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2010年11月30日

日本リウマチ友の会、「2010年リウマチ白書」を発刊、ファイザーと共催でセミナーを開催しリウマチ患者の実態を報告

 日本リウマチ友の会は11月25日、ファイザーと共催で「2010年リウマチ白書」の刊行を記念したプレスセミナーを開催した。セミナーでは、東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科 教授、日本リウマチ学会理事長の宮坂信之先生が、関節リウマチ治療について講演を行った。

 国内に70万人の患者がいるといわれている「関節リウマチ」を取り巻く医療・福祉、社会環境は、生物学的製剤の登場によって、近年大きく変化しているという。日本リウマチ友の会では、5年ごとに「リウマチ患者の実態調査」を行い、その結果を「リウマチ白書」としてまとめる活動を行っている。そして今回、「2010年リウマチ白書」を刊行するとのこと。同白書の内容を解説する前に、関節リウマチについて、東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科 教授、日本リウマチ学会理事長の宮坂信之先生による講演が行われた。

 
 「関節リウマチとは、原因不明の多発性で、いろいろなところにできる関節炎。主に中年女性に高発し、軟骨・骨の破壊を特徴としている。ときに内臓病変をともなう病気だ」と、関節リウマチについて簡単に紹介。「リウマチは炎症であり、腫れて、痛くて、赤くなって、熱をもつのが症状としてあげられる」とのこと。「また、リウマチは慢性疾患で、発症はゆっくり起こる。経過は年余にわたり、症状は改善と増悪を繰り返し、昔は早期発見、早期治療が難しいとされてきた」と、厄介な病気がリウマチであるようだ。「リウマチにおける関節破壊の経時変化をみると、関節破壊は最初の1年間が最も早い。この1年間で治療しなければならない」と、早期に発見し治療することがリウマチ治療には必要不可欠であると説く。
 
 では、リウマチはどのようにして発症するのだろうか。「関節の裏打ちをしている滑膜から炎症が始まる」とのこと。「そして、リウマチを発見するためにスコアリングによる診断方法を採用することで、早期からリウマチを判断することができるようになった。さらに、治療の強度をそれぞれに合わせて行えるようになるという利点もある」と、スコアリングによる診断基準の確立が早期発見、早期治療を可能にしたという。

 そこで、関節リウマチと診断された場合はどうすればよいのだろうか。「関節リウマチ治療薬は、消炎鎮痛剤(NSAIDs)と抗リウマチ薬(DMARDs)、副腎皮質ステロイド薬、生物学的製剤の4つとなる。それぞれ長所と短所がある」と、関節リウマチの治療薬は一長一短のようだ。「消炎鎮痛薬は腎障害の副作用が懸念される。副腎皮質ステロイド薬は、即効性も高く強い抗炎症効果があるものの感染症や糖尿病、高脂血症など様々な副作用がある。抗リウマチ薬は、すぐに効かないものの軟骨・骨破壊を遅延させるが、効かない人がいたり、重篤な副作用が起こる場合もある」と、それぞれの薬の特徴を紹介してくれた。

 「生物学的製剤とは、生物から産生される物質を遺伝子工学的手法を用いて薬にした『バイオ医薬品』。標的分子とだけ結合してその活性を抑える働きがある」と、決めたターゲットに効く薬だという。「現在5種類の生物学的製剤があり、効果はどれも同等となる。医師と相談しながら静脈注射のタイプか、皮下注射のタイプかを選ぶ場合が多い」とのこと。「ただし、生物学的製剤も副作用がある。標的を減らしてしまうことで、感染症にかかりやすくなってしまう」と、生物学的製剤の使用にも注意が必要と指摘する。「感染症に注意すれば、速効性があり、寛解に導入できる。関節破壊を止めて、関節機能を正常化できる」と、他の薬に比べて利点が高いようだ。「その一方で、口から飲むことができず、薬価が高額である」と、感染症への不安以外にもデメリットはあると説明する。「これからの関節リウマチ治療は、早期に発見し、積極的な治療を行うことで、寛解率を高めていくことが重要になる」と、今後の関節リウマチ治療の方向性を指し示した。

 続いて、「2010年リウマチ白書」の内容について、「リウマチ患者の現状 ~リウマチ白書より~」と題した講演を、日本リウマチ友の会の長谷川三枝子会長が行った。

 「日本リウマチ友の会は、1960年に設立し、リウマチに関する正しい知識を広め、リウマチ対策の確立と推進を図り、リウマチ性疾患を有する者の福祉向上に寄与することを目的としている。会員は約2万人に達し、全国都道府県に47支部を有する」と、日本リウマチ友の会の概要について紹介。「今の医療実態を把握することを目的に、リウマチ白書を5年ごとに刊行してきた」という。「そして、2010年の白書では8307人の患者からアンケートに回答してもらった」と、白書の概要を説明してくれた。

 
 「1年前と比べた現在の症状については、良くなったという人が5年間の調査に比べて上昇した」と、リウマチの症状が改善している患者が増えているようだ。「その背景には、2005年にはわずか4.5%でしかなかった生物学的製剤を使用する患者が、2010年では29.1%にまで拡大したことが挙げられる」と、生物学的製剤がリウマチ患者の救世主となっているようだ。「しかし、抗リウマチ薬に比べると処方されている割合は低い」と、まだまだ生物学的製剤が主流の薬剤ではないとのこと。「生物学的製剤は薬価が高いことで知られているが、それを象徴するように医療費の自己負担も3万から8万100円未満が5年前、10年前に比べて大きく上昇している」と、生物学的製剤を使用することによって経済的負担が大きくなっている患者が増えているという実態も浮き彫りになった。
 
 こうした結果を踏まえて長谷川会長は、「リウマチは50年前は治らない病気であったが、今では寛解まで見込め、近い将来には治癒できる可能性もある。それだけに、生物学的製剤を使用しているリウマチ患者を長期高額疫病患者と認定し、高額医療費助成の対象にしてもらうための要望書を厚生労働大臣に提出した」と、経済的理由から生物学的製剤の使用ができないという状況をなんとか打開したいと切に訴えていた。

日本リウマチ友の会=http://www.nrat.or.jp/
ファイザー=http://www.pfizer.co.jp/

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