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胎児特有の血流路「胎児循環」とは

2021.12.15 20:53 更新

▽胎児は、肺が呼吸器として機能していないため、胎児特有の血流路が存在しています。これを「胎児循環」と呼ぶそうです。胎児循環の大きな特長は、心臓から肺へと向かうはずの血流が流れないことにあります。肺呼吸をしていない胎児は、胎盤でガス交換を行うとのこと。では、胎児循環はどのように行われているのでしょうか。

まず、胎盤から酸素や栄養素をもらった血液は臍静脈を経て、主に「静脈管」を通って下大静脈へと流れます。この下大静脈には、胎盤から流れた血液と下半身から戻ってきた血液が混ざり右心房へ流れます。右心房と左心房の間には胎児特有の「卵円孔」と呼ばれる迂回路があるため、胎児の血液は右心房→卵円孔→左心房へと流れます。そこから、左心室→上行大動脈へと流れた後、頭部・上半身に循環する経路と腹大動脈から下半身に循環する経路があるとのこと。


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