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2011年10月21日

東京文化発信プロジェクト、「東京クリエイティブ・ウィーク」のオープンニングイベントで「FUTURE SKETCH BOOK」をテーマにしたトークセッションを開催

 東京文化発信プロジェクトは、10月20日から30日までの11日間を「東京クリエイティブ・ウィーク」とし、今年度のテーマである「TOKYO FUTURE SKETCH~日本の未来のために、文化ができること~」に基づくプログラムを展開している。「東京クリエイティブ・ウィーク」初日の10月20日には、オープニングイベントとして、スペシャルプログラム「FUTURE SKETCH BOOK」プロジェクトのスーパーバイザーである日比野克彦氏と、東京都歴史文化財団エグゼクティブ・アドバイザーの加藤種男氏、そして特別ゲストにタレント・モデルのはなさんを迎えたトークセッションが催された。

 「東京クリエイティブ・ウィーク」では、東京が文化を楽しむ場所となり、都内各所で伝統文化から現代アートまで幅広いプログラムを体験できるという。そのプログラムの1つとして9月からスタートしているのが「FUTURE SKETCH BOOK」で、一般参加者とアーティストが未来の絵をスケッチするワークショップを実施している。あわせて、キャンペーンサイトで、未来のスケッチを描いた作品を一般募集しているとのこと。今回のトークセッションでは、これまで実施した「FUTURE SKETCH BOOK」のワークショップの様子や投稿された未来のスケッチを紹介しながら、“未来を描くこと”についてそれぞれの意見を交わした。

 まず、日比野氏が「FUTURE SKETCH BOOK」の目的について説明。「昔は子どもの頃に未来の絵を描く機会があった。しかし、最近では未来の絵を描こうという呼びかけもないし、未来の絵を描きたいという気持ちもなくなってきている。私が小さい頃は、新幹線の開通やアポロの月面着陸など、大人も子どもも同じ目線で夢や未来を考えることができた。それが、現代では全く違うものになってしまっている。とくに、エコへの意識が強くなりすぎて、都市を発展させることは悪いことのように考える子どもも増えている。そこで、もっと自由に未来を発想する力を養っていこうというが『FUTURE SKETCH BOOK』の大きな目的だ」としている。

 「FUTURE SKETCH BOOK」では、参加者が特製の専用スケッチブック「FUTURE SKETCH BOOK MINI」に未来を描き、その絵をもとに未来について議論を交わす。そして、ワークショップの最後に、ファシリテーターを務める各著名アーティストが特注サイズの大きな「FUTURE SKETCH BOOK」に参加者が描いた未来を1枚の絵として描き上げる内容となっている。トークセッション当日には、第7回「FUTURE SKETCH BOOK」が行われ、日比野氏もファシリテーターとして参加している。

 ここで、過去6回の「FUTURE SKETCH BOOK」で制作された作品やワークショップの様子をスクリーンで紹介。

 あわせて、第1回「FUTURE SKETCH BOOK」で日比野氏が実際にファシリテーターとして制作した作品が披露され、「この作品は、参加者に出身地のランドマークの未来を描いてもらい、そのスケッチをまとめ上げたものになっている。みんなとても豊かな発想で未来のスケッチを描いてくるので、各回のファシリテーターがその発想を、限られた時間内にいかに1つのスケッチとしてまとめ上げていくかという点もワークショップの見所」と、参加者それぞれが抱く未来への夢とそれをまとめ上げるファシリテーターの力が結集して「FUTURE SKETCH BOOK」が生まれると日比野氏は熱く語っていた。

 「FUTURE SKETCH BOOK」の作品を見た加藤氏は「『FUTURE SKETCH BOOK』は、参加者それぞれが自分の夢を自由に表現しながら、それが全体で1つの絵になっていくという新しい試みだ。近年までは、絵の専門家である画家が一人で絵を描いて、一般の人はそれを鑑賞するだけという立場だった。今回のように、みんなで作って、みんなで楽しむという文化は、実は日本に昔からあったもので、これを現代に再現したいと私も強く願っていた。その意味で、『FUTURE SKETCH BOOK』の取り組みはとても面白いと思っている」と、「FUTURE SKETCH BOOK」に賛同の意を示していた。

 
 トークセッション前に行われた第7回「FUTURE SKETCH BOOK」に参加し、実際にスケッチ作りを体験したという、はなさんは「最近は、楽しい未来を思い浮かべても、現実の出来事を見るとそれにストッパーがかかり、どうしても後ろ向きな未来を考える時間が多くなっていた。しかし、今回のようにみんなと一緒になって、自分の思い浮かべた明るい未来を、絵にして、言葉にして、色をつけてみると、本当に実現できてしまうような前向きな気持ちになった」と、自分の頭だけで考えるよりも、みんなに想いをぶつけることで、遠いはずの未来がより近いものに感じられたと話していた。

 また、東京文化発信プロジェクトでは、専用スケッチブック「FUTURE SKETCH BOOK MINI」を、東京都の人口の1000分の1となる1万3191冊、都内各所で配布しており、キャンペーンサイトで“未来のこと”を描いた作品の投稿を受け付けている。会場のスクリーンで、投稿された作品が紹介されると、日比野氏は「『FUTURE SKETCH BOOK』は、全11回の開催で合計44枚の作品が出来上がるが、最終的には50枚にする予定。残りの6枚は、改めて『いいね会議』を開き、キャンペーンサイトに投稿された作品からピックアップして『FUTURE SKETCH BOOK』を作り上げていく」と、投稿作品も「FUTURE SKETCH BOOK」に採用していく考えを明かした。

 なお、この「FUTURE SKETCH BOOK」で描かれた未来のスケッチは、10月28日、29日に開催される「FUTURE SKETCH 東京会議」へと引き継がれるという。日比野氏は「『FUTURE SKETCH BOOK』をきっかけに、これからも未来を想像する取り組みを続けていきたい。加藤さんからも、未来の絵を描くことの重要性を訴えてもらい、ぜひ夢を育む場所を作っていくことを宣言してほしい。そうすれば、将来の東京、さらには日本に、夢を描く人たちが増えて、その中のいくつかが現実のものになっていくはず」と、「FUTURE SKETCH 東京会議」の司会を務める加藤氏に「FUTURE SKETCH BOOK」に込めた想いを託した。

 日比野氏の言葉を受けた加藤氏は、「未来の社会を作るためには、最初にビジョンが必要になる。このビジョンを、具体的に見える形で表してくれるのがアートだ。そして、描かれた未来のビジョンを中心に各分野の専門家が集まって、具現化に向けた議論を行っていく。こうした動きが実現すれば、東京が世界の発展に貢献できると確信している。今回の『FUTURE SKETCH 東京会議』で終わりではなく、来年以降も『FUTURE SKETCH BOOK』プロジェクトを応援していきたい」と、「FUTURE SKETCH BOOK」の今後の展開に期待を高めていた。

 最後に、「東京クリエイティブ・ウィーク」の見所が紹介された。まず、10月22日、23日に浜離宮恩賜庭園で「東京大茶会2011」が行われる。このイベントは、伝統ある茶文化や、お茶の文化を育んできた江戸・東京の文化を知ってもらうことを目的として、大規模な茶会を開催するもの。茶道はじめて体験やイングリッシュ野点など、基本的なお茶の作法が分かるよう工夫を凝らし、普段、茶道に馴染みのない人や、海外から観光で訪れた人など、誰でも気軽に日本の伝統文化「茶の湯」を楽しめるという。

 また、池袋界隈の文化拠点を中心に、舞台芸術の国際フェスティバル「フェスティバル/トーキョー11」を開催する。国内外で注目を集めるアーティストの作品を製作・招聘するとともに、市民が主体的に参加できるプログラムを展開するという。このほか、吉祥寺を中心とした地域密着アートプロジェクト「TERATOTERA祭り」にも注目される。東日本大震災後のアートのあり方を探るべく、吉祥寺駅周辺において大規模展覧会を開催し、アートに秘められた力やメッセージを発信するとのこと。

東京文化発信プロジェクト=http://www.bh-project.jp/
東京クリエイティブ・ウィーク=http://www.tokyofuturesketch.jp/

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