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2010年03月31日

富士経済、健康美容食品市場の調査、サプリメントが健闘し全体市場は1兆7939億円に

 富士経済は、今年1月から2月にかけて、健康美容食品(H・Bフーズ)調査全体を総括分析した。その結果、サプリメントが健闘し全体市場は1兆7939億円(前年並)となった。サプリメントは、08年比プラス6.4%の1353億円、10年にはほぼ1400億円と予測している。注目成分としては、アスタキサンチン(美肌効果)が08年比プラス52%の19億円。難消化性デキストリン(生活習慣病予防)が08年比プラス37%の69億円。ゴマペプチド(生活習慣病予防)が08年比プラス17%の53億円となった。なお、詳細を報告書「H・Bフーズマーケティング便覧2010 No.3 -総括編-」にまとめた。

 富士経済は09年8月から健康美容食品市場を調査し、味覚を重視する「健康志向食品(明らか食品・ドリンク類)」と健康美容の効果を重視する「機能志向食品(健康食品・サプリメント)」市場について09年10月23日と09年11月27日の2回に分けて発表して来た。なお、富士経済は、各種ビタミン・ミネラルを取り揃えてシリーズ展開するサプリメントを「シリーズサプリメント」として報告書をまとめているが、ここではサプリメントと記述している。

 09年の健康美容食品市場は1兆7939億円とほぼ前年並みになったと見込む。広告表示を規制され、大型のヒット商品や成分が登場しにくい環境の中で成分認知度が高く効果を体感しやすい訴求効能分野が好調で市場全体を牽引した。またサプリメントが前年比6.4%の高い伸びで健康美容食品市場全体が微増に転じる要因となり、明らか食品、ドリンク類、健康食品も減少を小幅に留めて下支えした。4種の健康美容食品の内、09年の販売構成の66%を占めるドリンク類と明らか食品にはヒット商品がなかった。ブームのような激しい需要変動がなくなっているだけに、発売から2、3年目以降もしっかりと定着するロングセラー商品を育成することが課題となっている。サプリメントは、09年の販売構成の8%を占めるに過ぎず最小規模ながら、サントリーグループ、DHCなどの大幅な実績拡大が高い伸びに貢献している。20の訴求効能の内、12分野が減少して低迷が続く見込みながら、増加する分野が前年よりひとつ増え、5%以上の大幅な減少は1分野だけとなり、低迷市場に歯止めがかかった模様である。

 03年から6年間で大きく伸びた訴求効能は、肝機能改善(伸長率235%)、アイケア(同199%)、美肌効果(同153%)、リラックス(同149%)、覚醒効果(同129%)、栄養バランス(同128%)などである。これらはリピート需要の定着と新規顧客の開拓が噛み合って、高い伸びとなっている。

 08年と比べた09年の注目成分について見ると、化粧品でのヒットで美肌効果の認知度が高まるアスタキサンチンが最大の伸び(前年比152% 19億円)と見込まれる。そのほか生活習慣病予防の難消化性デキストリン(同137% 69億円)やゴマペプチド(同117% 53億円)、滋養・強壮の伝統食品であるスッポン加工食品(同111% 35億円)などが小規模市場ながら需要の裾野を広げており、今後の成長が注目される。

 販売規模の比較的大きい分野の伸びでは、09年も1000億円を超すカルシウム(骨・関節サポート)が前年比106%と好調である。次いで美肌効果のコラーゲン(456億円 113%)、アイケアのブルーベリーエキス(同113% 389億円)、肝機能改善のウコン(314億円 105%)、そして美肌効果のヒアルロン酸(307億円 106%)などと見込まれる。

 販売チャネルは、09年、薬局・薬店ルートの販売実績がわずかながら回復に向かい、好調に伸び続ける通信販売にプラスして全体の伸びを実現したと見られる。量販店、CVSの販売実績の減少が続く要因は、大規模市場の明らか食品・ドリンク類にヒット商品がなかったうえに「エコナ」の販売自粛が大きい。ヒット商品が少なくなり、PB食品の台頭やゼロ訴求食品・飲料の増加など健康美容食品以外の販売環境の変化の影響を受けている。

 09年に伸びた販売チャネルは、通信販売、薬局・薬店の2チャネルで、通信販売は3.5%増と08年に続いて増加し、10年にかけても2%程度の成長が予測される。通信販売の79%を占める健康食品・サプリメントが、09年の前年比104.5%と好調であったことがこのチャネルの実績増加の大きな要因である。サプリメントを展開する企業の新規顧客開拓が成長の要因となっており、リピーターの囲い込みと両面展開により拡大が続いている。あらゆる企業がチラシ、インフォマーシャル、TVCMなどを活用して顧客開拓を進めており、特に骨・関節サポートでは新規参入企業の増加による競合が激化している。他の訴求効能でも伝統素材での需要の掘り起こしを行ない、需要回復に成功している企業も見られ始めており、通信販売はさらに成長が期待できるチャネルである。

 薬局・薬店は構成比の約6割を占める明らか食品・ドリンク類が減少したが、健康食品・サプリメントでの美肌効果の好調持続、ダイエットの回復、骨・関節サポートの大幅増などが牽引して前年比100.6%になっている。

 訪問販売はネットワーク販売が主体となっているが、会員の減少が続き組織力が低下して実績減少に歯止めがかからない。近い将来には通信販売が健康美容食品市場で第二の実績を持つチャネルとなる可能性が高くなって来た。

 注目される健康美容食品の市場として、美容市場(主な対象は、ビタミンC、コラーゲン、ヒアルロン酸、コエンザイムQ10、大豆イソフラボン)は、09年が1829億円(08年比103.8%)と見込、10年が1850億円(08年比105.0%)と予測する。健康美容食品による美容訴求はビタミンCの体内からの美を提唱する企業の動きが本格化し消費者に定着した。その後コラーゲンの効果感の口コミによる広がりも見られ、ヒット成分不在といわれる近年の健康美容食品市場環境下で、新規参入が相次いだことと高い注力度での展開によって好調に規模を拡大し、コラーゲンが牽引して増加が続いている。

 ビタミンCは成分認知度が高く販売実績が最も大きいが、訴求力が低下して販売は縮小し続けている。コラーゲンは体感効果の高さが最大の武器となり需要開拓が進んでおり、08年に400億円を突破した。明治製菓、資生堂グループをはじめ参入企業の積極展開によって、市場は依然高い伸びを続けている。ヒアルロン酸は高単価の商品が多く、中高年富裕層をターゲットとしていることから、アンチエイジング素材としての位置づけも高くなっている。市場は「皇潤」のエバーライフが圧倒的なシェアを誇るが、「ヒアルロン酸コラーゲン」を展開するキューサイもシェアを伸ばしている。コエンザイムQ10は幅広い訴求効能による展開がなされている成分であるが、資生堂グループ「Q10」シリーズをはじめ美容訴求を重視する商品も数多く見受けられ、市場定着に向けたステージに入りつつある。

 伸び悩みの健康美容食品市場で、順調に拡大しているコラーゲンやヒアルロン酸への注目度は高く、今後も美容市場を牽引してゆくことが期待される。

 アンチエイジング市場(抗酸化や内臓、循環器、代謝に関する分野を対象にし、感覚器官を除く)では、09年が5301億円(08年比102.7%)を見込、10年が5168億円(08年比100.1%)と予測する。対象成分は生活習慣病予防、肝機能改善、骨・関節サポート、ホルモンバランス分野の成分と、免疫賦活作用市場のβ-カロチン、プロポリス、霊芝、アガリクス、エキナセアと美肌効果のコラーゲン、ヒアルロン酸、アスタキサンチンとする。

 “アンチエイジング”という言葉が定着すると、美肌効果や骨・関節サポートに限らず生活習慣病予防、ホルモンバランスなど様々な分野の商品が投入されるようになり、健康美容食品市場に占めるウエイトは3割近くに及んでいる。美肌効果や骨・関節サポート分野での需要開拓がアンチエイジング市場の拡大に寄与した。10年にこの市場の縮小が予測されるのは生活習慣病予防の花王「エコナ」が販売自粛となった影響であり、美肌効果、骨・関節サポート分野は引き続き好調な推移が予測される。高齢者人口の増加に伴い、アンチエイジングを訴求した商品に対するニーズは確実に拡大することが見込まれ、適切かつ継続的な商品提案や啓発活動、需要拡大に向けた販促活動が市場を拡大すると考える。

 関節対応市場(主な対象は、カルシウム、グルコサミン、コラーゲン、ヒアルロン酸)は、09が2246億円(08年比108.0%)を見込、10年が2289億円(08年比110.1%)と予測する。骨強化や関節痛対応の分野をまとめた。健康な生活を送るうえで骨や関節は重要な部位であり、年とともに不足しがちになるカルシウムの摂取を目的とした乳飲料やサプリメントが早い時期から商品化されて来た。昔からカルシウムは骨強化の成分とされて来たが、2000年代に入ると、関節やひざの痛みに対応した成分としてグルコサミンやコラーゲン、ヒアルロン酸などが認知されるようになり、体感効果の高さからトライアルユース促進が着実にリピーターの確保につながり需要を開拓した。08年には2000億円を突破、その後も成長を続けており、低調な推移の健康美容食品の中で、好調な領域となっている。なかでもカルシウムは消費者に必要性が十分認知されて、1000億円を超える規模を誇っている。

 09年はカルシウム強化の乳飲料が好調であったことや09年3月に発売された骨粗鬆症のリスク低減を訴求した特定保健用食品「マジックカット フィッシュソーセージCaトクホ」(マルハニチロ食品)が好調であったことから拡大が見込まれる。コラーゲンは美容効果の強い成分に位置づけられるが、膝関節などの軟骨細胞への効能も認知されており、トータル的なアンチエイジング成分としてユーザーが増加しつつある。グルコサミンは膝の痛みなどに対応する成分と認知され、体感効果の高さからリピーターも順調に増加している。健康食品やサプリメントが主体であるが、宅配ルートで展開されている乳飲料も高齢者をターゲットに着実に成長しており、関節対応成分の位置付けが高まっている。

 この市場は高齢者のニーズ拡大と体感効果の高さによって、リピーターの育成も順調に進み、今後も好調な推移が期待できる。好調な市場への参入が相次ぎ、市場はいっそう活性化するが競争も熾烈化しつつある。差別化を意識した戦略構築が必要であり、多様な成分を配合した複合タイプ商品が勢力を伸ばして行くと考える。

[調査対象]
健康志向食品調査(No.1)および機能志向食品調査(No.2)で調査を行なった20効能分野
 1.滋養・強壮、2.肝機能改善、3.美肌効果、4.整腸効果、5.ダイエット、6.生活習慣病予防、7.免疫賦活作用、8.血行促進、9.栄養バランス、10.骨・関節サポート、11.覚醒効果、12.貧血予防・改善、13.喉の不快感除去、14.虫歯予防、15.エチケット、16.アイケア、17.マルチバランス、18.ホルモンバランス、19.リラックス、20.グリーンチャージ
[調査方法]
富士経済専門調査員による調査対象企業および関連企業・団体などへのヒアリング調査および関連文献、社内データベースを併用
[調査期間]1月から2月
[小売価格]10万5000円
No.1・No.2セット:18万9000円
全巻セット:28万3500円
(すべて税込)

調査報告書の目次[PDF]

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/


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