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2007年10月31日
富士経済、化粧品市場のチャネル別調査、通信販売2007年は前年比3.9%増の2193億円の見込み
富士経済は、無店舗販売、店舗販売など化粧品市場の重要なファクターとなるチャネルをブレイクダウンし、それぞれの特性を調査・分析した。その結果、絶好調の通信販売2007年は前年比3.9%増の2193億円の見込みなどの点が明らかになった。なお、詳細は調査報告書「化粧品チャネル・トレンドデータ 2007」にまとめている。
2006年は、高機能のセルフ商品がスキンケアやメイクアップにおいて増加したものの、カウンセリング商品から移行した形となり、化粧品市場の伸びは前年に比べ鈍化。制度品メーカーは、チャネルごとに専用ブランドを投入するチャネル戦略に注力していたが、2005~2006年にかけて資生堂やコーセーが不振の続くマス向けブランドのテコ入れを実施した。2007年には、カネボウ化粧品が「デュウ スペリア」を発売し、マス向けスキンケアカテゴリーの強化を図っている。
化粧品市場全体では、通信販売の伸びが最も高い。他業種からの参入やインターネット・モバイルなど発注ツール/需要取り込みツールを充実させ成長を続けている。通信販売は、店販チャネルと直接競合しないとみられていたが、通販ブランドは商品面での機能性の向上や様々なメディアを巧みに組み合わせた広告展開によって幅広い層の取り込みに成功している。そのため、店販で展開するメーカーの多くも通販ブランドを競合と位置付け始めているようだ。
2006年は、店舗販売、無店舗販売ともに前年を上回ったが、通信販売の高成長によって無店舗販売のウエイトが20%に達した。店舗販売はドラッグストア、バラエティショップの好調が続いているものの、その他のチャネルでは前年を下回っている。ここ数年拡大を続けていた百貨店は経営悪化や集客力の低下によって縮小に転じた。無店舗販売は訪問販売の低迷が続くなかで、通信販売がコストの低さや卸など複雑な流通ルートを必要としないことから他業種からの参入が多く好調を維持している。また、既存の主力メーカーも商品や広告を強化し、訪問販売のマイナス分を通信販売が補う形で無店舗販売市場は拡大している。
チャネル別の状況として、化粧品店、薬局・薬店では、新規顧客の獲得が一番の課題であると指摘する。店主の高齢化とともに顧客の年齢も上昇傾向にあり、若年層の開拓が求められているが、若年層では情報収集ルートや購入チャネルが多様化しているため取り込みが非常に難しい状況だ。メーカー側の若年層の掘り起こし策としては、カネボウ化粧品が今年9月、20~30代向け「トワニー ピュアナチュラル」ラインのリニューアルを行い、リニューアルにあたって「ピュアナチュラル」ライン単独のプロモーションサイトを設けるなど新たな販促手法を展開。同様に、今後各社が若年層の新規需要獲得策を講じてくると予測される。
店舗側では肌の手入れに対する技術やカウンセリング力の高さが強みとなっているが、化粧品店への入りにくさを感じる人も多いことから、来店への抵抗感を少なくする店作りや来店へのきっかけ作りが重要との見解を示す。化粧品店、薬局・薬店チャネル縮小の一つの要因である店舗数減少は歯止めがかかっておらず、将来的にも店舗数の増加は非常に難しいと考えられる。
ドラッグストアでは、1990年代に店舗数が増え、化粧品の取り扱いを拡大したことから、1999年以降化粧品店、薬局・薬店や量販店に代わって化粧品の販売において最も高いウェイトを占めるようになった。しかし、既存店の売り上げ低下や収益性の悪化から、ドラッグストアの化粧品販売の伸びは徐々に鈍化しているという。このような状況下でドラッグストアは、一店舗あたりの売上拡大に向け、集客力・利益率の高い化粧品の売り場作りや販促に向けた販売員の教育などを強化。メーカー側もドラッグストアの集客力が依然として高く、成長が見込めるチャネルであることから重点チャネルと位置付けている。
ドラッグストアでは、ヘアケアの活性化が目立つ。2006~2007年にかけて投入された「セグレタ」(花王)や「h&s」(P&Gジャパン)、「ダヴ プロエイジ」(ユニリーバ・ジャパン)、「ツバキ ゴールデンリペア」(エフティ資生堂)などのプレミアム訴求インバスカテゴリーでは、ポンプサイズで900~1000円前後の店頭価格設定となっており、購入単価のアップが期待される。
量販店は、化粧品の購入先として、セルフ・トイレタリー商品についてはより身近で値引き率も高いドラッグストアへ、カウンセリング商品では百貨店や通販などの特徴的な機能訴求商品のあるチャネルを選択する傾向が強まっており、量販店が化粧品購入のチャネルとして選択されることは難しい状況にあるようだ。ドラッグストアの値ごろ感や百貨店のプレステージ性のようにチャネル特性を打ち出しにくいことから、専用ブランドの役割が非常に大きくなるとのこと。専用ブランドの成長が長期的には量販店の化粧品販売回復につながるとみられ、既存の専用ブランドの育成と新たな専用ブランド投入による活性化に期待がかかる。2006年は、「インフィニティ」(コーセー)、「ドルティア」(カネボウ化粧品)などの専用ブランドが取扱い店舗数の増加や品目追加、徹底したカウンセリングサービスによって需要を取り込んでおり、徐々に成果が上がりつつあるようだ。
百貨店は、2006~2007年に相次いだ大型ショッピングモールの出店によって、百貨店からショッピングモールへと需要が流出し、とくに地方店舗が大きな影響を受けている。百貨店での化粧品は高いプレステージ性や高機能が期待できる商品力とともに、丁寧なカウンセリングが最大の魅力であり、本来の強みであるカウンセリング充実に向けた販売員の育成が大きな課題となっている。
バラエティショップは、大都市圏の商業地域の再開発や駅中などの駅商業施設の開発が進み、大型商業施設の建設によって化粧品専門店やドラッグストアとの差別化やセレクトショップの位置付けで出店が増加していることから、バラエティショップチャネルの回復が進むと見込まれる。ドラッグストアとの差別化が難しい店舗では、化粧品に加え生活雑貨やアパレルによるファッション性の高さを消費者にアピールする取り組みが行われている。高価格な海外スキンケアブランドの増加やライトカウンセリングを実施してオーガニックブランドの育成を図っている。アンチエイジング訴求の高価格商品も増えており、店頭のパッケージ説明だけで購入を促すことが難しくなっているため、販売員の商品知識やカウンセリング力を高める必要が出てきているとの見解を示す。
コンビニエンスストアは、店舗数は増加しているものの、立地がニッチな施設内や遠隔地、競合店の多い都市部であり、化粧品需要の拡大はより難しくなっているとのこと。男性用は、若年層向けでロート製薬の「オキシー」や資生堂フィティットの「ウーノ」、マンダムの「ギャツビー」などが増加。2007年は、ディーエイチシーが「DHCforMen」をリニューアルし、男性向け商材の強化を図っている。出店ペースが落ちていることから、今後は既存店の売上縮小の影響を大きく受けるようになると予測される。
訪問販売では、回復は見込みにくく、一社単独での実績維持が難しいことから、企業のグループ化で店販事業を行う形態が増えていくとみられる。また、販売員の確保が重要な課題であるが、ネットワーク販売では環境が厳しくなった結果、ディストリビューターの選別が進み安定した売り上げを上げられる状況が作られつつあるようだ。
通信販売では、大手化粧品メーカーや製薬企業も通販ルートの開拓を進めており、また、異業種からの参入も多い。2006年~2007年にかけて、上位メーカーの多くは主力スキンケアブランドについて大幅なリニューアルを実施。新規参入が続いているため、既存メーカーはブランドの強化を図っている。通販専用ブランドの場合は、消費者のブランド認知の拡大が課題であり、新規メーカー/ブランドは発売時の話題作りを経て市場での定着化に向けた販促に注力しているとのこと。ブランドの認知には、口コミや化粧品検索サイトなどの手段もあるが、短期間に一定規模の売上を見込むためにはTVCMの投入が欠かせない。店販品並みに通販化粧品が増えたため、商品の差別化や消費者向けの表現方法について新奇性を出しにくくなっており、通販で継続的に売上を確保していくことがより難しくなっていると分析する。
[販売価格]
A4判 214頁:10万5000円(税込)
富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
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