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2009年12月10日
がん検診企業アクション事務局、がん検診受診率50%を目標にがん対策の理解などの重要性をアピール
がん検診企業アクション事務局は12月9日、がん検診受診率向上に向けた企業の対策・取り組みについて、東京大学医学部付属病院准教授の中川恵一先生などが講演を行い、がん検診の重要性をアピールした。
「我が国において、がんは2人に1人が罹患し、死亡原因の第1位になっている」と説明するのは、厚生労働省健康局の上田博三局長。「厚生労働省では平成19年に『がん対策推進基本計画』の中で、5年以内にがん検診の受診率を50%以上にすることを目標に掲げた。この実現には、地方自治体の取り組みだけでなく、職場でのがん対策や理解が必要であることから、『がん検診企業アクション』を発足し、企業における啓発活動強化による職域検診の増加、がん検診の受診率を向上させる取り組みを行っている」と、同事務局の設置背景を説明。「働き盛りの人ががんを発症するケースが増えているだけに、企業におけるがん検診の重要性を訴えていきたい」と、上田局長は述べていた。
続いて、「がん検診企業アクション」のアドバイザリーボード座長の東京大学医学部付属病院准教授の中川恵一先生が、がん検診の重要性について医師の立場から訴えた。「がんが日本の死亡率のトップであることは知られているが、その死亡者数が増加しているのは日本だけで、米国ではがんによる死亡者数は減少している」と、まさに日本はがん大国であるとのこと。「がんは細胞の老化によって起こるため、世界一の長寿国である日本が、世界一のがん大国になるということになる」と、高齢者になればなるほど発症しやすい病であるという。
「その一方で、がん治療はそんなに進んでおらず、例えば子宮けいがんの病期別死亡率は40年前とほとんど変わっていない」と、医学が進歩したとはいえ、がん治療については大きな進歩がみられないのが現状のようだ。「そこで、重要になってくるのが、がんの予防と早期発見。早期のがんは90%以上の確率で治すことができる」と、早期発見、早期治療ががんの特効薬であると中川先生は説明する。「がん細胞が1cmから2cmの大きさになるには、約1年半から2年の時間が必要。この間にがん検診で早期発見できれば、死亡することは少ない。しかし、これが5年も経過するとがん細胞は10cmぐらいの大きさになり、死亡リスクが一気に高まる」と、がんを早期発見するには、1年から2年おきにがん検診を行うことが大切だと述べていた。
「乳がんなどは、がん検診によって、死亡率を減らせることがわかっているのだが、その受診率は低いのが現状だ。乳がんや子宮けいがんの検診受診率は、先進国の中では最低のランクである」と、中川先生は日本のがん検診受診率の低さに警鐘を鳴らす。「がん検診受診率を上げるには、企業でのがん啓発を促す必要があると考え、『がん検診企業アクション』を発足した。推進パートナー企業は現在20社になっている」と、がん検診受診率向上のためには企業の参加が必要であると強く訴えていた。
「がん検診企業アクション」のパートナー企業を代表して、ジョンソン・エンド・ジョンソンのデイビッド・W・パウエル社長が同社のがん検診の取り組みについて説明した。「当社は、従業員は企業のエンジンと考えており、社員の健康は、企業の健康につながるとの精神をもつ。こうした企業理念から、乳がん検診受診率向上のための乳検ネットへ参加し、検診費用の会社負担やマンモグラフィーバスの社屋への配車などを行っている」と、会社をあげてがん検診受診率向上を目指しているという。「がん予防は、企業にとってコストではなく投資であると考え、がん検診の重要性を理解し、『がん検診企業アクション』に参加して欲しい」と、パートナー企業への参加を呼びかけていた。
また、企業におけるがん検診の現状と展望と題して富士フイルムメディカルの岡本昌也社長特命がん検診プロジェクト担当が説明を行った。「現在、がん対策基本法や乳がん検診の無料チケットの配布などフォローの風がある一方、受診率は依然として低く、これに追い打ちをかけるように景気も後退し、国民の関心度も低調なままだ。これを打破するために、組織という単位で巻き込んで、がん検診受診率向上を目指し『がん検診企業アクション』がスタートした」とのこと。「企業における検診受診率を向上させることで、一気に50%をクリアしたい。そのためには、企業として取り組みやすい仕掛けや仕組みを構築し、ムーブメントを起こす必要がある」と、がん受診率向上に向けての今後の展望を述べていた。
がん検診企業アクション=http://www.gankenshin50.go.jp/
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