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2007年08月01日

富士経済の一般用医薬品市場の調査、ドリンク剤市場の2007年は前年比5.2%減1672億円の見込に

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、5分野21品目の一般用医薬品市場と、04年の規制緩和により医薬品から移行した新範囲医薬部外品市場について調査分析した。その結果、ドリンク剤市場の縮小が止まらず、2007年は前年比5.2%減1672億円の見込みとなった。詳細は、報告書「一般用医薬品データブック2007 No.3」としてまとめた。

 同報告書では、「ドリンク剤」「ビタミン剤」「その他保健薬」「循環器・血液用薬」「漢方薬」の5分野21品目を対象とした。

 今回調査の対象薬効分野では、巨大市場のドリンク剤が減少を続けていることが明らかになった。ビタミン剤では、ロート製薬の「ビタレスト」やエスエス製薬「キュティナ」、興和新薬の「パニオンコーワ錠」など今までにない商品コンセプトを打ち出した新商品が健闘し、低迷が続くビタミン剤市場に新風を吹き込んでいる。また、血清高コレステロール改善薬や肥満防止剤が、メタボリックシンドロームへの関心の高まりから増加に転じているとのこと。漢方処方エキス製剤では、わかりやすさを前面に出したシリーズ商品の登場によって、漢方初心者の新規需要を開拓し2006年は2ケタ増となった。

 ドリンク剤(市場規模は図を参照)は、100mlサイズのドリンク剤、100ml未満(50mlが中心)のミニドリンク剤、肩こりドリンク剤が対象。1999年4月に規制緩和により従来医薬品分類であった製品が医薬部外品分類に移行し、それ以降も医薬部外品のウエイトが高まっている。また、オロナミンCなどの食品分類のドリンクや清涼飲料など競合商品が多いのが特徴だ。

 2006年は、肩こりドリンク剤がかろうじて前年並みの実績を維持したものの、ドリンク剤、ミニドリンク剤では依然として縮小が続いており、とくに100mlタイプのドリンク剤では上位企業が流通在庫の整理・縮小を進めたことから出荷が減少し、落ち込み幅が大きくなっているとのこと。ミニドリンク剤は、2005年に景気回復から高価格帯商品を中心に売上回復の兆しがみえ始めたが根本的な需要回復にはつながらず、2006年も前年割れとなった。

 医薬部外品ドリンク剤は、1999年の販売規制緩和によってCVSをはじめとする非薬系チャネルへの配荷が広がり、売上規模も一気に拡大したが、CVSチャネルでの需要が一巡した後は急激に失速。2004年から2005年にかけて、第二次規制緩和によって一部の医薬品が医薬部外品に移行し、新商品投入・リニューアルが活発化したため、2005年の市場はドリンク剤・ミニドリンク剤ともに増加した。しかし、こうした効果が薄れた2006年には早くも減少に転じており、とくに販売規模の大きいドリンク剤では減少幅が大きくなっているとのこと。市場全体に占める医薬部外品のウエイトは、ドリンク剤で90%強、ミニドリンク剤でも50%近くに達しているとの見解を示す。

 ビタミン剤は、2006年が573億円に達し、2007年は、576億円(前年比100.5%)を見込む。

 ビタミン剤は、健康食品やサプリメントなどとの競合もあり、市場は縮小を続けてきた。しかし、2005年にビタミンB1主薬製剤が拡大に転じ、2006年にはビタミンB1、B6、B12主薬製剤、総合ビタミン剤が増加に転じたことで、2006年のビタミン剤市場は前年を0.2%上回り、573億円の市場となった。2007年は、その他ビタミンB主薬製剤、総合ビタミン剤、ビタミンB1主薬製剤が拡大し、ビタミン剤市場は前年比0.5%増の576億円が見込まれると分析する。

 その他ビタミンB主薬製剤では、エーザイ「チョコラBB」が女性層の需要開拓を進め、2007年3月発売のエスエス製薬「キュティナ」も、毛穴に着目した新コンセプトによるインパクトとTVCM投下の効果によって好調で、2007年は前年の6倍増が見込まれるとのこと。総合ビタミン剤は興和新薬「キューピーコーワゴールドα」やロート製薬「ビタレスト」が新規需要を獲得しているという。ビタミンB1、B6、B12主薬製剤は、エーザイ「ナボリン」がTVCMを投下し、興和新薬「パニオンコーワ錠」がエネルギー代謝改善薬として注目を集め市場が拡大していると指摘する。

 循環器・血液用薬は、2006年が164億円となり、2007年が183億円(前年比111.6%)に達すると予測する。

 メタボリックシンドロームへの関心の高まりが需要喚起につながり、血清高コレステロール改善薬、肥満防止剤市場が2006年に大きく市場を拡大したという。とくに肥満防止剤は、中高年男性を対象とし30億円を超えるヒット商品となった小林製薬「ナイシトール85」、カネボウ薬品(現クラシエ薬品)「新コッコアポ」が市場をけん引し、前年の2倍増となった。造血剤は、2006年3月に市場投入された小林製薬「ファイチ」が好調で、2006年の市場は前年の1.6倍に拡大したとのこと。貧血改善訴求で展開した「ファイチ」は、鉄分を効率的に補給して造血する医薬品ならではの効能・効果の浸透に注力したことが好調要因といえると分析する。強心剤は市場縮小が続いているが、家庭の常備薬として古くから使用されるなど大半の商品がロングセラー商品で、固定需要に支えられていることもあり減少幅は大きくないとの見解を示す。

 漢方薬(漢方処方エキス製剤)は、2006年が145億円に達し、2007年が170億円(前年比117.2%)を見込んでいる。

 漢方処方に基づき生薬を配合しエキス化抽出し、製剤化したものを対象としている。生薬をそのまま煎剤・丸剤・液剤とした生薬製剤、漢方処方に他の成分を配合した漢方処方配合剤、さらには「カコナール」のような漢方処方名を前面に出さず、新薬的に販売しているものは含まない。

 漢方処方エキス製剤は、一人ひとり異なる体質、症状に合わせて処方する漢方専門薬局によるオーダーメイドの売り方が浸透していたが、量販店の台頭が漢方専門薬局の減少を促し、市場全体の伸び悩みの大きな要因となったと指摘。しかし、2006年は、カネボウ薬品(現クラシエ薬品)「漢方セラピー」シリーズやロート製薬「和漢箋」など効果・効能を分かりやすく表記した新製品が投入されたことでセルフ販売が進み、漢方処方をベースとした新薬による話題性もあり、市場は前年比14%増の145億円となったという。漢方独特のわかりにくさが払拭され、サプリメント感覚で利用できる新製品が登場し、店頭でも生活習慣病領域を中心にコーナー展開されるなど、とくにチェーンドラッグでの取り扱い意欲が高まっているとのこと。リピート需要の定着を図っていくことで2007年の市場も2桁増が見込まれると予測する。

 その他保健薬は、2006年が372億円となり、2007年が373億円(前年比100.3%)と予想する。

 更年期障害の改善を前面に打ち出し、ポイントを絞った小林製薬「命の母」や武田薬品工業「ルビーナ」、ツムラ「ラムール」などの製品投入によって市場が活性化し、これまで縮小を続けてきた女性保健薬が2005年以降拡大に転じているとのこと。カルシウム剤、滋養強壮剤、強肝解毒栄養剤、薬用酒はいずれも健康食品との競合や訴求力の弱さから減少しているという。

 血清高コレステロール改善薬は、2006年が16億円(前年比165.3%)に達し、2007年が24億円(前年比157.3%)を見込む。

 動脈硬化用薬の中で、血清高コレステロールの改善を効能・効果として謳ったものが対象。血清高コレステロール改善薬は、自己の症状を確認する作業が必要であることなど症状に対するアプローチが難しいことがユーザーの獲得を妨げ、さらに生活習慣病対策の特定保健用食品が定着したため縮小が続いていたと指摘する。しかし、2006年に厚生労働省がメタボリックシンドロームへの注意を喚起したことから、生活習慣病への関心が高まっているとのこと。

 血清高コレステロール改善薬においても店頭での位置づけが高まり、さらにはエスエス製薬「コレステガード」のようにマス広告が行われた新製品もあることから、市場は活況を呈しているという。「コレステガード」は、生活習慣が不規則な40~50代男性をメインターゲットに訴求しているとのこと。

 血清高コレステロール改善薬は、コレステロール対策の選択肢の一つとして定着しており、2006年の市場は前年比65%増の16億円となった。高コレステロールは、メタボリックシンドロームの診断基準によって生活習慣病としての位置づけが強まり、血清高コレステロール改善薬は、店頭における生活習慣病対策コーナーへの陳列が増え、市場は2007年も50%以上増加するとみられるとの見解を示す。

 女性保健薬は、2006年が26億円(前年比107.1%)となり、2007年が31億円(前年比122.2%)達すると予測する。

 女性保健薬は、女性の生理機能に関する特有の疾患に対して訴求しており、更年期障害/血の道症/月経不順/月経困難などに対する効能効果を持っているとのこと。

 女性保健薬は一般用医薬品の認知度が低く、参入各社は積極的な広告販促活動を展開してこなかったことなどから市場は縮小を続けていたという。しかし、2005年に小林製薬が笹岡薬品の「命の母」の販売権を獲得し、パッケージを一新して更年期障害の改善を前面に打ち出した販売戦略が成功したことで市場は拡大に転じたとのこと。2006年も小林製薬「命の母」がけん引し市場も拡大。2007年は武田薬品工業の「ルビーナ」やツムラの「ラムールQ」など更年期障害の効能に絞り込んでパッケージをリニューアルしていることから、店頭の製品展開が活性化しており市場の大幅な拡大が見込まれるという。

 一般用医薬品で更年期障害などの症状に対応できることの認知が進み、各社から更年期障害にポイントを絞った製品の投入が活発化していることから市場は今後も拡大していくとみられるとのこと。また、小林製薬が更年期障害に焦点をあてた「命の母」に続き新商品「命の母ホワイト」では生理不順の改善にポイントを絞っており、各種症状ごとの対応によってさらなる需要開拓が進むことも考えられるとしている。

 調査方法は、富士経済専門調査員による関係企業へのヒアリングを主体に、薬事工業生産動態統計、各社有価証券報告書、その他公表データによって補完した。

[小売価格]9万4500円(税込)

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/

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