SCENTMATIC、香りと言葉を変換するAIシステム「KAORIUM」の実証実験で導入店舗の売上アップ達成、新宿ルミネの新店舗「KO-GU」にも導入開始
嗅覚のデジタライゼーションによって新たな顧客体験を提案するSCENTMATICは、香りと言葉を相互に変換するAIシステム「KAORIUM(カオリウム)」を用いた実証実験において、フレグランスブランドを集めた香水の専門店「NOSE SHOP」新宿店・銀座店および、紀ノ国屋 渋谷スクランブルスクエア店で大幅な販売・売上増を達成したことを発表した。また、「KAORIUM」を使ったKAORIUM小売り向けサイネージを、3月3日から新宿ルミネにオープンする「KO-GU」に導入する。
SCENTMATICでは、五感の中でも最も未知な領域であった「嗅覚」に着目し、香りと言葉を相互に変換するAIシステムとして「KAORIUM」を開発。同システムを用いた最先端のテクノロジーにより、昧で捉えにくい香りの印象を言葉で可視化したり、ある言葉に紐づく香りを導き出すことを可能にしてきた。言葉を意識しながら香りを深く味わう体験は左右両脳を活性化し、香りと言葉をつなぐ今までにない体験が生み出す価値は、フレグランスの世界にとどまらず、感性教育、飲食体験、購買体験など様々な分野に新しいビジネスチャンスを生み出すものとして、その可能性に大きな期待が寄せられている。
実際に、KAORIUMを用いたこれまでの実証実験において、多くの売上増につながる結果を残している。フレグランスブランドを集めた香水の専門店「NOSE SHOP」(以下、ノーズショップ)の新宿店・銀座店では、昨年4月1日~24日の期間中、KAORIUMを導入。ノーズショップで取り扱っている香水が詰まった20本のボトルから、KAORIUMが示す言葉とともに好きな香りを選んでいくことで、一人ひとりにあった香り選びをサポートした。
ポップアップ期間中の入店率は、通常時(昨年1月~3月)と比べて139%アップと集客に貢献した。そして、KAORIUM体験者の買上率についても同じく通常時から287%に上昇し、香水における購買行動に大きく影響を与えたと考えられる(ノーズショップ新宿店来店カウンター参照、昨年1月~3月平均買上率との比較)。
紀ノ国屋 渋谷スクランブルスクエア店では、昨年11月9日~12月8日の1ヵ月間、“今日の気分”にぴったりな日本酒を探せるAIシステム「KAORIUM for Sake」小売り向けサイネージを使ったAI実証実験スポットを設置した。日本酒ソムリエAI「KAORIUM for Sake」は、人間の感性を自然言語処理によって日本酒とマッチすることができるAIシステム。「癒やされたい」「気合を入れたい」などのその日の気分と、店頭にある日本酒とのマッチ度を計算し、相性の良い日本酒をレコメンドする。
紀ノ国屋の顧客に対する日本酒売り場での効果(KAORIUMに表示される商品のみを対象とした効果)は、実証期間中のKAORIUM導入前(昨年10月10日~11月8日)との比較で、日本酒販売数が55%アップ、日本酒売上は56%アップを記録した。
また、日本酒ソムリエAI「KAORIUM for Sake」の持つ風味データを活用し、紀ノ国屋 渋谷スクランブルスクエア店にある相性抜群の日本酒とフード(りんごやサラミ、ポテトチップスなど5品目を対象商品)の組み合わせをレコメンドするペアリングサイネージを設置した。結果として、ペアリングの総効果は売上39%アップを記録。さらに、サラミのペアリング商品としてレコメンドされていた「福光屋加賀鳶 極寒純米」は、販売数が22倍まで上がったという。
こうした実証実験の成果を踏まえ、KAORIUMを使ったKAORIUM小売り向けサイネージを、3月3日から新宿ルミネにオープンする「KO-GU」に導入する。KO-GUは、ノーズショップが新しく展開するブランドショップで、複数の香りを組み合わせた販売方法により、2種類の組み合わせで870種、3種類で約2万4000種と、膨大な数の香りの組み合わせを提供する。多くの香水から自分好みの香水をセレクトできる一方、「どうやって選べばいいかわからない」「そもそも自分の好みの香りがわからない」といった香水選びに関する課題に対し、KAORIUM小売り向けサイネージが、自分に合った香水選びをサポートする。
KAORIUM小売り向けサイネージは、非接触型のシステムであるため、販売員がいなくても、顧客の香水選びのサポートが可能となる。昨今、新型コロナウイルスのオミクロン株の拡大により1日の感染者数が増えていく中でも、顧客と販売員の接触機会を減少させ、質の高い接客を実現する。
また、AI搭載のデジタルデバイスがもたらす新たな顧客体験は、販売員による接客コミュニケーションでは伝えにくかった商品価値を消費者に伝え、顧客満足度を高めるとともに購買率向上に貢献する。さらに、デジタルデバイス体験を起点とするEC送客や店舗アプリダウンロードの促進、体験顧客の嗜好データの収集など、オムニチャネル化へ効果的な起点となる役割を担っていく。
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