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2012年02月03日

ファイザー、画期的な新薬・新治療法の創出を目指し外部研究機関とのパートナーシップを強化、アジア地域との協業も

 ファイザーは2月1日、日本が医薬品開発、ひいては医療分野において先進国であり続け、日本の患者が求める医薬品と治療法を速やかに提供していくためにはどのような取り組みが必要なのか、ファイザー 医薬開発部門の原田明久 上席執行役員が、同社の外部研究機関、アジア諸国とのパートナーシップ強化の事例を取り上げながら、今後の日本の医薬品開発における問題を提起した。

 「製薬企業は10年間、研究開発に投資し続けなくてはならない。これは業界特有のビジネスモデルといえる」と、製薬産業が特殊なビジネス活動の基に成り立っているのだと、原田上席執行役員は説く。「薬剤が世の中に出た暁には、特許という多大な利益が得られるわけではなく、それによって研究開発、新薬創出ができるというわけでもない。様々な要素が絡み合って初めて、競争力のある製薬産業になっていく」と、製薬産業の研究開発の影響力は複雑であるとのこと。

 「日本におけるファイザーの承認数は、他の製薬会社と比較して最も多い。また、注目して欲しいのは、新薬承認数の75%が外資系企業によるものであるという点だ」と、ワールドワイドでビジネスを展開する製薬会社の優位性を力説。「当社は、研究開発を米国に集約している。研究者を集めてしまうことで、相互の連携や情報共有などを図れるようにした」と、各国や地域ごとに研究開発部門を設置せず、世界的視野で研究を開発する方がメリットが高いとして、名古屋の研究開発拠点も閉鎖したと話していた。

 「これまで日本の新薬承認プロセスは特殊で、日本人のデータに基づく承認がなされていた。しかし、ドラッグラグを減らすため、海外に遅れることなく日本でも承認する方向に変わってきた。これによって開発環境が激変したものの、早期の臨床開発についてはほとんど進められていないという課題点もある」と、グローバルレベルでの薬剤開発が可能になったものの、問題点もあると指摘していた。

 「医薬品企業の研究開発費は1社7000億円ぐらい。企業の研究開発費を、多い順にランク付けすると、上位を占めるのは医薬品企業である」と、新薬開発には、いかに大きな投資が必要であるかを物語るデータを紹介。「日本の産業統計を見ても、医薬品産業の研究開発費が圧倒的に多い。だからといって投資すれば新薬が増えるというわけではない」と、投資額に比例して新薬が誕生するというわけではないと、原田上席執行役員は強調していた。

 「その背景には、医薬品の開発が以前に比べて長い時間をかけるようになったことが挙げられる。新薬の開発期間の平均は10~15年とされている」と、開発スパンの長期化が投資額の増加に拍車をかけているという。「これを裏付けるように、1995年~2000年の5年間の薬になるまでの平均金額と、2000年~2002年までの同様の平均金額を算出した。その結果、ヒトによる臨床試験に多くの金額が動いていることが明らかになった」と、臨床試験に膨大な投資が必要になっていることが、1つの新薬あたりの研究開発費が高騰している理由であると訴える。「だからこそ、Biologyのより深い理解が必要であり、大学がシーズをもっているだけでは手を出さなくなってしまった。今こそ、オープンイノベーションが必要」と、現状と課題を述べていた。

 「当社では、これまで内製化してきた研究開発を、自分たちですべてやるのではなく、パートナーシップを向上することで生産性を高めていく必要がある」と、今後の展開について言及。「パートナーシップについては、国立病院機構や国立がん研究センターとすでに構築している。治験プロセスの簡素化と迅速化、コスト削減、質の高い治療の実施などが行われてきた」と、臨床開発パートナーシップの実例を紹介してくれた。「今後は、リサーチの分野についても注力していく。アカデミアやベンチャーとも積極的にパートナーシップを結んでいきたい。支援モデルとしては、ファイナンス支援やオペレーションサポート、開発促進のバックアップなどを考えている」と、ファイザーがしっかり後押しすると原田上席執行役員は語っていた。

 「パートナーシップ構築のための窓口は、External R&D Innovation(以下、ERDI)が担うことになる。社外のイノベーションを活用するためのユニットだ。ターゲットは、テクノロジーやプロダクトなど社内では見つけることが難しい分野にフォーカスしていく。ERDIの拠点は世界各国に設置する」と、専門ユニットを設けて積極的に活動していくと話していた。「オープン・イノベーション・モデルとしては、当社がもつ素材や技術などあらゆる部分を、パートナーシップを構築した外部研究期間に渡す。当社の機能を活用することで、今後革新的な新薬の実現が重要である」と提言。「日本では、R&Dパートナリング・ミーティングと題して行っている」と、すでに日本でもオープン・イノベーション・モデルの実現に向けて動き出していると強調していた。

 続いて、今後の医薬品開発で重要な地位を占めるといわれているアジアについても原田上席執行役員は言及した。「日本、韓国、中国の東アジア3国に今、注目が集まっている。例えば、当社の被験者数は、米国が最も多く2万6000人。次いで日本が7000人となっている」と、日本はこれまでの開発経験やサイエンスレベルの高さ、世界一タフな規制当局といった面で重要だと説く。「韓国は、治験インフラがすばらしく、サイエンスの基盤も成長。市場としてもすでに認知されている」とのこと。「中国は、医薬品市場の拡大が期待され、膨大な人口を背景とした被験者登録のスピードと治験コストが期待される」と、3国を評価していた。

 「現在、アジア各国でそれぞれで行っている臨床をアジアでまとめてできないかと考えている」と、原田上席執行役員は、東アジアデータの相互利用ができるのではないかと話す。「アジア戦略によってドラッグ・ラグはさらに短縮が可能だ」と、さらなるスピード化が見込めるという。「スピード化によって、特定の患者群に対して高い効果を示す治療薬“プレシジョン・メディスン”が数多く登場し、より高い治療効果やより長期に治療が可能になることなどが期待される」と、アジア人データのアジア地域での相互利用の推進によって得られるメリットは大きいと述べていた。

ファイザー=http://www.pfizer.co.jp/



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