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2008年12月16日
富士経済、ジェネリック医薬品国内市場の主要24薬効領域の調査、2010年は3597億円に
富士経済は、医療費削減を目指し行政による促進策が活発な国内ジェネリック医薬品(後発医薬品)の市場を薬効領域別、企業別に調査・分析した。その結果、2010年のジェネリック医薬品は3597億円に達し、医療用医薬品市場の5.2%を占める予測などを調査報告書「2008 ジェネリック医薬品データブック」にまとめた。この調査では、診療報酬点数表における後発医薬品に属するものをジェネリック医薬品とし、生理食塩水と漢方製剤を除いている。
ジェネリック医薬品とは、新薬(先発医薬品)の特許満了後に発売された、同じ有効成分で新薬に比べて薬価が低い医薬品である。近年のジェネリック医薬品を取り巻く環境は変化している。処方箋は06年4月に後発医薬品へ変更可の場合に医師がチェックする様式に変更されたが、08年4月には一転して変更不可の場合にチェックする様式へと再改定された。また、08年4月は調剤報酬も変更され、調剤薬局は扱う処方箋枚数の30%以上に後発医薬品が含まれていれば調剤基本料に加算出来るが、30%以下ならば従来の調剤報酬に比べ減少につながることとなった。さらに、07年からは年2回(7月と11月)の後発医薬品の薬価収載が開始されている。このような行政による促進策を受け、DPC(診断群分類に基づく医療費の包括請求制度)導入病院では注射剤を中心にジェネリック医薬品の採用が増えているほか、経口剤も切り替えに積極的な病院もある。しかし、ジェネリック医薬品採用の進み具合には地域差がみられるとのこと。企業動向としては、中堅の新薬企業がジェネリック医薬品の取り扱いを開始し順調に実績を伸ばしているほか、大手医薬品企業も参入している。さらに、外資系のジェネリック医薬品企業が日本市場に参入しており、世界で上位にランキングしている企業の日本進出が活発に行われている。
ジェネリック医薬品市場は拡大が続いており、10年には3597億円、医療用医薬品市場の5.2%を占めると予測される。医療用医薬品市場の07年比5.6%増であるのに対し、ジェネリック医薬品市場は同17.5%増と大きく成長する。この要因として、独立行政法人化以前の国立病院でのジェネリック医薬品の処方促進や、03年のDPCの開始、前述の処方箋様式の改定などが挙げられる。DPC導入病院では注射剤にジェネリック医薬品を採用するところが多い。DPC導入病院は準備病院を含め1433病院で今後も増えていくとみられるため、ジェネリック医薬品の注射剤市場は拡大が予測される。ジェネリック医薬品の経口剤は注射剤と比較して切り替えが進んでいなかったが、処方箋様式改定後は生活習慣病分野を中心に実績を伸ばしている。
07年の医療用医薬品市場に占めるジェネリック医薬品の構成比が高い領域は、薬効領域別に見ると、消毒剤(含嗽剤含む)・褥瘡治療剤(20.1%)、輸液製剤・栄養剤・ビタミン剤(生理食塩水除く)(17.8%)、痛風・高尿酸血症治療剤(16.4%)、抗ウイルス剤(13.0%)である。市場規模では、保険点数上後発品扱いの製品を含む輸液製剤・栄養剤・ビタミン剤(生理食塩水除く)(446億円)、降圧剤以外の循環器官用剤を対象としたその他循環器官用剤(346億円)などが大きい。10年に07年と比較して市場の伸びが大きい薬効領域は、降圧剤(300億円、07年比65.7%増)、統合失調症治療剤(29億円、同61.1%増)、糖尿病治療剤(82億円、同57.7%増)、体内診断薬(120億円、同57.9%増)、抗がん剤(175億円、同54.9%増)など。降圧剤、統合失調症治療剤、糖尿病治療剤は大型製品の特許切れによってジェネリック医薬品が発売されること、体内診断薬、抗がん剤はDPC導入病院などで採用が増えることから、各ジェネリック医薬品市場の拡大が予測される。
降圧剤は、高血圧症の治療に用いられ、Ca拮抗剤、ACE阻害剤、α、αβ、β遮断剤などでジェネリック医薬品が発売されている。2000年にACE阻害剤の「レニベース」(万有製薬)、06年にCa拮抗剤の「コニール」(協和発酵キリン)、08年7月にCa拮抗剤の「ノルバスク」(ファイザー)、「アムロジン」(大日本住友製薬)のジェネリック医薬品が発売された。シェア上位ブランドである「ノルバスク」「アムロジン」のジェネリック医薬品は08年の注目製品であり、好調な実績が見られる。
抗がん剤は、最新の先発医薬品が市場の上位を占めていることからジェネリック医薬品の構成比は低い。しかし近年、先発品を販売している企業がジェネリック医薬品の販売を開始し、専門MRによるプロモーション活動などを行っていることから、がん診療拠点病院でもジェネリック医薬品の採用がみられる。今後も、ジェネリック医薬品の採用が進めばジェネリック医薬品市場が伸長する見通しだが、抗がん剤は専門的な情報提供を要求される領域であることから、市場にジェネリック医薬品の存在感を確立できる企業は他領域よりも少ないと予測される。
体内診断薬は、造影剤(X線造影剤、MRI・超音波造影剤)、放射性医薬品などがある。ジェネリック医薬品で最も規模が大きいのはX線造影剤の尿路・血管造影剤である。従来、造影剤はジェネリック医薬品が普及しにくい領域といわれていた。しかし、入院医療費が定額となるDPC導入病院の増加により状況が変わり、ほとんどの病院で採用されている。シェア上位ブランドの「オムニパーク」(第一三共)、「イオパミロン」(バイエル薬品)のジェネリック医薬品が実績を拡大させている。また、08年8月に「マグネビスト」(バイエル薬品)のジェネリック医薬品が発売され、今後X線造影剤だけでなくMRI造影剤の市場も立ち上がるとみられる。
糖尿病治療剤は、トップブランドである「ベイスン」(武田薬品工業)のジェネリック医薬品がジェネリック医薬品市場の上位を占めている。生活習慣の欧米化や高齢化社会の進展で糖尿病患者は増加を続けており、今後、100億円以上の実績をもつ大型製品のジェネリック医薬品が発売されれば、ジェネリック医薬品市場のさらなる拡大が見込まれる。
富士経済=http://www.fuji-keizai.co.jp/
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