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2007年10月10日
マンダム、化粧品使用時に感じる「ピリピリ」や「ヒリヒリ」といった不快な感覚刺激の評価法を開発
マンダムは、生活者にとっての「心地よさ」を追求するために、「快と不快を解明する評価技術」の確立を目指して研究している。今回、その研究の一環として、化粧品を使用している時にまれに感じる「ピリピリ」「ヒリヒリ」といった不快な感覚刺激の評価法を開発した。マンダムでは、今後の製品評価に広く応用していく考え。
近年、自称敏感肌である女性が全体の6割~9割といわれていることからもわかるように、安心安全に対する生活者の意識が高まっている。最近では、技術が向上し、使用中に「ピリピリ」「ヒリヒリ」などの不快感を感じさせる化粧品は減ってきているが、不快な感覚刺激によって使用を止めてしまう生活者が未だ存在しているのも事実だとか。また、これまで問題なく使用できていた化粧品が、季節や体調の変化によって、ある日突然刺激を感じ使用できなくなるようなケースも増えているという。このように、感覚刺激は、生活者にとって心地よく化粧品を使用するためにだけではなく、使用の可否を決定する重大な要因となっている。しかし、感覚刺激のメカニズムについてはわからないことが多く、抜本的な解決策が提案されていないのが現状だ。
一方、感覚刺激の評価は、スティンギングテスト(ヒトが感じる感覚刺激をヒトの肌にサンプルを塗布して評価する方法)というヒトを対象とした試験が主に実施されている。ヒトによる評価には、被験者、被験部位や塗布方法の選定を工夫することによって、精度が向上するものの、それでもバラつきが大きく試験数を短期間に増やすことが困難であるという欠点がある。不快な感覚刺激を低減する技術を開発するためには、まず、感覚刺激を的確に評価し、かつ数多くの試験が可能な評価方法が必要と指摘する。
そこで、マンダムでは、ヒトの肌を用いない感覚刺激の評価方法について研究を行ってきた。
まず、ヒトは「痛い」や「熱い」をどのように感じるのだろうか。ヒトは侵害刺激や温度を身体の表面で知覚し、その情報が電気信号として脳に伝達され、「痛い」、「熱い」という感覚を感じるという。
皮膚の表層では、温度や、侵害刺激を引き起こす化学物質が、感覚神経に存在するレセプターによって電気信号に変換されるとのこと。
約10年前までは、ヒトがどのように侵害刺激(生体外部からの刺激物によって引き起こされる刺激)や温度を感じるのか、メカニズムは明らかになっていなかったという。トウガラシの辛み成分であるカプサイシンの刺激によって活性化されるレセプターが、痛みを起こすような高い温度によっても活性化されることが見つかったことによって、人の刺激受容と温度受容が非常に密接に関係していることが分子レベルで明らかになってきた。その中で、ヒトの侵害刺激や温度感覚に大きな役割を担う「TRP(Transient Receptor Potential)チャネル」という膜タンパク質のグループに同社では着目したという。
TRPチャネルは、皮膚や感覚神経にセンサーとして存在するレセプターとして、近年注目を浴びているとのこと。カプサイシン(トウガラシの主成分)のレセプターであるTRPV1、メントール(ミントの主成分)のレセプターであるTRPM8などがその代表格。
化粧品に配合されている成分で、一般的に感覚刺激を引き起こすといわれているものの多くは、TRPチャネルを活性化。例えば、パラベンなどの防腐剤、クエン酸や乳酸、アルコール、カンフルがあげられるという。これらの事実から、同社はTRPチャネルを用いた刺激評価の確立に数年前から取り組んできたという。その中で、業界として初めてこれらの刺激受容体を応用した刺激評価方法を見出したとのこと。この方法は、刺激受容体を強制的に発現させた培養細胞を用意し、それらの細胞の刺激物で処理された時のカルシウム濃度変化を、カルシウムに特異的な蛍光指示薬を用いて測定するもの。「カルシウムイメージング法」と呼ばれている手法の応用で、刺激の有無の判断したい成分で受容体が活性化した場合、カルシウムの濃度上昇が蛍光強度の上昇として高感度で観察されるという。つまり、ヒトに「ピリピリ」「ヒリヒリ」といった不快な感覚をおよぼす可能性がある物質が高感度で検出されるということだとか。
マンダムでは、この研究を続けていくことによって、多くの女性の悩みである「ピリピリ」「ヒリヒリ」といった不快な感覚刺激を引き起こす可能性がある成分を把握し、それらの不快感を押さえる物質を探索することで、本当に快適に使用してもらえる女性化粧品を実現していきたい考え。また、刺激が少ないにも関わらす良く染まるヘアカラーや、心地よい清涼感が持続するデオドラントなども同技術によって実現し、上市していく予定とのこと。
なお、この研究成果については、8月25日に開催された「第6回 国際動物実験代替法会議(東京)」で発表した。
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