エディターズダイアリー

腸は免疫システムの最前線

2022.08.03 18:55 更新

▽腸には人体最大の免疫系機関があり、全身の免疫細胞のうち、実に60~70%が小腸の腸管(特に回腸から大腸にかけて)に集中しています。腸管というと、食べ物を消化・吸収する場所と思いがちですが、食べ物と一緒に体の中に入ってきた異物(体に有害なウイルスや病原菌)が栄養素と一緒にまぎれて体内に侵入しないように徹底した警備で自己防衛する働きも担っています。この防衛システムを「腸管免疫」といいます。

小腸は絨毛で覆われていますが、その所々には絨毛がなく、へこんだ平らな部分「パイエル板」があります。パイエル板は、樹状細胞、T細胞、B細胞などの免疫細胞が集まった腸管特有のリンパ組織で、いわば免疫細胞の基地といえます。腸内からパイエル板をみると、まるでマンホールの入り口のようであり、病原菌が容易に侵入できるようになっていますが、これが巧妙な“罠”のような役割を果たしているとのこと。


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