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2009年07月30日
乳検ネット、乳がん検診率向上に向けた参加企業の取り組みを発表
乳がん検診推進企業ネットワーク(以下、乳検ネット)は、乳がん検診率の向上に向けた活動やその成果について公開定例会を7月28日に開催した。定例会では、乳検ネットの参加企業が取り組む乳がん検診率向上に関する内容などが発表された。
乳検ネットは、「乳がんの社外への啓発活動以外に“社内の乳がん検診率を上げること”が“日本の乳がん検診率引き上げ”に貢献できるのではないか」という考えのもと、2007年10月1日に異業種15社(現在11社)で発足した。エイボンプロダクツの岩城昌子氏は、「活動発足3年後の2010年に参加各社における乳がん検診率の平均値を65%にするという目標を定め、様々な取り組みを行っている」と説明。「検診バスイベントを開催したり、健康保険組合と連携した乳がん検診の推進などによって、2006年度は44.5%であった受診率が、2008年度には69.2%にまでアップした」と、すでに目標値を超える成果があったという。「今後も、各社の検診率向上の取り組みを参考にしながら、健全な経営は健康な社員に宿るという精神のもと、企業連携を図っていきたい」と述べていた。
2006年度から2008年度までの3年間、社内検診率100%を達成している桃谷順天館の桃谷社長は、「2005年度の健康診断時に乳がん検診バスを呼び、自費で受けられるような取り組みを行ったところ、全社員が乳がん検診を受診した。そこで、2006年度からは検診費用を無料とし、工場勤めの社員やパート従業員も受診するようになった」と、会社で検診費用を負担したことが大きかったと説明する。また、桃谷社長は「ピンクリボン活動を広げるために、年に1回非売品の化粧品を作ることにしている。この商品作りへの参加が、乳がん検診の大切さを従業員自身が感じるきっかけになっている」と直接的なアプローチではなく、間接的に乳がん検診を訴えるアプローチが奏功したと述べていた。
社内検診率70%を目標に掲げるGE横河メディカルシステムの熊谷社長は、「米国では70%の受診率があるということから、その数値を目標に設定した。2006年度は68.9%の受診率だったが、2008年度には70.0%(30歳以上)を達成した」と高い受診率をキープしているという。その理由として、熊谷社長は「検診費用を会社負担にしたことと、マンモグラフィ検診バスを横付けして就業時間内の検診ができるようにした。また、拠点社員には、定期健診に乳がん検診を組み込んだ」ことを挙げていた。「当社は、医療機器を販売している関係上、著名な医師との交流もある。そのため、そうした医師を招き社内講演会などを行うことでピンクリボン活動の意識を高めている」と述べていた。
社員の85%が女性というワコールの桂部長は、「2006年度の検診率が65.4%で、2008年度は71.2%(30歳以上)となった」と同社も高い乳がん検診率であることをアピール。「経営層が理解を示してくれた点が高い受診率を維持している要因。また、京都の本社ビルと物流センターにピンクリボンを掲げ、社としての意志も示している」とし、トップダウンによる取り組みであったことが社内浸透しやすかったと述べていた。さらに、「ピンクリボン室を設置し、問題点の解消などを他部門と連携しながら進めている」と、横展開もしっかりできているようだ。「しかし、問題点もあり、検診バスを横付けしない事業所では、検診率は19%となっている。場の提供ということが検診率向上のひとつのキーポイントになっている」と課題点についても説明していた。
1998年から乳がん検診の啓発活動を行っているというジョンソン・エンド・ジョンソングループ ヤンセンファーマの関口会長は、「2006年度の35歳以上の検診率は45.8%と半数を下回っていたが、2008年度には68.9%に増加した」と、同社も受診率が確実に上昇しているとのこと。関口会長は、「マンモグラフィ検診費用を会社が全額負担していると同時に、毎年検診バスを派遣している。また母の日プロジェクトとして、ジョンソン・エンド・ジョンソン保険者以外の人も受診できるような展開も行っている」と話す。「社内意識の向上については、社内啓発セミナーを開催したり、従業員の配偶者にDMを送るなどして社内外の啓発に務めている」と説明していた。
一方、「2006年度の受診率が19.6%で、2008年度も24.7%と思うように受診率が上がらない」と話すのはリコーリースの打込専務。「35歳以上の人間ドック費用を全額負担にしているが、女性従業員の大部分は20代と若い社員が多いことも受診率が低い要因」との見解を示していた。「実は2007年度は31.1%に増加したのだが、このときは社内で積極的にピンクリボン活動に取り組んでいた。しかし、2008年度は女性社員の育児休暇について強化して取り組んだ結果、比率が下がってしまった」と、ピンクリボン活動をコンスタントに行っていなかったことを反省点として挙げていた。
それぞれの乳がん検診率の向上に関する活動から、逆に難しかったことについて、GE横河メディカルシステムの熊谷社長は「人的リソースがないため、ボランティア的な活動になってしまう」と述べていた。同様に、リコーシステムの打込専務は「検診の時に仕事が山ほどあっても、他の人に頼むことがなかなかできないようだ」と時間のやりくりなどの難しさを指摘した。
また、検診費用の負担についてジョンソン・エンド・ジョンソングループの関口会長は「まったく問題にならない。当社は健康な社員がいるからこそ業績も上がっていくという考え方であるため、当然の負担であると考えている」と述べると、桃谷順天館の桃谷社長も「当社もお金がかかっているというイメージはない。人材が重要と考えているし、社員も会社から大事にされていると感じてもらえるのではないか」と、検診費用の負担は会社として当然のものと口を揃えていた。
最後に、課題として各社がともに挙げていたのが、配偶者の受診率向上や制度的な問題など。また、多くの企業が取り組めるように、今後も乳がん受診率の向上に向けた取り組みなどを広く公表したい考えも示していた。
[乳検ネット参加企業一覧]
朝日新聞社/イトーキ/エイボン・プロダクツ/GEヘルスケア・ジャパン
ジョンソン・エンド・ジョンソン/セコム損害保険/ニューバランスジャパン
富士フイルムメディカル/桃谷順天館グループ/リコーリース/ワコール・ホールディングス
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