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2010年11月06日

セラバリューズ、ウコン成分「クルクミン」の機能の多様性と医療分野での最新応用研究を紹介

 セラバリューズは11月1日、ウコン成分である「クルクミン」のもつ機能の多様性と医療分野での最新応用研究を紹介するメディア向けセミナーを開催した。講師には、テキサス州立大学 M.D.アンダーソンがんセンター 教授のバラット・アガワル先生、秋田大学大学院医学系研究家臨床腫瘍学講座 教授の柴田浩行先生、京都大学医学部外来化学療法部 助教の金井雅史先生、静岡県立大学薬学部分子病態学講座 教授の森本達也先生、筑波大学人間総合科学研究科スポーツ医学専攻 講師の前田清司先生を迎え、それぞれの専門分野におけるクルクミンの可能性について紹介した。

 クルクミンは、ウコンに含まれるポリフェノールの一種。悪酔い防止に効果的な成分として知られており、飲料やサプリメント、香辛料として広く一般に親しまれている。その一方で、クルクミンは、メタボリックシンドローム、うつ病・アルツハイマーなどの精神疾患、がん、筋肉疲労など、様々な疾患に対する効果が確認されている。最近では、こうした食品がもつ生体作用について医療への応用が注目されており、疾病の発症予防効果や、既存治療薬との併用による補完効果について研究が進められているという。

 セラバリューズでは、クルクミンの欠点である生体吸収性を大幅に改善。クルクミンの可能性を拡げる製剤「セラクルクミン」を開発したとのこと。そして、このセラクルクミンを使用した機能性食品の開発、および国内外の研究機関・大学との共同研究を通じて、クルクミンのもつ可能性を追求してきたという。

 今回、メディア向けセミナーを開催し、クルクミンに秘められた多用な機能性と応用研究の最新状況を紹介することで、認知の向上とさらなる活用範囲の拡大につなげていきたい考えだ。

 セミナーで最初に講演を行ったのは、米国におけるクルクミン研究の第一人者で、がんにおけるクルクミン利用の研究に取り組んでいるテキサス州立大学 M.D.アンダーソンがんセンター 教授のバラット・アガワル先生だ。「クルクミンが含まれている植物として広く知られているのがターメリック。沖縄でも栽培され昔から薬剤として使われてきた」と、クルクミンは古くから私たちにとって身近な存在だったという。

v「クルクミンの効能としてまず確認されたのが、慢性的な炎症予防に有効であるという点だ」と、絆創膏などにクルクミンが活用されていると話す。「また、クルクミンはがんの侵襲を防ぐということがわかってきた。とくに膵がんに有効であることが確認されている」と、医療現場でもクルクミンが活用され始めているとのこと。「その他、クルクミンは加齢や肥満にも有効で、心臓の肥大治療にも使われている。このようにクルクミンは多くのターゲットをもっている」と、クルクミンは様々な病気に効く成分のようだ。「クルクミンは、様々な病気に効果を発揮するだけに、生活の中に積極的に取り入れていくことをすすめたい」と、クルクミンを摂取することで、私たちを苦しめる様々な病気から身を守って欲しいと訴えていた。

 次に、秋田大学大学院医学系研究家臨床腫瘍学講座 教授の柴田浩行先生がクルクミンによるがん分子標的治療について講演を行った。柴田先生は「クルクミンに関しては、がんを分解して作用することが世界的に権威のある雑誌に掲載されているのを見て興味をもった」と、クルクミンの可能性に魅せられたという。「まず、がんにもアキレス腱があり、それを薬で抑えることはできないかと考えた。そして、分子標的薬というものにたどり着いた」という。「例えば、進行性の大腸がんの治療に分子標的薬が使われ、がんの抑制に貢献している」と実例を紹介。「がんはシングルターゲットではなく多分子的なもの。それだけに、クルクミンは多くのターゲットを制御してくれるので、がん治療に有効であると考えた」と、クルクミンががんの治療薬に適している理由を説明してくれた。

 「従来のクルクミンには血中濃度を維持しづらいという欠点があったが、吸収性を増すセラクルクミンの登場によって、がんの治療薬に使える可能性が出てきた」と、セラクルクミンの登場はがん治療において多大なインパクトがあったと指摘する。「クルクミンは低毒性で、複数の標的分子を制御し、新しい抗腫瘍性化合物として高いポテンシャルを有している」と、クルクミンのさらなる可能性に期待を寄せていた。

 京都大学医学部外来化学療法部 助教の金井雅史先生は、膵がん患者に対する新規治療法としてのクルクミンの可能性について講演を行った。「膵がんは、日本での死亡原因で第5位になっている。5年生存率は5%未満で予後は非常に不良である」と、膵がんに関する基本的な部分を紹介。「膵がんの治療には、ゲムシタビンという抗がん剤が切除不能・再発した膵がんの治療に用いられているが、その効果はまだ不十分」と、膵がんには効果的な治療法がない点が、高い死亡原因となっている所以のようだ。

 「現在海外では、膵がん患者を対象とした臨床試験が3つ行われている。クルクミンを服用したことで、がんが縮小したという報告もある」と、クルクミンはがんに有効であるとのこと。「日本でもクルクミンを用いたがん患者に対する臨床試験を行った。これは、膵がん患者を対象に1日8gの高用量のクルクミンを継続して服用することの安全性と忍容性を検証する試験」と、日本で初めて行われたものであるという。「その結果、クルクミンは日本人の膵がん患者に対しても安全で、高い忍容性が確認された」と、クルクミンが膵がん治療に有効であるという結果が得られたとのこと。「しかし、クルクミンの効果を得るには血中クルクミン濃度の向上が不可欠であることも、臨床試験で明らかになった」と、改めて従来のクルクミンの欠点が浮き彫りになったという。「今後は血中クルクミン濃度が向上したセラクルクミンを用いた新たな臨床試験を計画中だ」と、さらなる試験で膵がん治療に応用していきたい考えを示した。

 アガワル先生の講演にもあったように、クルクミンはがんだけでなく、心臓病予防などにも有効であることがわかってきている。この点について詳しく解説してくれたのが、静岡県立大学薬学部分子病態学講座 教授の森本達也先生だ。「クルクミンが心不全の進行を抑制できるかについて、高血圧ラットや心筋梗塞ラットにクルクミンを投与して効果を検討した」という。「その結果、クルクミンは高血圧性心疾患モデルラットの生存率を有意に改善した」と、クルクミンが心不全治療薬として用いられる可能性が示されたと森本先生は説明する。「さらなる試験として、クルクミンは標準心不全治療薬に加えて効果があるのかを、ACE阻害薬とクルクミンを心筋梗塞ラットに投与することで確認した。その結果、クルクミンは標準心不全治療薬に加えても効果があったことがわかった」と、クルクミンは心不全の治療に有効であることがはっきり示されたという。

 「そこで、クルクミン治療が臨床に応用できるよう臨床試験を展開している。まず、クルクミンの内服の安全性の評価と血中濃度測定を見るため、健常成人ボランティア10名にクルクミン規定量2gを12週間内服してもらった。その結果、ラットの治療域に比べ高濃度の血中濃度を得ることができ、クルクミンは安全であることがわかった」と、副作用は認められなかったようだ。「そして、天然クルクミンに比べて、血中濃度が約60倍となったセラクルクミンが登場した。これを受けて、現在セラクルクミンによる臨床試験を開始している」と、セラクルクミンを使った試験を通じて、心不全治療に用いられるレベルにまでもっていきたいと述べていた。

 最後に、筑波大学人間総合科学研究科スポーツ医学専攻 講師の前田清司先生が、運動による筋疲労とクルクミンと題した講演を行った。「メタボリックシンドロームは、糖尿病や脂質異常症、高血圧などを誘因することが広く知られ、その予防として厚生労働省では運動を行うことを推奨している。しかし、運動習慣のない人が急に運動をすると、筋疲労や筋肉痛を引き起こし、継続的な運動をあきらめてしまう人が多く存在する」と、運動することによって生じる痛みが、運動が続けられない要因であると指摘する。

 「運動による筋疲労や筋肉痛を抑制することができれば、運動の継続が無理なくできると考え、マウスにクルクミンを摂取し、運動後の筋疲労を調査した」という。「その結果、クルクミンを摂取すると、摂取しなかったマウスに比べ筋疲労を抑制することがわかった」と、クルクミンが継続的な運動の救世主に成り得る可能性があるとのこと。「クルクミンの摂取で運動による筋疲労抑制をヒトで確認する試験を開始した。ヒトでもマウスと同様の効果を確認することができれば、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防につなげることができると考えている」と、前田先生はクルクミンが予防医療の現場で活用されることに大きな期待を寄せていた。

 以上5名の先生の講演を受けて、セラバリューズの今泉厚CSOが総括を行った。「当社はクルクミンの課題である難吸収性を改善した画期的なクルクミン製剤『セラクルクミン』の開発に成功。セラクルクミンの開発技術は、難溶解性の機能性食品素材および医薬品の吸収性向上技術として、広く応用可能だ」と、セラクルクミンの登場で、応用領域が広がるとの見解を示す。「また、セラクルクミンは、ウコンやクルクミンと同様に、安全性についても立証されている」と、急性経口毒性、反復経口毒性、変異原性について問題ないことを確認しているという。

 「健康志向が高まる中、予防医学に対する要望が高いにもかかわらず需要は潜在化しているのが現状だ」と、医薬品に比べ機能性素材分野においてエビデンスが少ない現状に警鐘を鳴らす。「当社は、消費者、患者に理解、納得してもらい、予防医学に高い意識をもつ潜在顧客を顕在化するために、今後も多くの研究機関や大学などと協力してエビデンスを取り続けていく」と、クルクミンの可能性について追求していく考えを示した。

セラバリューズ=http://theravalues.com/
クルクミンに関する情報を提供するサイト「クルクミンなび」=http://www.curcumin-navi.jp/


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