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2009年08月21日

富士経済、一般用医薬品市場調査、2008年の小規模市場ではスイッチOTCで新規薬効市場を創出

 富士経済は、一般用医薬品の市場調査を行い3回に分けて報告してきたが、今回、その結果をベースとして2008年の一般用医薬品市場を総括した。2008年は、15億円未満の小規模市場では、新登場したスイッチOTCで新規薬効市場を創出。スイッチOTC市場では、新規成分の解禁が相次ぎ、前年比4.3%増の1536億円に達した。

 今回、OTC企業32社やドラッグストア12社の事例分析を中心に、2008年実績を元に区分した市場規模別分析、一般用医薬品以外の分野も含めた品目横断的なテーマ別分析と、スイッチOTC、リスク分類別、医薬部外品の各カテゴリー別分析によって、一般用医薬品市場を総合的・多面的に捉えた。これらの結果を報告書「一般用医薬品データブック2009 No.4」にまとめた。
 全体市場は、2008年が6277億円(前年比100.2%)に達し、2009年が6282億円(前年比100.1%)を見込む。2008年の一般用医薬品市場は、保健薬や胃腸薬などが秋以降の景気悪化の影響を受けたものの、総合感冒薬や鼻炎治療剤が好調に推移したことに加え、スイッチOTC化された膣カンジダ治療薬や禁煙補助剤のニコチンパッチ剤などで新製品投入が相次いだことから、前年比0.2%増の6277億円となった。また、新規参入企業の積極策によって、漢方処方エキス製剤や耳疾患用剤、口内炎治療剤が実績を伸ばし、市場の拡大に寄与した。
 市場規模別市場として、200億円以上は、外用消炎鎮痛剤や総合胃腸薬が前年割れしたものの、総合感冒薬が第1類の新製品投入や積極的な展開によって実績を伸ばしたほか、目薬でも機能志向の高価格帯製品が好調だったことから、微増となった。100億円以上200億円未満は、前年割れした薬効が多く全体もマイナスとなった。その中で、鼻炎治療剤や育毛剤は第1類製品の積極的な販促によって好調だった。また、漢方処方エキス製剤も肥満対策として防風通聖散がヒットし、多岐に亘る効能効果を有することへの期待が高まり実績を伸ばした。50億円以上100億円未満は、禁煙補助剤でニコチンパッチ剤の新製品投入が相次ぎ大幅に増加したほか、関節痛治療薬「コンドロイチンZS錠」(ゼリア新薬工業)が実績を伸ばしたことでプラスとなった。そのほか、15億円未満の小規模な市場の伸びが目立った。2007年には口唇ヘルペス治療薬、2008年には膣カンジダ治療薬がスイッチOTC化し、一般用医薬品の新規薬効領域となったことが成長に貢献した。
 スイッチOTC市場は、2008年が1536億円(前年比104.3%)に達し、2009年が1567億円 (前年比102.0%)を見込む。2007年3月に厚生労働省からスイッチOTC促進のための新スキームが提案され、これを追い風に2007年は口唇ヘルペス治療薬、しみ治療薬が追加され、既存製品と合わせて市場はプラスに転じた。2008年も、新規に膣カンジダ治療薬のミコナゾール硝酸塩、既存では禁煙補助剤のニコチンパッチ剤、頻尿・尿もれ改善薬のフラボキサート塩酸塩が登場し、市場はプラスを維持した。2009年は、6月に改正薬事法が施行され、リスク分類に基づく新販売制度が正式にスタートした。薬剤師に取り扱いが限定される第1類は、スイッチOTCの受け皿となっている。前述の新スキームによって新規成分の解禁が相次ぎ、2009年もジクロフェナクナトリウム(同市場規模には含まず)が承認された。また、一回目の事前候補薬剤としてアンレキサノクス、ペミロラストカリウム他7成分が提示されていることから、今後の市場の活性化が期待される。

 花粉症対策市場(一般用医薬品+衛生雑貨)は、主に目と鼻におけるアレルギー症状の予防・ケア(治療)を訴求したもので、一般用医薬品では目薬に該当するアレルギー用点眼薬と洗眼薬、鼻炎治療剤、抗ヒスタミン剤、漢方処方エキス製剤の小青竜湯を、衛生雑貨では鼻孔拡張テープ、鼻洗浄剤、家庭用マスクを対象とした。2008年は、スイッチOTC化したフマル酸ケトチフェン配合のアレルギー用点眼薬の投入を追い風に、店頭での花粉症カテゴリーへの注力度が高まりプラスとなった。2009年は、飛散時期の早まりを見越した店頭での積極的な取り組みによって、鼻炎治療剤と家庭用マスクが牽引し好調に推移している。花粉症対策は従来、治療を訴求した鼻炎治療剤などの一般用医薬品が中心となっていたが、近年では予防を訴求した衛生雑貨の家庭用マスクも対策手段として定着しており、花粉症対策市場での位置付けを高めている。また、一般用医薬品においても、フマル酸ケトチフェンやエメダスチンフマル酸塩などの成分がスイッチOTC化されたことで、市場が活性化すると考えられる。

 メタボリック対策市場(一般用医薬品+特定保健用食品)は、脂肪燃焼を訴求した一般用医薬品の肥満防止剤、漢方処方エキス製剤の防風通聖散、レシチンによるコレステロールの吸収を抑制する血清高コレステロール改善薬と、特定保健用食品の中性脂肪値改善、コレステロール値改善、高血圧予防、血糖値改善の4カテゴリーを対象とした。特定保健用食品が市場の9割弱を占めている。2008年は一般用医薬品、特定保健用食品共に拡大した。特定保健用食品では、コレステロール値改善を訴求した新製品「引き締った味 カテキン緑茶」(伊藤園)がプラス要因となった。 一般用医薬品では、医薬品の効能効果により差別化を図り、肥満防止剤の防風通聖散に加えて血清高コレステロール改善薬も増加している。セルフメディケーションへの対応を図ることで、メタボリック対策市場での一般用医薬品の位置付けが今後高まると見られる。

 生活改善薬市場は、2008年が147億円(前年比123.5%)に達し、2009年が144億円(前年比98.0%)を見込む。生活の質の改善・向上を訴求したもので、頻尿・尿もれ改善薬、禁煙補助剤、催眠鎮静剤を対象とした。2008年は、禁煙補助剤ではニコチンパッチ剤、頻尿・尿もれ改善薬ではフラボキサート塩酸塩を配合した「レディガードコーワ」(興和新薬)の登場によって、2007年に前年割れした市場が拡大に転じた。生活改善薬市場はスイッチ成分の位置付けが高く、スイッチOTCの新スキームの定着によって今後も解禁薬剤が増えると見込まれ、その中から生活改善薬の対象となる薬効の登場が期待される。

[調査対象]
胃腸薬、その他消化器官用薬、眼科用薬、外皮用薬、感冒関連用薬、その他精神神経用薬、泌尿器官用薬、歯科口腔用薬、その他医薬品、ドリンク剤、ビタミン剤、その他保健薬、循環器・血液用薬、漢方薬
[調査方法]
富士経済専門調査員による調査対象企業及び関連企業・団体等へのヒアリング調査および関連文献による補完
[調査期間]5月~7月
[小売価格]12万6000円 (税込)

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/


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