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2011年11月21日
UpToDate日本事務所、オンライン臨床意思決定支援システムの日本語による検索を可能に
ウォルターズ・クルーワー・ヘルスの医療情報サービス部門であるUpToDate日本事務所は、オンライン臨床意思決定支援システム「UpToDate」の、日本語による検索と結果閲覧を行うことができる新機能サービスを10月20日から開始した。そして、医療情報検索サイト活用の重要性を知らしめるべく、「医療現場におけるEBM浸透の現状と課題」と題したメディアワークショップを11月7日に開催した。
日常的に患者を診察している医師には、的確に症状を見極め、適切な治療を行うことが求められている。しかしながら、“適切な治療”の判断の根拠を何に求めるかは、医師によって異なるのが現状だ。同社ではこうした状況を鑑み、「医療現場におけるEBM浸透の現状と課題」と題したメディアワークショップを開催した。
同ワークショップでは、湘南鎌倉総合病院内科スーパーバイザーを務める医師 Joel Branch先生と日本におけるEBM普及推進を行っている武蔵国分寺公園クリニック院長の名郷直樹先生から、日本の医療現場におけるEBMの浸透状況と課題、診療現場での臨床情報の活用について講演を行った。
「日本ではEBMのパッケージが広く導入されているが、患者を治療する際に、EBMガイドに基づいたものを活用するというケースは稀である」と、Joel Branch先生はうまく活用されていない現状に頭を抱える。「EBMは、臨床的な基礎的な検知から、薬剤がどのように作用するかなど、患者がその後どうなるかを理解する手助けになる」と、EBMを活用することで、治療の安全性や効果なども期待できるという。
「日本では、他の薬剤が有効とわかっていても、違う薬剤を使用しているケースは少なくない。これには、最新のエビデンスを理解する時間が日本の医師にないという課題がある」と、Joel Branch先生はEBMが正しく活用されていない理由を指摘。「さらに、日本には最新の情報を得る必要性を強く訴えていない。また、日々の忙しさから新情報を意欲的に入手したいと考える医師は多くはない」と、日本の医療構造が他国と大きく異なっている点にも触れていた。「日本では、臨床で得た長年の経験や知識による判断が最良とのトレーニングを受けていることも活用障害になっている」と、様々な要素が絡み合って、EBMがうまく活用されていないと嘆いていた。
「そこで提案したいのが、UpToDateを活用すること。これによって病因を話し合ったり、症状や検査内容、診断情報が得られる。経験の少ない医師にも効果が見込まれる」と、オンライン臨床意思決定支援システム「UpToDate」を活用することで、医療の平準化などが期待できると話していた。「また、医師の決定も迅速になり、医学ジャーナルを何冊も読む必要がなくなる」とのこと。「医師はすべてのことを知ることはできないし、限界もある。それだけに、EBMを活用して必要な情報だけをうまく引き出し利用していくことが得策であると考えられる」と、Joel Branch先生はEBMの必要性を訴えていた。
続いて、武蔵国分寺公園クリニック院長の名郷直樹先生が、日本の医療現場におけるEBMの浸透状況と課題、診察現場での臨床情報の活用について講演を行った。「EBMは、英語であるという、情報の壁が存在する」と、EBMが日本で浸透しない理由を紹介。「医師に行ったアンケート調査でも、英語が苦手と回答した人は半数以上あり、勉強時間がほとんどないため、データベースにアクセスする時間も数分程度しかとれないというのが現状だ」と、英語がEBMの浸透の妨げになっているのはもちろん、医師が忙しすぎるということも、EBMの浸透を阻害しているようだ。「日常的な疾患の重要な研究結果も、元は英語の論文であることが多い。このため大多数の臨床医に利用されていない。つまり、重要な医学情報を臨床医や患者に届けるために、英語の壁に対処する必要がある」と、現在の課題点を指摘した。
英語の壁を越えるためには、日本語による情報提供が考えられるが、名郷先生は、「UpToDate日本語検索やCMECジャーナルクラブなど、英語の壁を克服するための試みが始められた」と、日本語対応が進みつつあるとのこと。「メディアには、こうした情報にアクセスしてもらい、医師に情報を伝えることで、医師のEBM活用意欲を高めてもらいたい」と、メディアが架け橋となってくれることを切に願っていた。
最後に、UpToDate 日本事務所の大神宏治氏が、「UpToDateと日本語検索機能について」紹介した。「現在、450の大学病院で活用されている。しかし、内容はすべて英語であるため、活用している医師が少なく、情報も膨大であることから、検索だけでも日本語化できないかと考え開発した」と、日本語検索機能が追加された経緯を紹介。「UpToDateでは、論文を閲覧することができるわけでなく、複数の医師が何十にも精査して書き上げた文書を読むことができるようになっている。そして、この情報が日々更新され、新しくなって入っている」と、UpToDateに実際にアクセスしながら、この機能の特長について解説してくれた。「利用価格については、個人購読で1年目が530ドル、2年目から430ドルになる」と、長期契約することでお得になるプランで展開しているとのことだった。
UpToDate=http://www.uptodate.com
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