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2007年04月02日
カゴメ、ラブレ菌の生きぬく強さと分泌するネバネバ成分(細胞外多糖)との関係を解明
カゴメ総合研究所は、Lactobacillus brevis KB290(以下、ラブレ菌)の消化液耐性についてルイ・パストゥール医学研究センターと共同研究を進めているが、今回、ラブレ菌が人工消化液中で生きぬく強さと、ラブレ菌が分泌するネバネバ成分との関係を解明したことを発表した。
ヒトの健康維持、増進に寄与する乳酸菌がその効果を発揮するためには、生きて腸まで届くことが大切だと指摘する。さらに、生きて腸まで届くためには、胃液や腸液といった消化液に対して生きぬくことが重要だという。
ラブレ菌は人工消化液に対して耐性が高く、生きぬくことがわかっている。また、ラブレ菌はEPS(Extracellular polysaccharide;ネバネバ成分)を分泌するという。同研究によって、ラブレ菌のネバネバ成分が消化液に対する耐性を発揮する一つの要因であることが明らかになったとしている。
ラブレ菌は、自身を覆うように細胞外多糖(以下、EPS)を分泌する乳酸菌。また、in vitroモデル(人工の消化管モデル)での試験において、人工消化液に対する耐性が高く、腸で生きぬく力に優れた乳酸菌であることが示唆されたという(日本乳酸菌学会2005年度大会発表)。しかし、生きぬく力のメカニズムについては未だ明確ではないという。よって、今回はラブレ菌が分泌するEPSに注目し、人工消化液耐性との関係について、研究を行った。
同研究では、EPSの有無が人工消化液に対する耐性に影響するかを調べるために、ラブレ菌、EPSを分泌しないラブレ菌変異株(以下、変異株)、そしてラブレ菌と同種でありEPSを分泌しない基準株について、in vitroモデルを用いて比較した。また、ラブレ菌の人工消化液に対する耐性にはEPSが重要であることが示唆されたため、ラブレ菌および変異株にEPSを除去する機械的な処理を行い、同様にin vitroモデルを用いて人工消化液に対する耐性を比較した。
[用語解説]
ラブレ菌(学名Lactobacillus brevis KB290→通称、Labre[ラブレ]):京都の漬物「すぐき」からルイ・パストゥール医学研究センター(京都)で分離され、その整腸作用や免疫賦活作用が研究されてきた。また、強く撹拌すると塊を生じる(凝集する)ことが知られている。
整腸作用:排便状況(排便回数、便性状)を改善する作用のみを指す「狭義」と、排便状況改善のメカニズムである腸内菌叢バランスの改善作用を含む「広義」がある。実際の整腸作用の試験では便中の菌数や菌叢(腸内細菌の構成やその割合)も排便状況とあわせて調査している。
免疫賦活作用:広義では宿主の免疫システムを刺激し活発化する作用をいう。ラブレ菌はがん細胞やウィルスに感染した細胞を殺し、体内における免疫反応の最前線で活躍するNK細胞や、抗ウィルス活性を持つタンパク質の産生を促進することがわかっている。
EPS:細胞外多糖(Extracellular Polysaccharide)の略語。ラブレ菌は自身を覆うようにEPSを分泌すると考えられている。ラブレ菌は、培養直後に強い撹拌を行うと、菌体同士が塊になる凝集性を示すが、これはこのEPSによるものと考えられている。
in virtoモデル:ヒトの消化管を試験管で簡易に再現したモデル。サンプルを人工胃液で処理し、その後に人工腸液で処理することで、ヒトの消化管における乳酸菌をはじめとしたサンプルの耐性を簡易に評価することができる。
人工消化液耐性:人工消化液耐性はin vitroモデルを用いて測定し、生残率で示している。生残率は最初に人工胃液で処理した菌数のうち、何%が人工腸液処理後まで生残したかで表される。
ラブレ菌変異株(変異株):菌株名はLactobacillus brevis KB392で、自然突然変異したラブレ菌を分離したもの。ラブレ菌と異なり、EPSを分泌せず、凝集性を示さない。また、この変異株は培養を繰返しても元のラブレ菌と同じ性質に戻る現象は確認されていない。
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