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2007年09月29日
富士経済、感染症関連検査市場に関する調査の結果、2007年は前年比2.3%増の844億円に
富士経済は、細菌やウイルスを検査する培地/診断薬と検査装置などの感染症関連検査市場について調査した。その結果、2007年の感染症関連検査市場は844億円(前年比 2.3%増)の見込みであることなどがわかった。なお詳細は、報告書「2007 感染症診断市場」にまとめた。この報告書では、感染症関連検査を、細菌検査は「細菌培養検査」、「細菌免疫同定検査」、「細菌ダイレクト検査」、「細菌抗体検査」とし、「ウイルス検査」、「遺伝子検査」の6検査分野に分け市場を分析した。
2006年の感染症診断市場は、細菌検査と遺伝子検査が各々前年に対し2%前後の伸びを示したのに対し、ウイルス検査が縮小したことで前年比1.1%減の825.2億円となった。ウイルス検査が55%、細菌検査は36%、遺伝子検査が9%を占めている。2007年は、同2.3%増の844億円が見込まれると分析する。
細菌検査は、細菌培養検査、細菌免疫同定検査、細菌ダイレクト検査、細菌抗体検査を対象としており、2006年の市場は293.8億円に達した。細菌検査は、その市場の70%弱を占める細菌培養検査の長年にわたる価格下落の影響から、ここ数年1~2%程度の伸びで推移。細菌ダイレクト検査の伸びが期待されるが、まだ全体に占めるウエイトが小さく、全体市場を押し上げるまでには至っていない。今後も横ばい推移が予想され、2007年は297.8億円と見込まれる。
2006年のウイルス検査市場は、HCV抗原、アデノウイルス抗原、RSV抗原、ノロウイルス抗原などが伸びたものの、HIV抗体スクリーニング(一次検査)やHTLV-1抗体スクリーニングの縮小と、とくにインフルエンザの流行が2005年に対し穏やかであったことや前年の流通在庫との競合による今年分の需要減が影響し、前年比3.7%減となった。2007年は各検査項目とも引き続き同じ傾向を辿るが、インフルエンザ抗原は2005年と同程度の需要を予想し、市場は再び拡大に転じて同2.8%増の466.8億円と見込まれるとの見解を示す。
2006年の遺伝子検査市場は、前年比1.9%増の77.3億円に達した。2007年は同2.7%増の79.4億円と見込まれる。検査方法として優位なのはロシュ社のPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)である。ロシュ社はPCR法から遺伝子の増幅と検出を同時に行うTaqMan PCR法へ切り替えようとしており、検査項目を開発中であるが、新たな専用装置に買い換える必要があるため、院内実施(自施設内での検査実施)から外注にシフトする施設が出てくると考えられ、遺伝子検査の外注比率は増加が予想される。
注目検査および検査分野として、粉末培地/生培地(一般細菌)は、2006年が88.3億円(前年比 99.4%)に達し、2007年が89.7億円(前年比101.6%)を見込む。
粉末培地/生培地は、細菌を培地で培養し菌種を同定する検査である。粉末培地は、粉末をユーザーが寒天状に調製する培地で、生培地は調製済みのものを指す。古くからある検査で技術的に確立されていることから、新製品は主に既存品を改良したもの。2006年は前年比0.6%減の88.3億円で、その構成は粉末培地2:生培地8となっており、調製の手間を省いた生培地が主流となっている。
2006年の生培地市場は69.1億円で、その伸びはほぼ横ばいにとどまっていることから生培地の普及も一巡したといえる。メーカーが低価格を打ち出してシェアを拡大する戦略をとっているため培地価格は全体的に下落しており、常にいずれかのメーカーが低価格化をけん引している状況。各社とも一枚のシャーレで2つの培養ができる分画培地の実績を伸ばしている。分画培地は当初、検査精度が問題視されていたが、精度に問題がないことが実証され普及が進み、2006年は12.4億円と生培地市場の17.8%を占めるほどに成長。生培地市場で、分画培地と並んで小規模ながら実績を伸ばしているのが酵素基質培地である。2006年は前年比16.1%増の3.6億円となった。生培地市場の5.2%を占めている。この培地は、細菌の出す酵素に反応して発色する培地で、判定の容易さ、迅速性が好評とのこと。ただし、開発は難しく各社とも自社開発、導入などに力を入れている。
厳しい市場環境下、メーカーはスケールメリットを追及したいところ。一般に、診断薬は世界レベルで製造・販売を行う外資系メーカーがコスト競争力で強い。しかし、培地では輸入品の品質保証が難しいため、外資系の培地メーカーであっても、国内生産や、部分的に国内メーカーからOEM供給を受け事業展開しており、国内外メーカーとも優位性はない。限定された日本市場であることと価格低下のなかで、各社の提携(装置・培地の併売、OEM、子会社の吸収など)が進んでおり、今後も競合しつつ補い合う形でしのいでいくことが予想される。
なお、2006年のシェアは、分画培地が12.4億円で17.9%、酵素基質培地が3.6億円で5.2%、その他が53.1億円で76.8%。生培地全体は69.1億円となる(端数処理をしているため合計は100%にならない)。
細菌ダイレクト検査は、2006年が22.2億円(前年比118.7%)となり、2007年が24.7億円(前年比111.3%)を見込んでいる。
細菌ダイレクト検査は、検査キットによって直接簡易に菌種を同定する検査。主な検査項目はA群連鎖球菌、カンジダ菌、CD菌、レジオネラ菌など。2006年の市場は22.2億円で、細菌検査市場に占める割合は3%弱ときわめて小さいが、伸び率は前年比18.8%増と高い。
細菌ダイレクト検査は、数年前にウイルス検査分野でインフルエンザ抗原の検査キットが発売され、瞬く間に100億円強の大ヒットとなったことが市場拡大のきっかけとなっており、その波及効果でA群レンサ球菌をはじめとする検査キットが伸びている。インフルエンザ抗原検査の普及によって、これまで院内実施することのなかった診療所などが、自施設内での検査実施の有効性を認めた結果といえる。検査結果を迅速に患者に伝えることは、患者サービスの1つであり、これによって患者との信頼関係の向上へもつながっているという。2006年~2007年にかけ、各社からA群レンサ球菌やレジオネラ菌、CD菌の新製品の投入が相次いでいることもあり、今後もさらに市場が拡大していくと予測される。
肝炎ウイルス検査は、2006年が251.7億円(前年比101.6%)に達し、2007年が256.0億円(前年比101.7%)を見込む。
肝炎ウイルス検査は、C型肝炎やB型肝炎など、肝臓の炎症疾患の原因ウイルスを特定する検査。その市場規模は、ウイルス検査市場の55.4%を占めており、2006年は前年比1.6%増の251.7億円となった。肝炎ウイルス検査は普及しきっており、ほぼ飽和状態にある。肝炎ウイルス検査の60%強を占めているのがHCV抗体検査。特許によってオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックスが市場を独占するが、特許切れによって新たな企業の参入が予想されるため、将来的に市場はシェア獲得競争が激化する可能性が高い。2007年は前年比1.7%増の256億円と見込まれる。
[小売価格]
A4判 225頁:10万5000円
本体+CD-ROM:11万5500円
(すべて税込)
●調査対象[PDF]
富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
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