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2011年12月05日

富士経済、健康美容食品の国内市場調査、2011年見込では滋養・強壮が前年比6.0%増の1217億円と好調

 富士経済は、健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトを持った健康美容食品(H・Bフーズ)の国内市場を調査・分析しており、その結果を3回にわたって報告していく。第1回として、機能性を訴求する一般加工食品(明らか食品)とドリンク類からなる“健康志向食品”の調査結果を報告書「H・Bフーズマーケティング便覧 2012 No.1 -健康志向食品編-」にまとめた。トピックスとしては、2011年見込(前年比)では、滋養・強壮が1217億円(6.0%増)と予測。“がぶ飲み”需要に応えた大容量ドリンク商品が好調であることがわかった。ダイエットは482億円(2.3%増)と予測。食事型カロリー調整食品バリエーション拡充、新規需要開拓が見込まれる。なお、この報告書では、訴求効能別に健康志向食品市場を調査・分析している。

 滋養・強壮は、2010年が1148億円(前年比101.0%)、2011年が1217億円(前年比106.0%)を見込む。滋養・強壮は、“栄養ドリンク”と称される、滋養・強壮効果を訴求したドリンク類を対象とした。医薬品・医薬部外品ドリンク剤(本項対象外)と類似した味覚を持ち、オタネニンジンやローヤルゼリーなどの成分が配合されている。これまで中高年男性層をメインターゲットに、「オロナミンC」(大塚製薬)をはじめ小容量サイズを中心とした商品展開がされてきた。近年では、若年男性層の“がぶ飲み”需要に応えた大容量サイズ(500mlなど)商品が増えている。記録的な猛暑となった2010年の市場は、「ドデカミン」(アサヒ飲料)など大容量サイズ商品が実績を伸ばし、前年比1.0%増の1148億円となった。2011年も引き続き大容量サイズ商品が需要を獲得する中、節電による暑さ対策として清涼飲料への需要が高まったこともあり、市場は前年比6.0%増の1217億円が見込まれる。大容量サイズ商品のほか、「レッドブル エナジードリンク」(レッドブル・ジャパン)も若年層をターゲットとしたプロモーションを展開しており、実績を伸ばしている。その一方で、「タフマン」(ヤクルト本社)は、従来のメインターゲットである中高年層へのプロモーションに回帰したことによって実績を伸ばしている。

 ダイエットでは、2010年が471億円(前年比110.3%)、2011年が482億円(前年比102.3%)を見込む。ダイエットは、ダイエット効果を訴求した明らか食品、ドリンク類を対象とした。明らか食品は、食事型カロリー調整食品(セットタイプ:食事代替可能で、1食に必要な栄養素を含む商品。商品形状としてドリンク以外のスープ、麺類などの食事型のメニューで複数食をセットしダイエット効果を訴求した商品(1食サイズが単品で販売されている商品は含まない))や砂糖代替品として利用される新甘味料などがある。ドリンク類は、機能性飲料やビネガードリンクなどがある。2010年の市場は、前年比10.3%増の471億円となった。ドリンク類が伸び悩む一方、明らか食品の食事型カロリー調整食品ではリゾット、麺類、クッキーなどバリエーションが拡充しており、本格的なダイエットを志向する層に加えて、軽度なダイエットを求める層の需要も開拓し市場を牽引している。満腹感と味覚を両立させることで、過度の節制による“ダイエット疲れ”を軽減し継続的な利用を促している。また、食物繊維を配合したクッキー商品への参入増や、コーヒーなど飲用使用が中心の新甘味料で調理使用による用途拡大を提案していることも、市場拡大の追い風となっており、2011年は前年比2.3%増の482億円が見込まれる。さらなる市場拡大には、目標達成まで継続した利用が期待され潜在需要も多い層の取り込みが重要と考えられる。

 免疫賦活作用では、2010年が44億円(前年比141.9%)、2011年が45億円(前年比102.3%)を見込む。免疫賦活作用は、免疫機能強化を訴求した明らか食品、ドリンク類を対象とした。明らか食品は、ヨーグルト、プロポリスキャンディなどがある。ドリンク類は、β-カロチン含有商品や、甜茶などを配合した花粉対応商品などがある。2004年に花粉症を中心とするアレルギー対応のドリンク類が相次いで発売され市場が急拡大したものの、継続的な飲用が必要なことから即効性を期待した利用者を取り込めず、2005年以降は縮小が続いていた。しかし、2010年に1073R-1乳酸菌を使用した「明治ヨーグルトR-1」(明治)が発売されたことで、市場は急回復し前年比41.9%増の44億円となった。2011年は、機能性を強化した「プロポリス ローヤル ドリンク 5000」(ネイチャーケア・ジャパン)が好調なことなどを受け、市場は前年比2.3%増の45億円とプラス維持が見込まれる。免疫賦活作用への潜在需要は高いものの、即効性が薄く継続的な摂取を必要とすることがネックとなっており、日々の摂取が定着するかどうかが市場を左右する。「明治ヨーグルトR-1」は学術情報を発信することで乳酸菌への理解を広めているほか、「プロポリス ローヤル ドリンク 5000」はアンチエイジングを訴求することで継続的な摂取の定着を図っている。

 グリーンチャージでは、2010年が533億円(前年比105.1%)、2011年が538億円(前年比100.9%)を見込む。グリーンチャージは、野菜摂取の代替品のうち、青汁、クロレラ、スピルリナなど外観が緑色で複数の栄養成分の補給やバランス維持を目的とした成分を対象とした。明らか食品は、粉末タイプ、フローズンタイプの青汁が主体である。一方、ドリンク類は商品数が少なく市場規模も小さい。近年、美容成分を配合した女性向け商品や飲みやすさを訴求した商品が増加しており、若年層や青汁独特の風味から飲用に至らなかった層など新規需要の開拓が進んでいる。2010年の市場は、シェアトップ企業の広告宣伝強化も追い風となり、前年比5.1%増の533億円となった。2011年は、東日本大震災後の広告宣伝自粛や戦略見直しなどが影響し、主力チャネルである通信販売の伸びが鈍化しているが、前年比0.9%増の538億円とプラス維持が見込まれる。グリーンチャージは野菜の摂取量不足を補う需要に加えて、天候不順などによる野菜の生産量不足や価格高騰などに伴った代替需要もみられる。2011年は原子力発電所事故の影響による野菜への放射能汚染の懸念や、台風・豪雨による野菜の価格高騰などによって、グリーンチャージへの代替需要が高まっている。

 健康志向食品では、2010年が1兆1373億円(前年比99.1%)、2011年が1兆1117億円(前年比97.7%)を見込む。健康美容食品のうち健康志向食品(明らか食品、ドリンク類)の市場は、2010年に前年比0.9%減の1兆1373億円となった。2011年は下げ幅を拡大し、前年比2.3%減の1兆1117億円が見込まれる。市場全体の6割を占めるドリンク類のヒット商品不在がマイナス要因となっている中、2011年は東日本大震災によって商品供給体制に支障が生じたことも影響している。2011年にプラスが見込まれる訴求効能は、滋養・強壮、ダイエット、免疫賦活作用、栄養バランス、アイケア、グリーンチャージの6市場に留まる見通しである。2011年の訴求効能別の市場構成比は、整腸効果が最も規模が大きく21%を占め、次いで生活習慣病予防と滋養・強壮がそれぞれ11%、美肌効果と骨・関節サポートがそれぞれ9%を構成する見込みである。上位市場は滋養・強壮以外それぞれ伸び悩んでおり、マイナスが見込まれる。

 H・Bフーズは、健康(Health)維持増進・回復目的や美容(Beauty)目的で飲食する食品。即ち、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品、及び、期待されるイメージをもつ食品。また、法的区分上、医薬品・医薬部外品扱いのものは対象としない。

[調査方法]富士経済専門調査員による調査対象企業および関連企業・団体等へのヒアリング調査を主体に各種公的データを補足
[調査期間]2011年8月~10月
[小売価格]
A4判 298頁:10万5000円
書籍・電子版セット:12万6000円
(すべて税込)

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/


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