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2008年05月13日
ポーラ、表皮タイトジャンクションがカルシウムイオン流出をブロックしていることを発見
ポーラ研究所は、表皮の顆粒層の細胞同士を密着させているタイトジャンクション(以下、TJ)が、角層の形成に必要なカルシウムイオン(以下Caイオン)流出をブロックし、表皮の顆粒層のCaイオン分布の均衡を保つ働きをしていることを発見した。
表皮TJは顆粒層と呼ばれる細胞にみられるが、Caイオンも同じく顆粒層に多く存在していることが確認されている。しかし、なぜCaイオンが顆粒層に多く存在しているかはわかっていなかった。今回、TJが顆粒層のCaイオン流出をブロックし、Caイオン分布の均衡を保っていることを発見したことで、Caイオンが顆粒層に多く存在している謎が解明できたという。さらに、TJが正常に機能すれば、Caイオン流出がブロックされ、健康でうるおいのある肌(角層)を形成する可能性が高いこともわかった。
以前、同社では、東京慈恵会医科大学DNA医学研究所・佐々木博之准教授との共同研究によって、TJが表皮の水分が体外に過剰に流出しないようにブロックしていることを突き止め、2006年の国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会で発表したが、他にも表皮で重要な役割を担っているのではないかと考え、東京慈恵会医科大学、放射線医学研究所と共同でさらに研究を進めた。その結果、表皮TJが細胞間隙でのCaイオン移動にかかわることを発見した。
ヒトの表皮細胞を用い、細胞の間をCaイオンがどれだけすり抜けるかを調べる実験を行うと、細胞がTJを形成していない時は、形成している時と比べてCaイオンが約6倍も多く透過していたという(2007年米国研究皮膚科学会で報告)。次に正常にTJを形成した細胞に薬剤を加えてTJの機能を低下させるとCaイオンの透過が増し、薬剤を除いてTJの機能を正常に戻すとCaイオンの透過も正常レベルに戻ることがわかった。同様の現象は、Caイオンをはじめとする物質の移動を追跡できる方法を用いてヒトの培養皮膚モデルでも確かめられた。このことから、TJが正常に機能することで、Caイオン流出がブロックされることが確かめられた。
Caイオンは、表皮・顆粒層に多く分布し、表皮細胞が分化・成熟して、健康でうるおいのある肌(角層)を形成するために必要な成分であるといわれている。細胞が角層細胞に変化するためのスイッチのような役割を果たす。Caイオンが少ないと、細胞の分化が不完全で、健康でうるおいのある肌(角層)が形成されないと考えられている。
正常にTJを形成した細胞に薬剤を加えてTJの機能を低下させると、Caイオンの透過が増加。薬剤を除くとCaイオンの透過も正常レベルに戻ったことから、この変化が薬剤による細胞自体へのダメージによるものではなく、TJ機能の変化によるものであるといえると説明する。TJが正常に機能することで、Caイオン流出がブロックされることが確かめられた。なお、この研究成果は、5月14日から京都にて開催される「第5回 国際研究皮膚科学会」で発表する予定。
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