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2011年12月09日
J&J、骨盤臓器脱を知らない人が63.8%だったことを受け疾患と治療法などを紹介するメディアセミナーを開催
ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーは11月29日、骨盤臓器脱の解説と疾患をめぐる現状を伝えるプレスセミナーを開催した。講師は、同疾患の診療の第一人者である日本医科大学 産婦人科学 教授の明楽重夫先生と、泉北藤井病院ウロギネセンター長 兼 梅田ガーデンシティ女性クリニック女性泌尿器科ウロギネセンター長の竹山政美先生が務め、骨盤臓器脱の疾患と治療について解説、患者教育の必要性などを発表した。
次に、骨盤臓器脱の症状の認知度について調査したところ、『骨盤の中の臓器が腟の方に出てきてしまう病気』であると、疾患を正しく理解していたのは『知っている』と回答した192人のうちでも64.1%で、全調査対象者の23.2%にとどまる結果となった」と、骨盤臓器脱の認知度が非常に低いことが浮き彫りになった。「骨盤臓器脱を正しく理解していた123人のうち、『骨盤臓器脱の症状を有している/有していた』人は7.3%で、最も多く挙げられた症状は、『腟の中から臓器が出てくる』が約9割を占め、『股に何か挟まっている異物感がある』が44.4%、同率で『尿が出にくい』が44.4%と続いた」と報告した。
「婦人科開業医への調査結果では、骨盤臓器脱患者の診療を行う最も多いケースは『患者が骨盤臓器脱の症状を有し、骨盤臓器脱であると訴え、自ら来院してきた』が50.0%、『患者が骨盤臓器脱の症状を有し、どのような疾患か知らなかったが、自ら来院してきた』が44.0%、『骨盤臓器脱以外の主訴で来院した患者に骨盤臓器脱の症状が認められた』が3.0%で、約5割の患者さんは症状を抱えていても、疾患について知識がないまま来院していることが明らかになった」と、症状を抱えていてもそれが骨盤臓器脱という病気であることを認知していないケースがほとんどであるようだ。
「婦人科開業医への調査結果では、患者が来院するまで1年以上かかっているケースが32.0%見受けられ、受診が遅れる理由としては、『下の病気で恥ずかしいと思っていたから』が89.0%と、患者が躊躇するケースもさることながら、『老化現象であり病気だと思っていなかったから』が35.0%、『治療できると思っていなかったから』が28.0%など、疾患の知識不足から受診が遅れるケースが約5割あることがわかった」と、恥ずかしいとの思いが患者の受診への意欲の妨げになっていると語っていた。
「婦人科開業医に骨盤臓器脱の治療に関わる課題を聞いたところ、『この疾患に関する一般向けの情報が不足している』が81.0%と最も多く、『この疾患の専門的な医師が少ない』が49.0%、『この疾患に関わる診療報酬が低い』が31.0%が続いた」とのこと。「当社では、今回の調査結果をもとに、骨盤臓器脱の疾患に対する認知向上に努め、患者のQOL向上の一助になるよう積極的なアクションを行っていきたい」と、山野シニアマネージャーは意気込んでいた。
この調査を受けて、日本医科大学 産婦人科学 教授の明楽重夫先生が、「産婦人科における骨盤臓器脱の診察と治療~最新の手術を今後の取り組み~」と題した講演を行った。「骨盤臓器脱とは、臓器が本来ある位置から、下垂し腟壁の方に突出して、ひどくなると腟壁とともに腟口から出てくる病気だ。弱くなってしまった部位によって、出てくる部位が異なる。一度に複数の部位が下垂・脱出することもある」と、どんな病気であるかを解説してくれた。「骨盤臓器脱の原因は慢性的な腹圧が一般的とされている。最も多いのが出産で、その他激しい運動や肥満、加齢、閉経、重労働、ひどい便秘、慢性的な喘息なども原因の一部であるとされている」と、腹圧を高めることで発病してしまう可能性が高い病気であると明楽先生は語っていた。
「骨盤臓器脱の治療には、これまで保存的治療として、骨盤底筋体操や腟内にリングを入れ支持するペッサリーリングという方法を選択していた。しかし、ペッサリーは腟の炎症や帯下の増加などリスクが高い。そのため、手術療法で治療するのだが、子宮摘出術や腟壁縫縮術などは再発が多いというデメリットがある」とのこと。「一度脱の修復に用いた靱帯は、再修復に使えない。同じ術式では不可能となり、治療の施しようがなくなる」と、医師も患者もあきらめざるを得ない現状があったようだ。
「こうした状況を打破するために、TVM法シェーマというメッシュで支える手術が確立された」と、人工の組織で損傷した支持組織を置換することで、再発を減らすことができたという。「TVM法シェーマでも再発してしまったり、若年女性や開脚制限のある女性には、腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)を行う。侵襲性が少なく手術後の退院も早い」と、新たな手術法についても解説してくれた。
「骨盤臓器脱は治癒できるのだが、先の調査にもあるように、症状が見られても受診する人は少ない。また、受け入れる医師もこの病気に対するガイドラインがないため、対応にバラツキがあるという問題点がある」と、明楽先生は課題を指摘。「そこで、産科婦人科学では第4の分野として、2010年に『女性ヘルスケア(更年期・骨盤底再建)』が設立された。日本医科大学産婦人科学講座では、女性骨盤底再建外科として、産婦人科・泌尿器科・大腸肛門外科がそれぞれの得意分野を活かしつつ、相互に連携をとり治療する取り組みを行っている」と、スタート開始から2年だが継続した活動を行っていくと述べていた。
次に、泉北藤井病院ウロギネセンター長 兼 梅田ガーデンシティ女性クリニック女性泌尿器科ウロギネセンター長の竹山政美先生が、「骨盤臓器脱患者の実態と患者啓発の重要性~泌尿器科医からみた診療の問題~」と題した講演を行った。「骨盤臓器脱の患者は350万人ともいわれており、その内の40%は尿失禁も併発している。それでも受診しないのは、病気であるという認識がなく、どの何科の医療機関を受診すればよいかなど、情報不足が要因として考えられる」と、患者にとって受診ハードルが高いのが骨盤臓器脱であるという。「受診のハードルを低くするために、女性泌尿器科外来を立ち上げた。さらに元患者会も発足し、情報提供などを行うようにした。すると、新患者数は一気に増加した」と、患者の立場を考えたことが受診率アップにつながったようだ。
「そして、新しい骨盤臓器脱の手術法として、メッシュを用いたTVM手術を導入した。低侵襲で再発も少なく、患者の術後のQOLも良好とメリットが高いのが、この手術の特徴だ」と、手術を受けることで生活が一変するだけに、症状がある人は受診して欲しいと竹山先生は訴えていた。「患者が受診の契機となった情報として、メディアと回答した人が58%と半数以上にのぼった。それだけに、骨盤臓器脱に関する情報を多くのメディアに取り上げてもらえるように、今後も様々な活動を行っていきたい」と、竹山先生は、メディアと連携しながら、骨盤臓器脱の認知度向上を図っていきたい考えを示した。
ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニー=http://www.jnj.co.jp/jjmkk/
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