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2010年06月21日

志木市、子宮頸がんを克服した三原じゅん子さんなどを迎えた市民講座を開催し子宮頸がん予防を啓発

 子宮頸がん予防のワクチンの公費負担を決定した埼玉県志木市は6月20日、ロハスメディアとグラクソ・スミスクラインが主催する市民公開講座「子宮頸がんは検診とワクチンで予防できます」を志木市総合福祉センターで開催した。市民公開講座では、子宮頸がんを克服した女優でがんサバイバーの三原じゅん子さんが講師を努め、自身の体験談を紹介するなど、子宮頸がん予防のための検診の必要性などを訴えた。

 講演のトップを務めたのは、NPO法人女性特有のガンのサポートグループオレンジシティ代表で、一般社団法人ティール&ホワイトリボンプロジェクトの河村裕美理事長。講演では、がん患者をサポートする団体を立ち上げた経緯などを説明してくれた。「私は結婚して、7日後に子宮頸がんであることを知った。子宮を摘出する手術を行ったため、子どもを生むことができなくなったが、夫をはじめ様々な人からサポートを受けて今日に至っている」と、河村理事長は子宮頸がんを克服したとのこと。「しかし、子どもが産めなくなることだけでなく、排尿・排便障害や更年期障害である卵巣欠落症候群、リンパ浮腫などの後遺症がある」と、命と引き替えに後遺症に苦しみながら生活しているという。「リンパ浮腫によって足が大きくむくむのだが、むくみを締め付けるために利用している専用ストッキングは約1万9000円の支出となっている」と、経済的な負担もあると説明する。

 「子宮頸がんを宣告された時は、自分の健康を過信した罰だと思った。私のように苦しむ人が少しでも少なくなるように、子宮頸がん予防のための検診を受診することをすすめる活動を行っている」と、子宮頸がんが恐ろしい病気であることを知っているだけに、その苦しみを少しでも救いたいとの考えから支援団体を立ち上げたという。「私は子どもをもつことはできなくなってしまったが、私の話を聞いて、子宮頸がん検診を受診してくれた人が、新たな命を宿してくれることを喜びに、今後も子宮頸がん予防の啓発活動に努めていきたい」と、子宮頸がんが予防できる病気であるということを強くアピールしていた。

 続いて、子宮頸がんを克服した女優でがんサバイバーの三原じゅん子さんが、自身の体験談から子宮頸がん予防の重要性について訴えた。「私は、離婚直後に子宮頸がんであることがわかった」と、支えがなくなった時に病気であることを知ったという。「生命を宿すことができるのは女性の特権だと思う。それだけに子宮を失うという現実に、初めはショックだった」と、まさかがんと宣告されようとは夢にも思っていなかったとのこと。「がんを宣告された時には、治るのか、治った後社会復帰できるのか、いつまでに手術が必要なのか、など不安ばかりが頭をよぎった」と、人生について深く考え直したと話していた。「覚悟を決めて手術を行った。手術の2週間後に仕事が入っていたため、手術後すぐにリハビリを開始した。体力的には非常につらかったが一生懸命行ったことで、早期の社会復帰が可能だった」と、病気に打ち勝つために困難を戦い抜いたとのこと。

 「子宮頸がんになると、子どもが産めなくなるという精神的ダメージを負うことになる。それだけに、みなさんには子宮頸がんにかからないで欲しい」と、子宮頸がんによる苦しみを理解した上での、その言葉に重みが感じられた。「子宮頸がんは、がんの中で唯一予防できるだけに、原因ウイルスを予防するワクチン接種の重要性や、がん検診の必要性を多くの人に訴えていきたい」と、子宮頸がんで苦しむ人を増やさないための活動を続けていくと述べていた。

 では、子宮頸がんとはどのような病気で、なぜ予防することができるのだろうか。この疑問について解説してくれたのが、自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科教授の今野良先生。「子宮頸がんは、症状がないことが特徴。自覚症状がみられた場合は、かなり重篤な状態になっている可能性が高い」と、病気であるということが自分自身ではわからないだけに恐ろしい病気であると説明。「1万5000人の患者がおり、そのうち毎年3500人が子宮頸がんで命を落としている」と、毎日10人に1人の割合で患者が亡くなっている病気であるという。

 「初期のがんは円錐切除術で治すことが可能だ。切除しても妊娠することができる」と、初期の子宮頸がんであれば、十分に治すことができる病気であるとのこと。「ただし初期の段階で見つけるには、定期的に子宮頸がん検診を受診する必要がある」と、検診の重要性を力説する。「子宮頸がんの検診は、子宮頚部の細胞を顕微鏡で観察するため、がんになりそうな病変も発見できる」と、シンプルな検査でありながら、確実にがんを発見できる検査であるようだ。

 
 「また、子宮頸がんの原因のほとんどがHPV(ヒトパピローウイルス)感染であることがわかっている。HPVは感染しても症状がなく、自分の体で治してしまうのだが、一部の人はうまく治せずHPVが体内に居続けてしまう。これが子宮頸がんになる」と、子宮頸がんのメカニズムを説明。「子宮頸がんにつながるHPVを何とかすれば、予防できるのではないかと考えワクチンが作られた」と、子宮頸がんのワクチンが作られるようになった経緯を話してくれた。「HPVを予防するワクチンは半年の間に3回接種する必要があるが、1回接種すると20年間は有効性が持続する」とのこと。「ワクチンは、性交渉経験のない人ほど予防効果が高いだけに、小学生高学年から中学生で接種するのが望ましい」と、学校で積極的にワクチン接種を行って欲しいと呼びかけていた。「ワクチンの接種には5万円かかるのだが、20年間有効であることを考えると、インフルエンザの予防接種よりも割安になる」と、割高に思える価格も長い目でみれば逆に安いくらいであると説明していた。

 最後に今野先生は、「大人は検診で、子どもはワクチンで予防することができる病気が子宮頸がんである。適切な時期に適切な行動をとることで、健康な体を獲得して欲しい」と、子宮頸がんの予防には、“大人は検診を受ける”、“子どもはワクチンを接種する”という行動力が最も重要であると訴えていた。

 
 さて、埼玉県志木市では、全国の地方自治体に先駆けて、子宮頸がん予防ワクチンを公費負担を決定した。この経緯について長沼明志木市長が説明した。「志木市では、朝霞地区の医師会の病院を調べて受診すると、ワクチン接種が無料になる」と、市民は無料でがん検診が受けられるとのこと。「ワクチンの接種は、市内に暮らす300名の中学3年生のうち、約3分の1の生徒で1回目の接種が終了した」と、子宮頸がん予防ワクチンの公費負担を決定した効果が早くも現れているという。

 「志木市はがん検診の受診率が低かった。この状況を打開すべく、志木市立総合検診センターを整備した。このことが奏功し、平成21年度に配布された子宮頸がん検診の無料クーポンは利用率が高かった」と、がん検診率も増えているという。「志木市は、年間132人もの人が亡くなるがんを予防するために、がん予防に対する予算をしっかり確保していきたい」と、市民の前で力強く宣言してくれた。

志木市=http://www.city.shiki.lg.jp/
ロハスメディア=http://www.lohasmedia.co.jp/
グラクソ・スミスクライン=http://glaxosmithkline.co.jp/

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