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2007年06月04日
富士経済、「睡眠改善の効果が定着し催眠鎮静剤市場拡大」など一般用医薬品の市場調査結果を発表
富士経済は、5分野23薬効領域の一般用医薬品と04年の規制緩和によって医薬品から移行した新範囲医薬部外品について、04年~06年までの市場データを基に07年~2010年までの動向を予測した。その結果、07年の注目市場としては、鼻炎治療剤が花粉シーズンの早期到来感から市場活性化し165億円(06年比120.4%)に達すると予測。さらに、催眠鎮静剤が睡眠改善の効果の定着で市場拡大し、57億円(06年比116.3%)に達するとの見解を示した。なお詳細は、報告書「一般用医薬品データブック2007 No.2」にまとめている。
今回の調査の対象薬効の中で最大規模となる感冒関連用薬市場は、風邪、インフルエンザの流行しないシーズンが2年続き、さらに花粉飛散量の増減も影響して減少を続けていると指摘。昨年秋以降のシーズンも流行せず、総合感冒薬が減少したことが感冒関連用薬全体の減少につながっているという。しかし、今年4月以降風邪の罹患者が例年に比べ増加する傾向もみられるとのこと。また、花粉の飛散開始が例年に比べ早くかつ長期間となり、飛散期間の2ヵ月で多くの企業の鼻炎治療剤が対前年比1.5倍前後の大幅な増加を記録しているため、07年は感冒関連用薬市場全体でほぼ回復が見込まれるという。鼻炎治療剤の実績は、対前年比で大幅に増加すると見込んでいる。
まず、感冒関連用薬分野は、2007年が1349億円(06年比100.6%)に達すると見込んでいる。7薬効領域のうち、鼻炎治療剤が前年比20%の伸びを示すとみられるが、全体の40%を占める総合感冒薬の前年比4%減の不振が影響して、全体では06年並かやや上回る売り上げとなる見込みだという。2シーズン続きの暖冬と風邪・インフルエンザの流行がなかったために、総合感冒薬の減少が続く見込みとなったと説明する。
その他精神神経用薬分野では、2007年が112億円(06年比106.7%)に達すると見込む。この分野は、催眠鎮静剤、眠気倦怠防止剤、鎮暈剤、小児五疳薬の4薬効領域が対象。そのうち、50%強の催眠鎮静剤領域が新製品の相次ぐ登場によって活性化し、06年比16%の伸びが見込まれると分析する。ただ、今後「ドリエル錠」の3年間の市販後調査が終わり、直接的競合が発生するため、価格訴求からマイナスに転じることも予想されるとの見解を示す。
泌尿器官用薬分野では、2007年が126億円(06年比100.8%)に達すると予測する。この分野は、痔疾用薬と尿もれ抑制薬の市場が対象。痔疾患は、秘匿性が高くこのところの実績は前年並みの推移が続いているとのこと。日本人の成人の3人に1人は痔の患者といわれており、厚生労働省の患者調査とも合わせて潜在患者の多さがわかる。メーカーサイドからの市場顕在化の働きかけによって、市場の大きな成長が期待されると分析。尿もれは高齢者の3大症状のひとつで、リピートユーザーの定着と、薬効領域を広げた新薬の伸びなどもあり、今後増加すると期待される。
歯科口腔用薬分野は、2007年が139億円(06年比103.0%)に達すると見込む。歯槽膿漏治療剤、外用歯痛剤、殺菌塗布剤、口内炎治療剤の対象薬効領域のうち歯槽膿漏治療薬と、とくに口内炎治療薬が伸びて06年比2%増と見込まれるとの見解を示す。歯槽膿漏は、40~50才代のユーザーのオ―ラルケア意識の高まりから市場の伸びが期待されると指摘。口内炎治療剤は新薬効果によって、5年ぶりに市場が増加に転じる見込みだとしている。
その他医薬品分野では、2007年が242億円(06年比101.3%)に達すると見込んでいる。この分野は、殺虫剤、耳疾患用剤、いびき抑制剤、抗ヒスタミン剤、OTC検査薬、禁煙補助剤をひとまとめにした分野。なかでも、OTC検査薬の排卵予知薬(07年見込み12億円)と耳疾患用剤(07年見込み2億円)が、06年から実績見込みでいずれも1億円超の伸びと見込まれており、注目されるという。
OTC検査薬の排卵予知薬は、妊娠を望むユーザーニーズに応えて06年は前年比25%も伸びており、認知度の向上とともに今後も市場が拡大すると見込まれると分析する。耳鳴り用の一般用医薬品は、知名度が低くこれまで市場は注目されなかった。06年9月に、加齢による耳鳴り患者の潜在需要を見込んで、中・四国限定で投入された小林製薬の新製品「ナリピタン」が順調に伸びており、07年以降の全国展開による拡大が期待されるとの見解を示す。
鼻炎治療剤では、2007年が165億円(06年比120.4%)に達すると予測する。鼻炎治療剤市場は、花粉の飛散状況に大きく左右される動向が続いており、04年以降は大幅な変動を繰り返しているという。03年からの塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)配合製品の販売中止による製品切り替えが済んだ05年は、花粉が大量に飛散して市場が大幅に拡大。06年は花粉の飛散量が前年と比べて大幅に減少して、鼻炎治療剤の実績は軒並み大幅に減少したと指摘する。
今年は花粉の飛散量は少なかったが、1月中から飛散が始まりシーズンインしたことによって急遽店頭での大量陳列が開始されたとのこと。2月~3月にかけては前年の需要が不調であった反動から、参入企業のほとんどが大幅に販売実績を伸ばしているという。また、新奇性のある新製品の投入が相次ぎ、プラスオンの実績を上げる企業もみられ、07年市場は花粉症シーズンの需要増加によって大幅に拡大する見込みだとしている。
大正製薬が05年に医療用医薬品の成分であるフマル酸ケトチフェンを配合した点鼻薬「パブロン点鼻Z」を、06年末には内服薬「パブロン鼻炎カプセルZ」を発売し、エーザイも塩酸アゼラスチンを配合した内服薬「ハイガード」を発売するなど、スイッチOTCの大型製品が登場。両製品は、スイッチOTCとしての効能の高さが持ち味となるだけでなく、初期症状から長期に服用可能で、口の渇きを少なくするなど使用感を改善しており07年も好調とのこと。
エーザイの「ハイガード」は、鼻炎だけでなくアレルギー疾患の皮膚症状にも効果のある製品として、従来製品にはない特性をもっている点が注目されるという。抗ヒスタミン剤と鼻炎治療剤の機能を兼ね備えた製品として、花粉症だけでなく通年アレルギー需要を開拓していくことができるかが今後の注目ポイントとなるとの見解を示す。
催眠鎮静剤では、2007年が57億円(06年比116.3%)に達すると見込んでいる。催眠鎮静剤市場は、主に催眠改善効果を訴求するエスエス製薬「ドリエル錠」、大正製薬「レスティ」と、鎮静効果を訴求する全薬工業「アロパノール」、小林製薬「イララック」に大別される。
催眠鎮静剤市場は、02年までは精神薬的なイメージが強くもたれていたため、生活者は医療機関にかかるケースがほとんどであったが、03年のエスエス製薬「ドリエル錠」発売時にTVCMなどで積極的に販促活動を行った結果、睡眠改善という新たな認識が定着して市場が急速に顕在化し、その後緩やかに拡大してきたと分析する。06年、主に睡眠障害の一時的な改善を訴求したこともあり、リピーターの育成が課題となって伸び悩み、踊り場を迎えた。「ドリエル錠」の3年間の市販後調査も終わり、今年は同じ成分の塩酸ジフェンヒドラミンを配合したグラクソ・スミスクライン「ナイトール」、大正製薬「ネオデイ(ネオデイ)」が発売され、市場は再び活性化の様相を呈しているが、同時に価格競争の激化が懸念されるという。
エスエス製薬「ドリエル錠」は、睡眠改善薬としてTVCMの大量投入によって、知名度が圧倒的に高まり、50%以上のシェアを占めている。また同社は、07年3月ソフトカプセル「ドリエルEX」の発売にともない他社に先行してTVCM中心の宣伝を約2倍とし、販促活動を強化する方針であることから、07年の実績は前年を上回ると予測する。
全薬工業をはじめ鎮静効果を訴求する製品を展開するメーカーは、エスエス製薬「ドリエル」などの睡眠効果とは直接的に競合することなく、固定ユーザーに支えられ、06年は横ばいで推移しているとのこと。
大正製薬は、「ネオデイ」を今年3月に発売し、生薬成分の「レスティ」では自律神経の乱れを改善し、睡眠障害を根本的に治療するのに対し、「ネオデイ」では新薬系の塩酸ジフェンフィドラミンを配合して一時的な不眠に対応するという。
グラクソ・スミスクラインは、今年3月に睡眠改善薬「ナイトール」を発売し、4月からTVCMを投入して新規参入を果たした。世界15ヵ国以上での実績や溶出性を高めた製剤設計を強調している同剤は、エスエス製薬「ドリエル錠」と同じ塩酸ジフェンヒドラミン配合であり、25才~34才の仕事をもつ女性への訴求を強調して差別化を図り、製品認知の向上に力を注いでいる。
06年6月に可決成立した改正薬事法によるリスク分類と登録販売者制度の導入は、今後の医薬品販売に大きな影響を与えると指摘。07年4月には「一般用医薬品の成分リスト」として、リスク分類区分が確定されたとのこと。新医薬品販売制度が09年からの本格稼動に向けて動き始め、メーカー、流通サイドは今後本格的な取り組みを要請されると指摘する。
[小売価格]9万4500円(税込)
●報告書「一般用医薬品データブック2007 No.2」の目次[PDF]
富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
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