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2010年11月18日

MSD、2011年のスギ花粉飛散量とその時期の予測と花粉症の適切なセルフケアとメディカルケアを紹介

 MSDは11月16日、「花粉症患者に警報!2011年春はスギ花粉が大飛散-くしゃみ・鼻水・鼻づまりの3大症状のトータルケアでQOL向上-」と題したプレスセミナーを開催した。セミナーでは、NPO法人花粉情報協会事務局長を務める東邦大学理学部訪問教授の佐藤紀男先生が2011年のスギ花粉飛散量とその飛散時期について、最新データに基づいた予測を紹介。これを受けて、日本医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授の大久保公裕先生が季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の適切なセルフケアおよびメディカルケアについて講演を行った。

 
 スギやヒノキの花粉量が、前年夏の気象条件に大きな影響を受けていることは、すでによく知られているが、花粉飛散量や飛散時期の予測は、気象情報や過去の傾向を解析して作成した予測式に基づいている。これらの基礎データは、全国各地の花粉観測組織のボランティア活動によって提供されているという。今回、花粉観測ボランティアを支援するPO法人花粉情報協会事務局長を務める東邦大学理学部訪問教授の佐藤紀男先生が、例年の5倍から10倍とも予測されている2011年のスギ花粉飛散量とその飛散時期について、最新データに基づいた予測を紹介してくれた。

 「なぜ来年は多くの花粉が飛散すると見られているかについて説明すると、猛暑の時はスギに花芽がたくさんつくからだ」と、夏の暑さによってスギがよく育つことが花粉量の多くなる所以であると佐藤先生は話す。「花粉飛散のピークはラニーニャ現象の影響で、例年よりも遅く3月上旬頃と予測する」と、飛散時期は遅れるとの見通しだ。

 
 では、こうした見通しに至った要因は何なのかを佐藤先生が説明してくれた。「花粉飛散量の予測には、11月中旬頃のスギ林の状態を観察する。ポイントは雄花の密度を見て、1ヵ所につき30本の雄花を採取し、スコア化して雄花指数を求める」と具体的な予測法を紹介。「また、スギの雄花の着花数、大きさ、雄花序の長さが大きいほど総飛散数は多くなる傾向にあるので、採取した雄花を一つひとつ観察する」と、実際のスギの雄花を観察することが正確な予測には欠かせないと力説する。

 「そして、船橋市の31年間のスギとヒノキ属花粉の飛散数年次動向を見ると、年々スギ花粉飛散量が増加している。同じようなデータを福岡でみると、スギよりもヒノキ属花粉が増加している」と、エリアによって飛散する花粉が違うのだが、花粉としてひとくくりにすると、全国的に飛散量は増加傾向にあるようだ。「来年の花粉飛散量を気象データに基づいて予測した結果、今年春に比べて北日本は1.5から4倍、関東も1.5から4倍、北陸・東海は3から15倍、近畿は3.4から10倍、中国・四国は2.2から5倍、九州は1から3倍になるとみられる」と、今年比較的雨が多かった九州は少なめであるものの、おおむね今年の春を上回るとの見解のようだ。

 この結果受けて、花粉症で毎年苦労している人たちはどうすればよいのだろうか。日本医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授の大久保公裕先生がこの問いに答えてくれた。「アレルギー性鼻炎の有病率はこの10年間に29.8%から39.4%と10%近く増加している。この有病率を引き上げているのがスギ花粉症だ」と、スギ花粉によるアレルギー性鼻炎を訴える人は増加傾向にあるという。「この背景に、現代の子どもたちが清潔に育てられすぎて、バイ菌に接する機会が減ったことで、アレルギー性鼻炎の有病率が高まっていると思われる」と、過剰な清潔はかえってアレルギー性鼻炎を引き起こす要因になり得ると大久保先生は警鐘を鳴らす。

 「さらに、有病率を都道府県ごとにみると、大都市圏の有病率が高くなっている。アスファルトで固められた地面では、花粉が土の中に落ちていかないため、飛散してしまう」と、現在の舗装事情も影響しているようだ。「そして、最大の要因は、佐藤先生の講演にもあったように、飛散花粉数が増加しているからだ」と、花粉の絶対数が上昇したことで、花粉症患者が増えてしまったと指摘する。

 
 「各種アレルギー性鼻炎の患者の半数近くは、現在の治療に満足していないということがアンケート調査から明らかになっている」と、治療を受けても症状が改善されない人が少なくないという。「この理由として、抗ヒスタミン薬による治療がほとんどになってしまっているからだ」と、抗ヒスタミン薬一辺倒の治療では、患者を満足させることはできないとの見解を大久保先生は示す。「重症度や病型に応じて、薬剤の使用を推奨することが大切。例えば、くしゃみ・鼻漏型は、抗ヒスタミン薬に鼻噴霧用ステロイド薬を併用するパターンがガイドラインにも示されている」と、複数の薬を併用することで、症状を緩和させる必要があるとのこと。
 
 「花粉症の薬は、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、鼻噴霧用ステロイド薬の3つがある。この薬を状況に応じて治療に使うと、花粉症が改善されるというデータも存在する」という。「そして、花粉が飛散する前に治療を施し、こうした初期療法を行っても花粉症の症状が出てしまった場合は、積極的に3つの薬を駆使した併用療法を行って欲しい」と、早めの対策と薬をうまく併用して、スギ花粉大量飛散から身を守って欲しいと訴えていた。

MSD=http://www.msd.co.jp/


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