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2009年01月09日
JTB、2009年の旅行動向見通し、国内旅行人数は2億9325万人・海外旅行人数は1530万人に
JTBは、2009年の旅行市場についての見通し調査の結果をまとめた。この調査は、1泊以上の日本人の旅行(ビジネス・帰省を含む)と訪日外国人について、各種経済動向予測、旅行消費者購買行動調査、観光関連動向等から推計したもので、1981年の調査以来29回目となる。国内旅行人数は2億9325万人(前年比1.1%減)で「ニューツーリズム」、「まちじゅう観光」の伸展で近間のドライブ旅行が人気になる見通し。海外旅行人数は1530万人(前年比4.4%減)でショッピングやグルメを堪能する傾向が顕著となりヨーロッパや近隣アジアが増加すると予測する。
米国の金融危機に端を発した世界的な経済環境の悪化は、人々の交流にも悪影響を及ぼすと見られている。我が国のレジャーマーケットは、経済的側面もさることながら、生活全般の先行き不透明感から旅行を見送ったり、世間体を気にして旅行に出かけることを逡巡したり、という心理的な側面が旅行消費活動に影響を及ぼしつつある。ビジネス需要は、新たなマーケット開拓をめざすビジネスマンの交流は引続き活発であると思われるものの、設備投資の縮小や企業の経費削減の進行などによって減少することが予想される。
一方で日本人の旅行環境に好影響を与えるのが円高、燃油・ガソリン代の低下、および春と秋に2度ある5連休だ。09年を通して現在の為替相場が続くかどうかは不透明だが、米国ドルのみならず主だった旅行先の通貨に対し08年末の為替レートはその1年前に比べ25%~70%程度の円高となっている。海外旅行費用に占める割合は、円建てである航空運賃が最も大きいため、この円高が旅行費用の大幅な値下がりにはつながりにくいものの、旅行先の食事代やショッピングには相当の効果が見込まれ、旅行者の心理改善が期待される。
08年の異常ともいえる高騰から一転し、昨年秋から原油価格が急落したことで、4月以降の燃油サーチャージは廃止または大幅値下げになると予想されており、海外旅行には追い風となる見通しだ。旅行費用のほかに4万円~6万6000円も別途支払わなければならなかった遠距離のヨーロッパやオセアニア、米国方面への旅行にはその推移が特に期待されている。
数年にわたり値上がりを続けていたガソリン代は、07年後半から08年の夏場にかけて急騰し旅行者の車離れを引き起こした。しかし、その後急落し08年末の価格は4年前をも下回る水準になっている。昨年上期の狂騒が未だ心理面に余韻を残している感もあるが、手軽にドライブに出かける若者やファミリー層にとってはかつてない好機となっている。
「国民の祝日に関する法律」によって今年は5月のゴールデンウィークとともに9月にも5連休が登場する。敬老の日と秋分の日に挟まれた9月22日が国民の休日となるもので、24日(木)、25日(金)を休めば9連休となる。5月のゴールデンウィークも4月30日(木)、5月1日(金)または7日(木)、8日(金)を休めば9連休となる。遠距離への旅行は言うまでもなく国内旅行にも利用価値は高く、5月と9月は大型連休で旅行が賑いを見せるのは間違いない。
国内旅行の2009年の見通しは、全体としては経済環境の悪化の影響を受け、1泊以上の国内旅行人数は2億9325万人(1.1%減)、平均消費額も3万2900円(2.5%減)と減少するものと推計。ただし、ガソリン代が今の水準近くで推移すれば、ドライブ旅行者は増加する可能性が高い。イベントが開催される横浜や新しいアトラクションがオープンする東京ディズニーリゾートを中心とした都市型観光、さらには目的性やテーマ性が強い旅行は経済動向とは関係なく賑わいを見せるものと思われる。ツーリズムは経済波及効果が高く、わが国の経済、人々の雇用、地域の活性化に大きな効果を発揮するものである。内需拡大の観点からも国内旅行の活発化が望まれるところだ。
1859年(安政6年)の開国・開港から150周年を迎える横浜で、「未来への出航」をテーマに博覧会「開国博Y150」が開催される。期間中に繰り広げられるイベントのみならず、横浜の街全体を楽しめるプランも計画中。横浜の魅力を体験する「まちじゅう観光」へ発展が期待されている。4月15日に新しいアトラクションが開業する東京ディズニーリゾートや東京と組み合わせた都市型観光に人気が集まりそうだ。
産業観光、エコツーリズム、グリーンツーリズム、ヘルスツーリズム、ロングステイなどテーマ性が強く、人や自然とのふれあいなど体験的要素を取り入れた新しいタイプの旅行(ニューツーリズム)への取り組みが進みつつあり次第に人気が出てきている。さらに、その地域ならではの歴史や伝統、文化、生活、食を五感で味わうために地域にじっくり滞在する旅行者が増えつつある。従来型観光と違うこの観光スタイルは「まちじゅう観光」と呼ばれ、長崎の「さるく」や別府の「オンパク」に典型としてみられるもの。個人旅行の多様性にマッチングしており、ガソリン代の低下に伴い手軽に車を利用して出かけるファミリー層を中心に拡大する可能性がある。
海外旅行の2009年の見通しは、全体としては、ビジネス需要の減少が想定されることから、海外旅行人数は1530万人(4.4%減)、平均消費額は燃油サーチャージの低下、円高による旅行先での消費金額の低下に伴い29万5000円(6.9%減)と減少するものと推計。しかし、2009年は景気変動要素があまりにも大きいため、その推移によって海外旅行人数は変わる可能性もある。
韓国へはウォン安の効果で旅行者が増加する模様だ。ショッピングやグルメを楽しむ旅行者で当面は好調に推移するものと思われる。また、ヨーロッパと中国の文化が混在する香港・マカオ、都市とリゾートとアジアを満喫できるマレーシアなどへの旅行者は引き続き堅調に推移するものと思われる。また、4月以降の燃油サーチャージが廃止もしくは大幅値下げとなればヨーロッパへの旅行が復活する可能性が高い。合わせてLCC(ローコストキャリア)のジェットスターが成田空港に就航したことで、オーストラリアは燃油サーチャージの推移によっては久々に増加に転じる可能性がある。
2009年は日本香港観光交流年、日メコン交流年(カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)、日本・ドナウ交流年(オーストリア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア)が設定されており、交流イベントの実施や情報の流通によってはそれぞれの国への旅行が注目される可能性がある。異文化交流を図ることは、多様な価値観への寛容性や想像力を養うとともに精神的な豊かさを醸成するものである。国際交流は、個人にとっても社会にとっても大いに意義深い活動であることを再認識したいところだ。
また、昨年末にチャーター規制が緩和されたことで、販売がさらに柔軟にできるようになった。チャーター便にかける期待は中央・地方ともに強く、これらの方面へのチャーター便が設定されプロモーション活動が行われれば新たな需要創出につながる可能性が強い。
ジェイティービー=http://www.jtb.co.jp/
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