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2008年06月13日

ポーラ研究所、肌のうるおいをアップさせれば視覚的な「ハリ」も向上することを発見

 ポーラ研究所は、肌の「ハリ」には、肌に触った時に感じるハリ(以下、触覚的ハリ)と、肌を見た時に感じるハリ(以下、視覚的ハリ)があるということ、さらに、「触覚的ハリ」が真皮の状態と関連するのに対して、「視覚的ハリ」は肌のうるおい感と深く関係することを突き止めた。

 従来、肌の「触覚的ハリ」に焦点が当てられ、そのために真皮の構成成分であるヒアルロン酸やコラーゲンの産生促進の研究が進められてきた。今回、同社は「視覚的ハリ」という新たな要素に着目し、高保湿製剤で肌のうるおい感を高めることで、「視覚的ハリ」の向上に成功したという。

 ハリといえば、一般的には触ったときに感じるものと思われているが、肌に触ったときに感じるハリとは別に、視覚的に感じるハリがあると多くの人が認識していることが、同社の調べで明らかとなった。そこで、同社で、22~39歳女性計42名の肌の視覚的な要素(うるおい感、つや感、視覚的ハリ、肌色、なめらかさ、シワシワ感、色ムラ)と触覚的な要素(弾力性、しっとり感、触覚的ハリ)について5段階の官能評価を行い、クラスター分析(クラスターとは、集団、群れの意味。クラスター分析は、データ間の関係の強さを距離として算出し、その距離情報をもとにいくつかのクラスターを見出し分類する統計解析手法。たくさんのデータをいくつかのクラスターで説明したり、発見されたクラスターでデータの特徴をつかんだりする目的で行われる。一見関係がないと思っていたものが同じクラスターとして分類されたり、逆に同じようなものだと思っていたものが別のクラスターに分類されたりすることもあり、そこから新しい仮説の発見につながる)を行ったところ、「触覚的ハリ」と「視覚的ハリ」は異なるグループに分類されることがわかった。さらに「視覚的ハリ」は「うるおい感」と同じグループに属し、非常に近い関係にあることもわかった。このことから、「うるおい感」を向上させることで「視覚的ハリ」までも向上できると考えられる。

 保湿による「視覚的ハリ」の向上を確認するため、同社で開発したTJ機能向上成分(TJの機能を向上させる成分として、グルタミルリシン(化合物)とパルマリア(紅藻)抽出液が有効であることを同社が発見)とセラミドカプセルを配合した高保湿製剤を、女性19名に3ヵ月間連用してもらった。すると角層水分量の増加にともない、「うるおい感」だけでなく「視覚的ハリ」にも有意な向上がみられた。この結果からも、「うるおい感」と「視覚的ハリ」には強い関連性があることがわかった。

 20代後半~30代くらいの女性の多くは肌の乾燥とともにハリ感の低下を感じ始めているが、本格的な真皮の衰えは始まっていないと考えられている。このことから、保湿による「視覚的ハリ」の向上は、この年代のハリの悩みに応えるアプローチといえる。

 なお、今回実験で使用した高保湿製剤には肌のうるおい感を高めるために、ポーラが見い出したタイトジャンクション(以下TJ)機能向上成分と、独自に開発したセラミド(細胞間脂質の主要構成成分)のカプセル化技術が活用されている。

 TJ(タイトジャンクション=密着結合)は、隣り合う細胞同士をぴったり密着させている構造で、水や物質が細胞間隙を透過するのを防ぐ働きをするという。腸管、肝臓、尿細管、血管などの内壁ではTJが発達しているとのこと。以前、同社では、東京慈恵会医科大学DNA医学研究所・佐々木博之准教授との共同研究により、TJが表皮の水分を体外に過剰に流出させないようにブロックしていることを突き止め、2006年の国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会で発表をしたが、他にも表皮で重要な役割を担っているのではないかと考え、東京慈恵会医科大学、放射線医学総合研究所と共同でさらに研究を進めた。その結果、表皮TJが細胞間隙でのCaイオン(Caイオンは、表皮・顆粒層に多く分布し、表皮細胞が分化・成熟して、健康でうるおいのある肌(角層)を形成するために必要な成分であるといわれている。細胞が角層細胞に変化するためのスイッチのような役割を果たすとのこと。Caイオンが少ないと、細胞の分化が不完全で、健康でうるおいのある肌(角層)が形成されないと考えられている)移動にかかわることを発見した。

 ヒトの表皮細胞を用い、細胞の間をCaイオンがどれだけすり抜けるかを調べる実験を行うと、細胞がTJを形成していない時は、形成している時と比べてCaイオンが約6倍も多く透過していた(2007年米国研究皮膚科学会で報告)。次に正常にTJを形成した細胞に薬剤を加えてTJの機能を低下させるとCaイオンの透過が増し、薬剤を除いてTJの機能を正常に戻すとCaイオンの透過も正常レベルに戻ることがわかった。同様の現象は、物質の移動を追跡できる方法を用いてヒトの培養皮膚モデルでも確かめられた。このことから、TJが正常に機能することで、Caイオン流出がブロックされることが確かめられた。

 この研究成果は、6月18日に大阪にて開催される日本化粧品技術者研究討論会で発表する予定だ。

ポーラ=http://www.pola.co.jp/

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