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2007年07月17日
カルピス、乳酸菌「ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株」発酵乳の抗動脈硬化作用を確認
カルピスは、同社が保有する乳酸菌Lactobacillus helveticus(ラクトバチルス・ヘルベティカス)CM4株の発酵乳を使用したマウスでの動物実験により、同発酵乳に抗動脈硬化作用があることを同社健康・機能性食品開発研究所と京都府立医科大学吉川敏一教授との共同研究で確認した。
乳酸菌L.helveticus(ラクトバチルス・ヘルベティカス)CM4株は、血圧調節作用のある「ラクトトリペプチド」(VPP、IPP)を生成する能力の高い菌株とのこと。
「ラクトトリペプチド」は、Val-Pro-Pro(VPP)、Ile-Pro-Pro(IPP)の2種類のペプチドから成り立ち、血圧を上昇させるアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する作用があることを、正常高値血圧者、軽症および中等症高血圧者への血圧降下作用や安全性などの研究によって確認しているという。さらに、最近では、「ラクトトリペプチド」に血管内皮機能改善、血管年齢の若返りなどがあることもわかり、血圧のみならず血管機能にまでおよぶことが少しずつ明らかにされてきていると説明する。
今回、「ラクトトリペプチド」を多く含むラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株の発酵乳が血管機能を良好に保つ働きを研究する一環として、高脂血症を原因とする動脈硬化症に対して予防効果を示すかどうか、動脈硬化症のモデルマウスApoE(アポイー)欠損マウスを使用して実験を行った。
試験では、生後6週目のApoE欠損マウスに、(1)通常の餌、(2)ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株発酵乳、(3)未発酵乳--のそれぞれの凍結乾燥粉末を10%含む餌を31週間自由に摂取させ、血液の生化学検査、大動脈の粥状動脈硬化症の指標となる内膜肥厚度(内膜と中膜の面積比)の測定などを実施した。
これに対して、胸部大動脈弓部の内膜肥厚については、ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株発酵乳の摂取により有意に抑制されたとのこと。
また、ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株発酵乳のほかに7つの菌株による発酵乳で、同様の試験を行った結果、通常の餌に対して「ラクトトリペプチド」(VPP、IPP)を多く含む発酵乳(ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株とラクトバチルス・ヘルベティカスJCM1004株)に強い抑制がみられ、そのなかでもラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株が最も強く抑制したという。
このとき、内膜肥厚度と発酵乳中の「ラクトトリペプチド」量の間に相関が認められたことから、「ラクトトリペプチド」には内膜肥厚による粥状動脈硬化症を予防する効果があることが示唆されたと説明する。
以上の点から、ラクトバチルス・ヘルベティカスCM4株発酵乳の摂取によって、(1)高コレステロール血症により引き起こされる動脈硬化症への予防効果があること、(2)「ラクトトリペプチド」を多く含む発酵乳には高コレステロール血症により引き起こされる動脈硬化症を予防する食品として有用である可能性が初めて示された。
これにより、「ラクトトリペプチド」には、幅広い血管・循環器の保護効果が期待されるとしている。
[用語解説]
コレステロールと循環器疾患:血液中のコレステロール値が高いと、動脈硬化(特に動脈の内側が粥状に膨れ上がる粥状動脈硬化)をはじめとする循環器病の発症リスクが高まることは、広く理解されており、とくに悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロール(LDL:低比重リポタンパク質)の数値が高いと、これらの疾病を引き起こす原因となる。
LDLの役割と体内動態:LDLは組織の細胞にコレステロールを運ぶ役目を担い、役割を終えると肝臓に取込まれて分解されるが、肝臓に取込まれるためには、ApoEと呼ばれるLDL中のタンパク質の働きが必要とのこと。
ApoE欠損マウス:高コレステロール血症(高LDLコレステロール血症)によって動脈硬化を発症するモデル動物としてよく使われている。遺伝子組み換えによってApoE遺伝子を欠損しており、ApoEタンパク質を発現しないため、LDLを肝臓に取込んで分解できないので、血液中のLDLが通常マウスの数倍に上昇し、高LDL血症→動脈硬化症→循環器疾患を順次発症するという。
粥状(じゅくじょう)動脈硬化:動脈の最も内側にある内膜の下に変性したLDLが粥状にたまって膨れ上がって(プラークと呼ばれる)、動脈をふさぐタイプの動脈硬化で、プラークが破裂すると重篤な心筋梗塞、脳梗塞を引き起こすとのこと。高コレステロール血症が、その原因となるという。ちなみに、高血圧によって引き起こされる動脈硬化は、内膜を取り巻く筋肉層である中膜が肥厚して血管が硬くなるものでタイプが異なるという。
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