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2009年05月21日

富士経済、一般用医薬品24品目の国内市場調査、スイッチOTCの実績拡大で総合感冒薬は43.5億円

 富士経済は、09年6月の改正薬事法施行から販売方法が大きく変わる一般用医薬品市場の調査を行っている。今回、感冒関連用薬、その他精神神経用薬、泌尿器官用薬、歯科口腔用薬およびその他医薬品あわせて24品目の市場動向を報告書「一般用医薬品データブック2009 No.2」にまとめた。

 その結果、2009年の見込みでは、スイッチOTCの実績拡大で、総合感冒薬(第1類)は43.5億円(前年比111.5%)達する見通しだ。また、スイッチOTCの新製品が続々登場する鼻炎治療剤(第1類)23.6億円(前年比127.6%)に。膣カンジダ治療薬(第1類)15.0億円(前年比200.0%)を見込むが女性の認知拡大が鍵とみられる。頻尿・尿もれ改善薬(第1類)4.5億円(前年比150.0%)に達し市場開拓新薬の上乗せ効果が期待できるという。

 この調査では、09年6月施行の改正薬事法規制のリスク分類第1、2類医薬品市場への影響を分析した。改正薬事法で一般用医薬品を第1類、第2類、第3類とリスク分類し、第1類の取り扱いは薬剤師に限定し、第2類は薬剤師と登録販売者による取り扱いを可能とした。通信販売は当初、第3類のみ可能としていたが、09年5月には離島居住者や同一医薬品の継続使用者に限定して第3類以外の通信販売を2年間の期限を設ける省令改正案が提出されている。

 感冒関連用薬では、08年、この市場は風邪とインフルエンザの流行が大きく影響してスイッチOTCの伸びや主力ブランドの実績増加によって拡大し、総合感冒薬が600億円台に達した。感冒関連用薬の中で40%強の構成比を占める主力薬効で全体への影響が大きい。市場規模の大きな総合感冒薬、解熱鎮痛剤の主要商品の殆どが第2類であるため、改正法施行で店頭棚割りの変化は少ない見込みである。総合感冒薬は08年に発売されたスイッチOTCによって大幅に実績が拡大したが、第1類取扱店が減少する可能性もあり第1類の総合感冒薬実績が減少する可能性もある。規模2番目の解熱鎮痛剤市場は微増、3番目の鼻炎治療剤市場は花粉飛散量の増加や長期化とスイッチOTCの登場によって大幅な伸びが続いており、鼻炎治療剤の好調も感冒関連用薬市場全体の増加要因となっている。含嗽剤は感冒関連用薬市場の構成比5%に過ぎないが、インフルエンザの対策意識が急速に高まる中で09年は規模が拡大する見込みだ。

 その他精神神経用薬では、全商品が第3類に該当する眠気倦怠防止剤は、運転者のニーズが大きく、法改正によって登録販売者を置く店舗で販売が可能なため、薬局・薬店以外の高速道路のサービスエリアなどへも市場が拡大する可能性もある。また鎮暈(ちんうん:吐き気防止)剤も、乗り物酔いのニーズから、同様のチャネル展開が行われれば、ニーズにマッチしたチャネル展開による需要喚起が期待出来る。

 泌尿器官用薬の市場は痔疾用薬の構成比が圧倒的に高かったが、04年に大幅に市場規模を拡大した頻尿・尿もれ改善薬がこの市場の構成比を変えた。08年にはスイッチOTCの興和新薬「レディガードコーワ」によって頻尿・尿もれ改善薬の構成比は更に高まった。頻尿・尿もれ改善薬や膣カンジダ治療薬の第1類市場は、スイッチOTC解禁から日が浅く、需要の開拓途上にあるためにまだ規模拡大が見込まれる。しかし第1類取扱店の減少次第では、09年見込み値まで拡大が難しくなる可能性もある。09年には、新スイッチOTC膣カンジダ治療薬が伸びており、この市場構成比は更に変化する見込である。

 歯科口腔用薬では、中高年人口の増加やオーラルケアへの関心の高まりから歯槽膿漏治療剤の構成比が半数を占めるまでになり、同市場の増加を牽引して来た。08年の歯槽膿漏治療剤市場は減少したが、09年にはオーラルケア意識の高まりと上位2社の販売注力から市場は回復して増加を続ける見込である。口内炎治療剤はスイッチOTCの実績増加や第一三共ヘルスケア「トラフル錠」のヒットによって市場規模が前年比114.3%と大幅に拡大しており、歯科口腔用薬市場の増加に貢献する見込みだ。

 総合感冒薬は、全体規模で2009年607.0億円(前年並)を見込んでいる。第1類は2007年 が3億円で2009年が43.5億円(前年比111.5%)を見込む。第2類は2007年が586億円で2009年が563.5億円(前年並)を見込む。

 総合感冒薬は、かぜの諸症状の緩和に使用されるため、解熱/鎮咳/去痰/鼻炎などの成分が総合的に配合されている。かぜの初期あるいは複合症状に総合感冒薬が使用されファミリーユースとしての需要が大きいが、さらに特定の症状を重点的に抑える商品やパーソナルユースを目指した商品が好調など、生活スタイルの変化に合わせて総合感冒薬のラインナップは多様化している。今後もさらに多様化が進んで競合が激化していく可能性が高い。

 07年12月から08年1月にはエスエス製薬、大正製薬が医療用成分アンブロキソール塩酸塩を配合したスイッチOTCを発売し大型ブランドへの育成に取り組み実績を高めたことや、競合激化による主力企業の製品切り替えや積極的な販促活動による実績拡大もあり市場が拡大した。

 09年1月には風邪とインフルエンザの流行によって需要が拡大したが、花粉飛散開始が2月に早まった影響で店頭では鼻炎治療剤主体の展開に変わり、09年前半の伸びは前年よりもやや鈍化する可能性が高い。アンブロキソール塩酸塩が第1類になり、エスエス製薬、大正製薬が販売を伸ばして09年も構成比が高まる見込みである。

 上位企業もファミリーユース商品だけでなく、目的や効き目の強さでバリエーションを拡充し、これまでの高いブランド力を生かし、07年12月~08年1月に発売されたスイッチOTCの実績を拡大した。しかし、スイッチOTCは、リスク分類が導入される09年6月以降には第1類取扱店が減少する可能性も見込まれ、その場合は伸び率が予測値より鈍化する可能性もある。また、08年以降はパンデミック対策、予防への取り組みが一般化し始めており、関連商品の市場性が高まる可能性はあるが、総合感冒薬はパンデミック発生などで医療機関受診者が急増して需要が減退する可能性がある。

 鼻炎治療剤の全体規模は2009年が193.5億円(前年比113.2%)に達する見通しだ。第1類は2007年が15.8億円で2009年が23.6億円(前年比127.6%)を見込む。第2類は2007年が143.2億円で2009年が169.9億円(前年比111.4%)を見込む。

 07年は飛散開始時期が早まり飛散期間が長かったことや好調なスイッチOTCの新商品も加わり、市場は16%増と大幅に増加した。08年、飛散開始時期は遅れたが大量に飛散し、さらにノバルティスファーマの新規参入など新商品投入や主要企業の参入により高い伸び率を維持した。09年には花粉飛散が2月初めから始まって店頭での大量陳列も早い時期から開始されて2桁以上の伸びを示している。これまでのようにシェア上位ブランドが軒並み成長するというより、スイッチOTCをはじめとした新商品の増加により競合が激化し、またPBが価格訴求で販売実績を伸ばす傾向も見られ、ブランド間格差が拡大して行くと見られる。

 第1類成分、フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン、エメダスチンフマル酸塩は、07年までに大正製薬、エーザイ、ノバルティスファーマが新商品を発売して実績を拡大した。08年12月にはロート製薬がエメダスチンフマル酸塩を配合した「アルガード 抗アレルギーカプセル」を発売し、既存商品も増加していることから、第1類の構成比が高まっている。

 08年8月に医療用医薬品から転用が決まった7成分のうち、4成分がアレルギー用鼻炎薬成分であり、これら成分を配合したスイッチOTCの登場によって市場は拡大の可能性を秘めている。現状では承認申請は不明だがアレルギー患者は増加するとの見方が強く、大型商品への育成も期待できる。

 頻尿・尿もれ改善薬の2009年全体規模は26.0億円(前年比113.0%)に達する見通しだ。第1類は2008年が3億円で2009年が4.5億円(前年比150.0%)を見込む。第2類は2007年が18億円で2009年が21.5億円(前年比107.5%)を見込む。

 08年1月にフラボキサート塩酸塩が第1類医薬品として承認され、8月に興和新薬がこれを主成分としてスイッチOTC「レディガードコーワ」を発売してこの市場に新規参入した。過敏な症状の膀胱機能を正常に調整し女性の頻尿、残尿感に効果をもたらす商品である。08年は興和新薬「レディガードコーワ」、小林製薬「ユリナールJ」が好調だったことに加え、各社の新規需要開拓が進んで市場は増加に転じた。

 この市場は新規需要を開拓しても継続利用層を広げられず05年以降増減を繰り返えしてきた。改正薬事法施行によって買いやすい店頭、相談しやすい環境を創るなど改善に努めれば、泌尿器関連というデリケートな部分だけに相談を敬遠してきた層を取り込むことが可能となり、さらに潜在需要の開拓が進む可能性もある。この商品の多くは第2類であり、カウンセリング対応の規制はないが、きめ細かな対応が求められる。

 膣カンジダ治療薬は2009年の全体規模を15億円(前年比200%)と見込んでいる。第1類は2008年が7.5億円で2009年が15億円(前年比200%)を見込む。

 08年4月にロート製薬「メンソレータム フレディCC膣錠」発売を機に市場が形成され始め、08年10月に大正製薬が「メディトリート」を発売して参入企業が増え本格的な市場展開が始まった。09年3月にこの2社がクリームタイプを発売し、剤形の多様化など商品の拡充を行なった。膣カンジダ治療薬は再発治療という制限付きの医薬品であり、対象となる層への啓発を着実に行う必要性が高いため、一気に実績を拡大することは難しいが、09年には15億円に達する見込みである。女性特有症状への認知拡大と治療を行う層が増加するような市場に発展していくことが出来れば、さらに市場が拡大する可能性が高い。

[小売価格]10万5000円(税込)

報告書の目次[PDF]

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/

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