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2007年08月01日

ファンケル、発芽玄米が糖尿病の合併症である神経障害の予防と改善に有効であることを確認

 ファンケルは、ジョージア州立医科大学との共同研究を通じ、発芽玄米が糖尿病の合併症である神経障害の予防と改善に有効であることをラットによる実験で確認した。そのメカニズムとして、発芽玄米に豊富に含まれる食物繊維が血糖値を低下させるほか、独自の脂質成分が血中の抗酸化酵素を活性化していることも明らかになった。この結果は、先進国で問題となっているメタボリックシンドロームや動脈硬化の予防・改善効果も示唆するとのこと。今後は、糖尿病患者での臨床試験を予定しており、発芽玄米のもつ高い機能性を解明し、主食を通じた生活習慣病の予防に貢献していく考え。

 発芽玄米は、玄米を水に浸してほんの少し発芽させたお米。発芽によって眠っていた酵素が活性化し、新芽の成長に必要な栄養素が増加する特徴があり、白米に比べて「γ-アミノ酪酸(ギャバ)」や抗酸化成分などを豊富に含むという。

 同社では、これまでも発芽玄米の機能性を科学的に解明すべく、さまざまな研究を行っており、とくに2004年には、日本大学との共同研究で継続的に発芽玄米を含む飼料を糖尿病モデルラットに与えたところ、「糖尿病に起因する動脈硬化を引き起こす血液凝固因子PAI-1の増加を抑える」ことを報告している。今回は、これらの知見に基づいて、神経障害の研究における世界的な権威であるジョージア州立医科大学のRobert K. Yu 博士および臼杵靖剛博士と共同で研究を行い、糖尿病の三大合併症のひとつである糖尿病性神経障害に対する効果について詳細に研究したものだという。

 今回の研究では、主要な炭水化物源である発芽玄米、玄米、白米の継続的な摂取が糖尿病の病態におよぼす影響を比較するため、「正常ラット」と「糖尿病を誘発した糖尿病ラット」について比較実験を行った。

 その結果、糖尿病に合併する末梢神経障害の程度が、発芽玄米を摂取しているグループでは、白米を摂取しているグループに比べ有意に改善していることがわかったという。

 また、血中の抗酸化酵素として知られているパラオキソナーゼ活性およびHTアーゼ活性を評価したところ、神経障害が抑制されていた発芽玄米摂取グループでは、とくにHTアーゼ活性が正常レベルに維持されていることがわかったとのこと。

 これらの結果に関与する有効性成分を検討するため、発芽玄米由来の脂溶性成分(TLp)および玄米由来の脂溶性成分(TLb)について、神経細胞由来のNa、K-ATPアーゼ活性を比較したところ、TLpがNa、K-ATPアーゼを酸化障害から守り、その活性を高く維持することがわかったという。一方、HDLと結合しているHTアーゼ活性についても評価を実施したところ、TLpはTLbに比べ有意にHTアーゼの酵素活性を上昇させることがわかったと説明する。

 これらの研究から、発芽玄米は糖尿病神経障害の悪化を抑制する効果が玄米、白米に比べても優れており、その作用メカニズムのひとつとして発芽玄米の脂溶性成分による血中のHTアーゼ活性亢進作用などの関与が示されたとの見解を示す。

[用語解説]
糖尿病性神経障害:糖尿病の3大慢性合併症のひとつ。大きく末梢神経障害と自律神経障害にわけられる。代表的な症状としては、手足の先にしびれや痛みをきたす。神経の障害は、血糖値の管理がうまく行われていないことに関係して発病する可能性が高くなる。

Na、K-ATPアーゼ:ATPアーゼは、イオンを細胞膜の内外に、能動輸送させる輸送たんぱく質。糖尿病で高血糖になると、Na、K-ATP アーゼ活性が低下し、神経細胞の電気的刺激伝導を遅延させ、糖尿病性神経障害が起こる。

HTアーゼ:ホモシステインチオラクトンという悪玉物質を分解する酵素のこと。ホモシステインチオラクトンは血液中にあるLDL(コレステロールを運ぶたんぱく質のひとつ。含有するコレステロールは悪玉コレステロールと称される)を酸化し、悪玉に変性させ、動脈硬化を促進させると考えられている。HTアーゼは、何種類かあるパラオキソナーゼという酵素に属する。近年HDL(コレステロールを運ぶたんぱく質のひとつ。含有するコレステロールは善玉コレステロールと称される)に結合して存在するパラオキソナーゼ(=HT アーゼ)が抗酸化的に働き、脂質の酸化を防いでいることが報告されている。糖尿病やメタボリックシンドロームの患者においては、パラオキソナーゼ活性が低下する。神経障害を合併した糖尿病患者においてパラオキソナーゼ活性が低下していることから、その病態との関連性も提言されている(パラオキソナーゼは、従来、神経ガスや有機リン系殺虫剤などを加水分解する解毒酵素としても知られている)。

ファンケル=http://www.fancl.co.jp/

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