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2009年05月25日

サントリーウエルネス、必須脂肪酸であるARAやDHAの血液中の量が年齢によって変動することを発見

 サントリーウエルネス 健康科学研究所は、性別・年齢が異なる老若男女4集団の食事と血液中の脂肪酸量について女子栄養大学(川端輝江教授)と共同で調査した。必須脂肪酸であるアラキドン酸やドコサヘキサエン酸について、日常の食事からの摂取量や血液中の量が年齢によって大きく異なることを見出した。

 アラキドン酸(ARA)やドコサヘキサエン酸(DHA)は、動物性の食品から日々摂取している必須脂肪酸の一種であり、ヒトの細胞膜を構成する主要な成分とのこと。脳をはじめとする多くの生体機能を維持するために重要だが、加齢や食事、生活習慣によって、体内における脂肪酸量、即ち“体内レベル”が変動するといわれている。栄養素として重要であるため、これまでDHAを中心に数多くの研究が報告されているが、ARAの摂取量まで正確に算出した研究や、体内レベルをよく反映するとされる赤血球膜リン脂質を解析した研究は多くないという。そこで、日本人の必須脂肪酸の摂取量とその体内レベルの現状を把握し、さらに加齢や性別がそれらに影響するかどうかを調べるために、老若男女を対象に調査を実施した。

 若年男性40名(平均年齢20.7±1.1才)、若年女性30名(20.0±1.5才)、中高年男性22名(67.1±4.3才)、中高年女性32名(63.5±4.3才)を対象とし、28日間連続の食事調査を実施した(平成16~20年)。対象者自身が毎食時撮影した摂取前後の食事デジタル画像と食事内容の記録から、五訂増補日本食品標準成分表および脂肪酸成分表を用いて、DHAやARAなどの脂肪酸や種々の栄養素の摂取平均量を算出。また、食事調査終了時に採取した血液から、赤血球膜を分離し、そのリン脂質中の脂肪酸量をガスクロマトグラフで分析し、血液中の量とした。

 その結果、DHA摂取量は、中高年では450mg/日を超えていたが、若年では300mg/日以下であり、中高年は若年に比べて、男性で約3倍、女性で約1.7倍のDHAを摂取していた。一方、赤血球中のDHA量に年齢間、男女間ともに差はほとんどなかった。ARA摂取量は、150mg/日前後で年齢、男女による大きな差はみられなかった。しかし、赤血球中のARA量については、中高年男女は若年に比べ著しく少ないことがわかった。

 またDHAやARAをどのような食品から摂取していたかについて解析したところ、DHAはほとんど魚介類から摂取していた。一方、ARAは、特に中高年では、魚介類、肉類、卵類といった動物性食品から均等に摂取していることがわかった。

 今回の調査から、必須脂肪酸の摂取量とその血液中の量は、性別よりも、年齢による差が大きいことがわかった。DHAの摂取量は、中高年に比べて若年はかなり少ないにも関わらず、血液中の量は年齢差がなかったことから、中高年は、豊富なDHA摂取量が血液中の量に反映されていないことが示唆された。一方、ARAの摂取量は年齢差がないにもかかわらず、血液中の量には明らかな年齢差が認められた。また、これまで食事からのARA摂取量はあまり考慮されてこなかったが、卵・肉・魚介類と幅広い食品から150mg/日程度摂取されていること、特に中高年では魚介類がARAの主要な供給源の一つであることがわかった。

 近年ARAの様々な生理機能が報告されており、特に中高年のARAの体内レベルに関しては今後注目する必要があると思われるとのこと。必須脂肪酸の体内レベルには、食事内容だけでなく、前駆体となる脂肪酸を体内で変換する能力など多くの要因が関与するとされている。今後、これらの要因の寄与や、栄養素としての必須脂肪酸の役割、また加齢がそれらに及ぼす影響などについて、さらに研究を進めていくとしている。

 なお、今回の研究結果を、第63回 日本栄養・食糧学会(5月21日、長崎県)で発表した。

 ちなみに、必須脂肪酸とは、ヒトや動物が体内でつくり出すことができない脂肪酸のことで、リノール酸やα-リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸などの多価不飽和脂肪酸を指す。歴史的にはビタミンFとも呼ばれ、食事から摂取しなければならない脂肪酸の総称となっている。

 アラキドン酸(ARA)は、n-6系の必須脂肪酸の一つで、DHAと同様に脳・肝臓・皮膚などの身体のあらゆる組織を構成する主要な多価不飽和脂肪酸のひとつ。肉、卵、魚などに多く含まれており、食事から摂取する必要がある必須脂肪酸のひとつとして知られている。また、母乳にも含まれており、乳幼児の成長、発育には欠かせない栄養素であることが明らかにされているが、最近では、アラキドン酸が高齢者の脳の働き(集中力・記憶力)にも重要な役割を果たすことが明らかにされ、注目を集めている。

 DHA(ドコサヘキサエン酸)はn-3系の必須脂肪酸の一つで、主に魚油に多く含まれる成分であり、脳・肝臓・皮膚などの身体のあらゆる組織を構成する主要な多価不飽和脂肪酸のひとつ。栄養素としても注目されている必須脂肪酸の一つとなっている。これまでの数多くの研究によって、血清脂質濃度の低下作用、心血管系疾患やアレルギー疾患の抑制作用、学習能力や視力の向上作用などを持つことが報告されている。

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