題という定額制のジャンルが人気を集めている。

 ウォーターサーバー市場シェアトップのプレミアムウォーター 事業本部 事業戦略部 広報宣伝課の石丸茜氏は、「プレミアムウォーターでは、顧客からの要望に応え、定額制で手軽に使える『浄水型ウォーターサーバー』の展開を開始した。おいしい水を“いつでも、たっぷり、好きなだけ”飲むことができるという点が、コストや水の安全性にこだわりのある顧客にも好評を得ている。時代やライフスタイルの変化に合わせた“水のサブスク”という提案が、今後より受け入れられていくことを期待している」とコメントしている。

 プレミアムウォーターは、浄水型ウォーターサーバーブランド「Locca」の新製品「Slim-R(スリムアール)」の展開を2022年11月末から開始。コストを抑えながら手軽においしい水を飲みたいという消費者の声をヒントに誕生したという。業界最安の月額2680円で使い放題で、欲しいときに欲しい分だけ簡単に水を作ることができる「浄水型ウォーターサーバー」として、定額制のサブスクリプションのサービス体系が現代のライフスタイルにマッチしているという点で好評を得ている。家族割や新規契約で特典がもらえるキャンペーンなども開催している。

 料金はサーバーレンタル代のみの定額制で、料金を気にすることなく、水道水をろ過してすぐにおいしい水を利用できる。5L以上の大容量タンクに、高性能フィルターとUV殺菌LEDなどのスペックを備えているとのこと。消費電力を抑えながら、冷水・温水を利用できる。

 サブスクの今後の展望について川上氏は、「経済の見通しが悪い状況では、生活水準を落とすことなく以前と以前と同じ快適さを提供してくれるサブスクのサービスは、今後も拡大し定着していくことが予想される。とくに、必要なものがなにかわかっているインフラ系サービスは、家族ができたり、生活環境が変わる際などに導入するとメリットを感じやすいだろう。最近では、さらに年間契約などでコスト面で大きくメリットのあるサービスが増えてきている。解約内容のチェックはもちろん必要だが、一歩進んだ生活の知恵としてサブスクを活用する家庭が増えていくことだろう」と述べている。


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