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2010年04月30日

サノフィ・アベンティス、糖尿病患者への支援活動を目的に「糖尿病メディアフォーラム」を開催

 サノフィ・アベンティスは4月28日、糖尿病患者の支援活動の一環として「QOL向上を目指し、患者さんとのより良いコミュニケーションを~糖尿病劇場の取り組み~」と題したメディアフォーラムを開催した。メディアフォーラムでは、「糖尿病劇場」の主催者の一人でもある朝比奈クリニック 院長の朝比奈崇介先生を招いて、糖尿病療養指導に関する講演が行われた。

 講演に先駆けて、サノフィ・アベンティス 糖尿病領域ビジネスユニット マーケティング統括部の大中康博統括部長が挨拶した。「当社は、経口血糖降下剤から基礎インスリン、追加インスリンを販売する国内唯一の企業として、糖尿病における段階的な治療を提案している」と、糖尿病領域で確かな実績を積み上げてきたという。「薬剤のみならず患者とどのように関わっていけばよいかを考えた結果、正しい情報を患者に伝えていくことを目的に、メディアフォーラムを開催するに至った」と、今回のフォーラム開催に関する経緯を説明。「このフォーラムを通じて、多くの患者にメッセージを伝えていきたい」と、同フォーラムを患者と同社を結ぶ架け橋にしたい考えを示した。

 続いて、朝比奈先生が「糖尿病劇場」の取り組みについて紹介してくれた。「糖尿病劇場とは、医師や看護師、管理栄養士など患者指導に直接携わる医療従事者向けのワークショップで、日常の診療や生活指導の様子を寸劇で表現し、より良い患者教育のためのスキルを身につける取り組み」と、糖尿病劇場について説明。「糖尿病劇場で繰り広げられるやりとりに関する正解は存在しない。そのやりとりを見て、考えてもらうのが基本となっている」と、患者と医療従事者とのコミュニケーションに“コレ”というものは存在しないという。「糖尿病劇場では、黒子が登場し、患者、医療従事者双方の“本音”を表現するというキャスティングを設けているのも特徴だ」と、患者と医療従事者それぞれの深層心理を表現することで、それぞれの立場が抱えているその時の思いなどをぶつけ、ディスカッションをしているとのことだった。

 ここで、昨年5月に大阪で行われた糖尿病学会年次学術集会での糖尿病劇場をビデオで紹介。患者と医師のやりとりを、まずは黒子が入らないバージョンで行い、その後、患者と医師のやりとりは全く変わらず、黒子が入りそれぞれの“本音”を表現するバージョンの2パターンが上映された。糖尿病劇場が披露された後のディスカッション風景も一部紹介され、参加者からの屈託のない意見が寄せられる場面が見られた。

 
 朝比奈先生は、「糖尿病は患者数が年々増加しており、この治療には血糖値を下げることが最適であることがわかっている。糖尿病とされる血糖値の基準は、HbA1cを見て判断する。このHbA1cが6.5%以上の場合は、自己注射によりインスリンを投与して6.5%以下に抑える必要がある」と、糖尿病の判断する上で基本となる指標を紹介。「しかし、6.5%以上の患者の7割が薬による治療のみで、インスリンを投与するという治療を行っていないのが現状だ」と、患者がインスリン治療を行わない現状を嘆いていた。

 血糖値を下げることで、合併症に進展するリスクが減るということがわかっているのに、なぜ患者はインスリン治療を行わないのだろうか。「2001年に糖尿病を取り巻く心理社会的な側面に関する国際的な大規模調査を行った。その結果、患者は自己注射が面倒と感じており、インスリン治療をする理由を理解していないことが明らかになった。さらに人前で注射を打つのが恥ずかしいといった、患者の社会的・対人的影響に関する不安感など、医師が特定しにくい要因もあることが示された」と、合併症などの致命傷になることへの恐れよりも、社会的・対人的な不安感の方が強いという。「ただし、この調査では、インスリン治療に対する一般の理解がまだ十分でない、と患者の知識不足という結論に至っている」と、患者に落ち度があるとの説明になっていることに不満の様子。「医療者にはどんな病気であろうと、急性疾患の患者と同じような対応に陥ってしまう癖がある」と、医者主導の対応法では、糖尿病のような慢性疾患の患者にはうまく対応できないと指摘する。

 
 そこで、朝比奈先生は「患者と医師とが一緒に治療法などを決めていくといった対応が必要になってくる。このために、患者がなりたい自分にしてあげるという考え方が必要になる」と、患者のこれから先の人生目標などについて語り、そこに到達するためには、糖尿病がどんな影響を及ぼすかといった切り口などから、患者の自発的な治療を促していくという試みが大切であると述べていた。

 では、なぜ糖尿病劇場なのだろうか。この問いについて朝比奈先生は、「ワークショップであるため、聴衆に考えてもらい、台本の根底にある“主題”に気づいてもらうことが目的。“感想”が大事」と、演劇を見てもらうのでなく、あくまでワークショップであるとのこと。「また、糖尿病劇場の台本を考えるときに、患者や医師はこういうことを考えているのではないかと、心の推察をするようになる。これ自体もワークショップになっている」と、製作者側にとってもワークショップにつながる点が糖尿病劇場のメリットであると語っていた。

 ただし、課題点も指摘。「現在は医療従事者を中心に糖尿病劇場の活動を行っているが、患者にも参加してもらう形で行うのが理想的。しかし、患者を含めるとなると、参加者は1000名を超える規模になることが予想されるため、ワークショップとして維持できるかが疑問」と、糖尿病劇場はディスカッションが目的なだけに、それができる規模で行う必要があるという部分に朝比奈先生はジレンマを感じているようだった。

 そして、サノフィ・アベンティスの糖尿病患者への支援強化の取り組みについて、サノフィ・アベンティス 糖尿病領域ビジネスユニット アピドラ&インスリンプランニング&ペングループの折居千登勢シニアプロダクトマネージャーが紹介してくれた。「当社は、糖尿病領域におけるリーディングカンパニーを目指し、様々な角度から患者の予防・診断・治療をサポートすることによって、合併症予防に貢献することを理念に掲げている」と、同社が目指す患者サポートを説明。「日本糖尿病協会と協力してHbA1cの認知度向上運動を行ったり、世界糖尿病デーにブルーライトアップイベントを開催するなど様々な支援活動に取り組んでいる」と、イベントや市民公開講座などを通じて、患者に情報提供などを行っているという。

 「5月24日には、一般および患者向けのWebサイト“DM TOWN”をリニューアルする。人に焦点をあてたサイトになっている」と、糖尿病という病気の側面だけではないコンテンツを提供するとのこと。「また、患者のインスリン治療機器のサポートダイヤルを設置。24時間365日、患者だけでなく医師や薬剤師などからの問い合わせに対応している」とのこと。「さらに、医療現場経験をもつ女性スタッフが、MRとは別に、インスリンの自己注射手技や情報提供などを医療従事者向けに行っている」と、患者への直接的なサポートのみならず、医療従事者に対しても支援を行い、トータル的なバックアップを目指していくと述べていた。

サノフィ・アベンティス=http://www.sanofi-aventis.co.jp/

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