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2009年10月28日
東京女子医科大学、クリニカルパス導入による標準化された医療を提供、地域連携も視野に
東京女子医科大学は10月27日、院内「クリニカルパス」の標準化から今年で5年目を迎えたことにともない、「クリニカルパス」に関するメディアセミナーを開催した。セミナーでは、東京女子医科大学のクリニカルパス推進室長で総合医療科の齋藤登准教授が「クリニカルパス導入における高度医療サービスと今後の展望」をテーマに講演を行った。
講演に先駆けて、東京女子医科大学病院の永井厚志病院長から挨拶があった。永井病院長は「クリニカルパス導入は、質の高い医療の実現と安全性を目的に導入してきた」と、その経緯を説明。「今回、当院のクリニカルパスで中心的な活動をしている齋藤登准教授の講演を通して、最新の医療サービスについて理解を深めて欲しい」と述べていた。
では、そもそも「クリニカルパス」を導入する意義とは何なのだろうか。「現在、医療現場では、医療者同士の連携も希薄な旧態的構造が残っている。また、少子高齢化社会における医療費などの諸問題や、医療者ごとにバラバラな治療やケアが多いという課題が挙げられる。こうした問題をなくすためにもクリニカルパスを導入し、患者に対する医療の底上げを図る必要がある」と説明。「また、クリニカルパスを導入すると、バリアンスが発生した場合、適切な現場の対処から治療経過の良好な改善につながり安全な医療が実現でき、患者の満足度も高められる」と、パスが医療の安全につながると述べていた。「さらに、医療の標準化やチーム医療の推進、インフォームドコンセントの充実、医療の効率化、そしてリスクマネージメントを支援することがクリニカルパス導入の狙いといえる」と、医療の質の向上を目指すツールであるとのこと。
続いて、同大学病院では、どのようにして「クリニカルパス」を導入していったのだろうか。「まず、特定機能病院の再認定に向けて、医療安全の強化や医療記録記載の標準化やガイドライン作成が求められていた。そこで、院内で標準化されたクリニカルパスを推進し、電子カルテを活用して情報の共用を図ることを考えた」と説明。「しかし、以前のパスは、同一疾患でも診療科ごとのパスが使われていて、治療目標も記されておらず、フォーマットも多種多様だった。そこでクリニカルパスを標準化し、治療目標主体のパスにしていこうと考えた」と、問題点を改善していくパスを目指したとのこと。「当院で働くスタッフは約3000名と大所帯であるため、2004年にクリニカルパス推進委員会を発足させ、専門家の意見を取り入れながら活動してきた。また、全職員の参加を義務づけたクリニカルパスの講習会を開催し、パスの基本を誰もが理解できる取り組みも推進委員会発足当初から行ってきた」と、全職員の理解を得るための活動も行ってきたという。
同大学病院のクリニカルパスは、電子システム化されているという。「紙ではパスの情報共有が難しく、医療安全面からも電子化が必然と考えた」と説明する。「電子化することで、バリアンス発生の把握からリスク回避が可能となり、院内標準化ができ、これまでのような各科ごとのバラバラな運用が回避できる」と、電子化にはメリットが多いようだ。「初期約2.5年間で紙運用標準化パスは35種類、運用数約1200、次期の約2年間で電子化パス登録66種、運用数5661とパス作成機運に拍車がかかった。現在、電子化パス運用数が月間511例となっている」と、電子化によってパスの量も運用も増えたとのこと。
「当院では、横断的な組織体制を目指し、2008年4月から全職域からの部署代表に、全病棟からのパス担当看護師を加え、パス推進バッチ装着の実行委員を116名に増強した。そして毎月の委員会では、グループ討議の時間を設け、いろいろな職種が交じりあったディスカッションを行っている」という。「パスの啓発活動と教育も行うと同時に、院内イントラにパス推進室のホームページを設置し、情報提供を行っている」とのこと。
クリニカルパスの今後について齋藤准教授は、「PDCAサイクルを徹底し、質の高いパスの運用を目標にしている。また、現在のシステムには統計・分析する機能がないため、バリアンス分析機能などを追加することも課題である」と述べていた。「このほか、地域連携パスに向け、かかりつけ医のためのパスセミナーなどを開催。2008年の第5次医療法改正による地域医療計画の実施から、分野別の地域連携パスの構築が迫られることになった」と、地域連携パスに期待が高まっているだけに、導入方法などの課題を一つひとつクリアにしていく必要があると述べていた。
東京女子医科大学=http://www.twmu.ac.jp/
東京女子医科大学病院=http://www.twmu.ac.jp/info-twmu/
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