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2008年07月04日

JTB、夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向の見通し、海外旅行者数は前年から17万人減

 JTBは、「夏休み(7月15日~8月31日)に、1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向の見通しをまとめた。この調査は、1200人から回答を得た旅行動向アンケート、JTBグループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向から推計したもの。1969年に調査を開始して以来、今年で40回目となる。その結果、ファミリー層はグアム・サイパンで子どもと自然体験、こだわり層はヨーロッパの海へフライ&クルーズなどを予定していることがわかった。また、燃油サーチャージの高騰で、海外旅行者数は前年から17万人減(7.0%減)の見通し。潮風が心地よい東京ディズニーリゾートは25周年イベントで大賑わいになると見込まれる。

 ここにきて経済の先行きに不安感が漂い始めている。夏のボーナスはほぼ前年並みからややマイナスになるとの見通しの中、食品・日用雑貨などの生活用品やガソリン代が相次いで値上りし、消費者心理に不透明感がでてきている。旅行会社のパッケージツアーの予約状況もこの夏休み時期は軒並み前年を下回っているとのこと。消費者心理の不透明感はアンケート結果にも反映され、「支出を増やしたい」は前年比較で5.8ポイント減、「支出を減らしたい」が8ポイント増加。旅行者数のみならず消費額も前年に比べマイナスとなる見通しだ。

 海外航空運賃に付加される燃油サーチャージが2008年になり急速に上昇し、全方面とも昨年の夏と比較すると2倍強となっている。夏休みはファミリー旅行が多い。例えば、家族4名のハワイ旅行の場合、旅行代金とは別に16万円の燃油サーチャージが必要となる。夏休みに限らず近頃は、燃油サーチャージの高騰によって旅行先を近間に変更したり、一部は国内旅行に変更する傾向もみられる。

 諸物価の値上がり、経済の先行き不安感、燃油サーチャージの高騰は、夏休み旅行の主流を占めるファミリー層に大きな影響を与えており、旅行者数は、海外旅行が225万人(7.0%減)、国内旅行が7350万人(0.9%減)といずれも前年を下回る見込みだ。国内旅行人数は4年ぶり、海外旅行は昨年に引き続き2年連続で前年を下回ることになる。ただし、アンケートで「旅行に行く」、「たぶん行く」と答えた人の約25%は出発日をまだ決めていないことから、今後の社会経済状況の変化や天候、旅行会社のプロモーション活動次第で大きく増減することが予想される。中国への旅行については、北京オリンピックによる影響はさほど大きくないとみられている。しかし北京オリンピックを機に関心が高まり、オリンピック終了後に四川大地震等の影響で減少した中国旅行が復活することが期待される。

 海外旅行平均費用は、海外のホテルの実勢価格が上昇していること、米ドル圏以外で円安(特にユーロ高)となっていること、ヨーロッパ方面への高額旅行や米国方面への旅行が堅調なことなどから8000円(3.4%増)上昇し、24万円になる見込みだ。一方、国内旅行平均費用は、ガソリン代の上昇や諸物価の値上がり等の影響を受けるものの、北海道や東北などの遠距離旅行が伸び悩んでいることから400円(1.1%減)下がり、3万5800円になる見込みだという。なお、前年に比べ約30円/リットル上昇したガソリン代は、1泊旅行で約2400円程度の増加になる。しかし、家族4名のファミリー旅行の場合、1名600円程度の増加であることから旅行費用全体の中で吸収されるものと思われる。

 以上の点から、物価上昇や燃油サーチャージの高騰がファミリー層に影響を与え、人数の減少や安近短傾向を引き起こしている。反面、高額消費のこだわり層はこれらの影響を強くは受けていないとのこと。地中海等でのクルーズを組み込んだ80万円前後のフライ&クルーズは好調に推移しているという。

 国内旅行の特徴として、東京ディズニーリゾートは4月15日から25周年イベントを開催中だ。7月8日には3番目のディズニーホテル・東京ディズニーランドホテルがグランドオープンし、例年以上に舞浜の夏は盛り上がりそうだ。首都圏地区からの日帰り客はもとより、各地域から鉄道や高速バスを利用して多くの観光客が訪れる模様だ。旅行会社のパッケージ商品も販売が好調とのこと。開園当時に夢を膨らませた少年少女も、今や子どもがいる親の世代。子どもたちからファミリー層、熟年層とファンの層はますます広がっている。

 大自然の中で夏休みならではの体験を楽しむファミリー旅行がロングセラーとなっている。国内パッケージツアーの北海道コースでは、日程や好みに合わせて熱気球フライトやラフティング、オルゴール作りや酪農体験などが楽しめるとのこと。首都圏周辺では鬼怒川・川治の温泉宿とタイアップした「若女将体験」や「仲居さん体験」などもある。国土交通省による「ニューツーリズム創出・流通促進事業」の実証事業の中にも同様な子ども体験型の旅行が取り上げられている。夏休みのファミリー旅行はニューツーリズム、着地型旅行などとの連携が今後さらに進むものと思われる。

 静かなブームが続いているのが世界遺産・石見銀山。石見銀山と原爆ドーム・厳島神社の世界遺産を巡るコースや、専門ガイドが同行解説する石見銀山と出雲を探訪するコースなど、中国方面への旅行は順調に販売が伸びている。一方、四国は根強い人気の四国霊場八十八箇所巡り。タクシーを利用して回るコースも人気が出ている。自然の宝庫四万十川周辺も注目の的で、川下りや味覚を楽しみ夜は足摺岬周辺の温泉宿で満点の星空を満喫するコースなど、自然の大切さと歴史や生き方を再認識する旅が見直されている。

 海外旅行の特徴として、グアム・サイパン方面では、子ども料金が半額となるコースが人気となっている。また夏休み限定の体験ツアーなど、子ども連れには嬉しいイベントが用意されているとのこと。燃油サーチャージが比較的安いため、夏の思い出作りを楽しむ子ども連れのファミリー層に好評だとか。

 高額商品で人気沸騰なのがフライ&クルーズとのこと。地中海やエーゲ海、アドリア海などで1週間程度のクルーズを楽しむもの。何度も欧州に出かけた旅慣れたこだわり層に受けている旅行だ。外国船で本物の雰囲気を楽しめ、しかも全日程が10日間前後と手軽なこともあり年々人気が高まってきている。ブタペストからレーゲンスブルグまでを遡る「ドナウ川クルーズ」や、古城や葡萄畑を緩やかな流れと楽しむ「ライン川クルーズ」などのリバークルーズなども近年人気が高いという。

 全体的には軟調気味の海外旅行にあって、今年は米国方面への旅行者が久々に前年を越えそうな模様だ。近年、米国方面へのパッケージツアーは飛行機とホテルだけを組み合わせた一都市滞在型旅行が中心であったが、ここにきて周遊型旅行が復活し始めている。飛行機を除き米国内での移動は日本人旅行者にとってやや困難である。そこで、サンフランシスコ~ヨセミテ~ロサンゼルスと添乗員付きで回るコースなどが復活している。効率的で添乗員同行の安心感がある一石二鳥のパッケージツアー復活に、米国再発見の鼓動が感じられる。

調査データの詳細[PDF]

ジェイティービー=http://www.jtb.co.jp/

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