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2012年01月23日
ダイキン工業、京都大学との共同研究でストリーマ放電をスギ花粉に照射することでその有害性が抑制されることを実証
ダイキン工業は、京都大学大学院工学研究科 都市環境工学専攻 環境衛生学講座 教授の高野裕久先生との共同研究によって、花粉がヒトに対してアレルギーを引き起こすだけでなく、喉や鼻の粘膜を構成する細胞自体に悪影響を及ぼすことを明らかにした。また、同社が独自開発したストリーマ放電技術が、細胞に対する花粉の悪影響を抑制する効果があることも、同時に実証した。この研究結果の詳細を説明する発表会が1月20日に行われた。
ストリーマ放電技術とは、これまで困難とされていた「高速電子」を安定的に発生させることに成功した画期的な空気清浄化技術。ストリーマ放電は、プラズマ放電の一種で、酸化分解力の高い「高速電子」を3次元的・広範囲に発生させるため、一般的なプラズマ放電(グロー放電)と比べて、酸化分解力が1000倍以上になるという。同技術は、空気成分と合体した高速電子が、強い酸化分解力をもつため、ニオイや菌類・室内汚染物質のホルムアルデヒドなどに対しても持続的な除去効果があると説明する。
これまで同社は、ストリーマ放電の花粉に関連する効果の実証も重ねてきたとのこと。2004年9月には、和歌山県立医科大学 教授の鶴尾吉宏先生との共同研究によって、「スギ花粉抗原の不活化」を実証した。2005年6月には、独立行政法人国立環境研究所の小林隆弘上席研究官および和歌山県立医科大学 教授の鶴尾吉宏先生との共同研究で、花粉、ダニなどのアレルゲンと一緒に吸うとアレルギー症状を悪化させる空気中の物質「アジュバント」(ディーゼル排気粒子(DEP)などの有害ガスが知られている)について、「アジュバント効果の抑制」を実証した。2011年2月には、山形大学 準教授の白澤信幸先生との共同研究で「花粉症を引き起こすアレルゲンの消失の可視化」を実証した。
また、2010年7月から外部の有識者たちとのディスカッションを通じて、ストリーマ放電技術の効果実証、活用領域の検証を行う場として「ダイキン・ストリーマ技術・ソリューションフォーラム」を発足し、社会問題解決へのストリーマ放電技術による貢献の可能性を探る活動を実施しているという。
そして今回、スギ花粉がヒトの鼻や喉から肺にいたる気道上皮細胞を破壊する性質を、京都大学大学院工学研究科 都市環境工学専攻 環境衛生学講座 教授の高野裕久先生との共同研究によって発見したという。この花粉のヒト細胞に対する有害性についての実証に関して、ダイキン工業 環境技術研究所 医学博士の新井潤一郎主席研究員が説明した。「これまで、スギ花粉がヒトの体内に侵入すると、アレルゲンとして作用し、生体の防衛機能により過剰な免疫反応を引き起こすことで花粉症を発症するというメカニズムは知られていた」と、これまで知られていた花粉症の有害性について解説。「スギ花粉の主たるアレルゲンは、クリジェー1とクリジェー2の2種類ある。スギ花粉症の患者92.4%は、クリジェー1とクリジェー2の両方に反応する。このため、花粉症の発症予防には、クリジェー1とクリジェー2の両方のアレルゲンを除去する必要性がある」と、アレルゲンの性質およびその除去が花粉症患者にとって重要であると指摘した。
「実証試験では、自然界に存在するスギ花粉と、ストリーマ放電の照射によって分解されたスギ花粉をそれぞれヒトの細胞に接触させ、ヒトの細胞に対するスギ花粉の有害性とストリーマ放電の有用性を検証した」とのこと。「その結果、自然界に存在するスギ花粉をヒトの気道上皮細胞に接触させると、細胞が炎症を発症する際に産生されるタンパク質IL-6の産生量が増大した。一方、ストリーマを照射した花粉を接触させた細胞は、自然界の花粉をそのまま接触させた細胞に比べてIL-6の産生量が少なかった。これによって、スギ花粉は、ヒトの気道上皮細胞に対して炎症を起こす有害性をもつことがわかった。そしてストリーマ放電は、その有害性を抑制することが明らかになった」と、研究結果を発表した。「今回の結果は、花粉が流行した理由を裏付けるものであると考えている」と、研究成果を評価していた。
ストリーマ放電技術の評価と期待について、京都大学大学院工学研究科 都市環境工学専攻 環境衛生学講座 教授の高野裕久先生が発表した。「ストリーマ照射による、スギ花粉の形態変化を観察した結果、見た目が小さくなり、丸みを帯びた形態に変化した。しかし、小さくなることで、さらなる健康への影響が懸念されるのではないかと考え研究を重ねていった」と、ストリーマ照射によって小さくなっても、それが私たちにとってよいことにつながるわけではないとの考えから、研究をスタートさせたという。「また、花粉は気道の表面に反応する。アレルゲンには毒はないが、アレルギー反応を起こすという流れはなかった」と、気道上皮細胞・免疫細胞の構造を説明。「今回の結果で、花粉はバリア機能の崩壊で入り込んでしまうのだが、ストリーマで小さくした花粉は、バリア機能を損なうことなく、ブロックすることが可能であることがわかった」と、ストリーマ照射によって小さくなった花粉は、健康に好影響をもたらしてくれることがわかったと解説してくれた。
ダイキン工業=http://www.daikin.co.jp/
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