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2008年01月30日

富士経済、機能志向食品の効能・効果16分野市場調査、04年・05年のブームから収束に向かうダイエット・生活習慣病予防市場

 富士経済は、昨年10月~12月にかけて、健康・美容に良いというコンセプトの食品(H・Bフーズ)のうち、機能を重視した「健康食品」と「シリーズサプリメント」を効能・効果面から16の分野に分類し、その動向を調査した。その結果、04年、05年のブームから収束に向かうのがダイエット、生活習慣病予防市場で、10年にわたり安定成長するのが、美肌効果、視覚改善作用、骨強化、滋養・強壮、マルチバランスの市場である、などの点が明らかになった。なお、詳細を報告書「H・Bフーズマーケティング便覧2008(No.2)」にまとめた。

 「健康食品」と「シリーズサプリメント」によって構成される機能志向食品の06年市場規模は6111億円(前年比96.5%)、07年は6027億円(前年比98.6%)と2年続きの減少が見込まれる。しかし、08年は前年から0.3%増の6048億円になり、下げ止まると予測する。

 07年の健康食品業界は、前年に続き厚生労働省の健康食品に関する規制強化の動きが顕著であった。ファンケル、DHC、小林製薬の商品に対して、いわゆる“4・13事務連絡”による、効果・効能を暗示・想起させる表現をやめるよう指導が行われ、結果として商品名変更を余儀なくされたことで業界に大きな波紋を呼んだ。背景には、05年~06年にかけて健康食品の信頼性・安全性に関わる問題が発生したことがあげられ、業界としても“健康食品GMP”(品質管理基準)を定めて品質を保証しようという動きもみられる。ただし、薬事法を厳格に適用し過ぎると“食効”という考え方そのものの否定にもつながりかねないという批判もあり、改めて健康食品の法制化を求める声が高まっている。07年の機能志向食品市場はこうした動きを反映し、総じて低調に推移した。

 一大ブームを呼び起こした生活習慣病予防を効能とするコエンザイムQ10は、トライアルが一巡するとともに急速に需要が縮小しつつある。メタボリックシンドロームが話題になって参入企業が急増したカロリー調整食品も、競合激化と異業種を含めたダイエット需要の分散化によって市場が激変を余儀なくされている。また、ヒット商品が登場しても一時的なブームに終わることが多く、リピート需要定着が各社共通の課題であると指摘する。

 08年4月からは、40歳以上を対象とした特定健康診断の義務化がスタートする。この健診でメタボリックシンドロームや生活習慣病の予備群と診断された層には、未病目的の特定保健指導が義務付けられる。これにともなって、生活者の生活習慣病予防に対する関心が高まることが予想され、健康に対する意識、食生活改善に対する意識が高まれば、生活習慣病予防、ダイエット、栄養バランスなどの効能をもつ食品がH・Bフーズ市場を後押しする可能性は高い。引き続き潜在需要の顕在化とトライアル需要の囲い込みが業界共通の課題となり、各社のマーケティング力が従来以上に問われる局面に入ったとまとめている。

 トップの滋養・強壮効能は、807億円(06年比1.0%増)、ローヤルゼリー、にんにく食品が積極販促により伸びると予測される。次いで、マルチバランス782億円(同0.3%増)は、基本栄養素補給で貢献した位置づけが一段落、ダイエット768億円(同7.7%減)はブームが去って縮小、美肌効果694億円(同9.5%増)はエバーライフ「皇潤」、明治製菓「アミノコラーゲン」が市場けん引、生活習慣病予防663億円(同8.3%減)は宣伝規制の結果、と予測する。

 06年から2年間の最大の伸びは、美肌効果の9.5%増、視覚改善作用の4.9%増(367億円)、骨強化(274億円)が4.6%増と予測する。

 健康食品・シリーズサプリメントの効能別市場を1999年実績から2008年予測まで10年間の推移で捉えてみた。これによると、04年、05年にかけてブームで市場を大きく拡げ、その後収束に向かうダイエットや生活習慣病予防市場と、10年にわたり、安定して成長を続ける美肌効果、視覚改善作用、骨強化、滋養・強壮、マルチバランスの市場に分かれる。

 美肌効果分野は、2008年が694億円と予測する。06年から2年間で9.5%の拡大する。

 体内から肌をケアする、健康食品とシリーズサプリメントは化粧品同様に高い効果感が求められ、消費者のニーズに対して活発な商品の開発と市場投入が進む。ビタミンC、コラーゲンなどの単体成分商品は訴求力が次第に低下し、04年以降、増量、成分開発、複合成分化などが顕著になり、新商品投入が活発化している。07年も同様の商品開発が続き、ヒット商品となったエバーライフの「皇潤」、明治製菓の「アミノコラーゲン」が全体をけん引している。さらにファンケル、資生堂グループなど商品強化によって実績を伸ばす企業が増えて、市場が拡大したとみられる。美肌効果へ注力する企業が増えて競合が激化し、市場拡大は鈍化しつつあり、リピート需要を定着させ需要を拡大させることが課題となっている。

 06年実績2位のエバーライフは「皇潤」が03年の発売以来実績を拡大させ、ヒアルロン酸市場をけん引してきた。テレビCMの投下や顧客ごとに担当のオペレーターを配置するなどの顧客対応強化によって、高年齢層を中心に需要を拡大し、06年、07年ともに販売を伸ばしたと見込まれる。

 次いで、明治製菓は「アミノコラーゲン」の実績増加が続き、08年は美肌効果市場で10%を超えるシェアに達すると予測する。「アミノコラーゲン」の主力であるパウダータイプが食生活に取り入れやすいことや、効果感の高さによりリピート需要を獲得して増加が続く要因となっている。TVCM投下や店頭露出度を高めて認知度を高めていることも寄与し、07年も前年を20%上回る高い伸びと見込まれる。

 美肌効果商品は、主に働く女性をターゲットにした「アミノコラーゲン」などの商品群と、うるおい補給と関節痛緩和の両面を訴求し中高年層にターゲットを絞った「皇潤」などの2つのトレンドが続き、体内からの美容と健康の両面で需要開拓できる成分であることが強みであり、当面はこの流れが続くと考えられる。

 視覚改善作用分野は、2008年が367億円と予測。06年から2年間で4.9%の拡大となる。

 ブルーベリー、ルテイン、カシスなどの素材を中心に視覚改善を訴求した健康食品とシリーズサプリメントを対象とし、市場の大半がブルーベリー商品となっている。視覚改善作用市場としては、50歳を越える中高年の白内障などの眼疾患のリスクが高まり、従来の眼精疲労から今後は老化防止に起因したアイケアニーズへの広がりが見込まれる。

 2000年以降、臨床試験でも実証されたブルーベリーに含まれるアントシアニンの視覚改善効果が注目され、市場は大きく発展した。パソコンなどのOA機器の使用者が増えて目の疲れが注目され、ブルーベリー自体の人気が高まっている。1998年発売の「ブルーベリーアイ」(わかさ生活)を主力製品として、ブルーベリー配合の機能性食品が数多く上市されたことも成長の大きな要因である。機能の認知度も高く、安定した市場である。06年はブルーベリーの伸びに加え、明治製菓「カシスi」の錠剤と顆粒タイプが発売され、カシスを主成分とした商品も市場に上乗せされた。

 この市場は、人口動態面からも潜在的な需要の大きさが指摘されるものの、07年は表示を巡る騒動も影響し、主力のブルーベリー商品も一つの踊り場にさしかかり、全体としても伸びが落ち着き始めている。ここ1、2年はブルーベリーをベースにルテインやカシス、またアスタキサンチンなどの抗酸化素材を複合した商品が登場し、一層需要拡大につながっている。将来は、こうした組み合わせ商品が定着し、とくに中高年層においてアイケア目的の服用のみならず老化防止訴求などをすることによって裾野が広がる可能性があり、視覚改善作用市場を巡る商品開発が活発になることが期待される。

 骨強化分野は、2008年が274億円と予測する。06年から2年間で4.6%の拡大となる。

 カルシウム、グルコサミン、コンドロイチンなどを主成分として、骨の形成や関節痛対策を訴求する健康食品とシリーズサプリメントを対象としている。カルシウムは摂取不足の必須ミネラルと位置付けられ認知度も圧倒的に高いことから市場は安定している。また、中高年層の関節痛需要が進む現在、グルコサミン、コンドロイチン商品の需要が拡大しており、注目度の高い市場である。関節痛対策を訴求するグルコサミンは、体感性の高さから中高年層を中心に需要が拡大し、参入企業の商品の位置づけが一層高まって市場をけん引しており、07年もグルコサミンの実績の伸びにより、骨強化全体も市場が拡大した見込みである。高齢者層の増加という潜在需要の高さもあり、グルコサミンをベースに複合成分配合による機能性強化や利用シーン開拓を模索する動きも活発化しており、市場のさらなる活性化に向けた動きが注目される。

 ダイエット分野は、2008年が768億円と予測。06年から2年間で7.7%の縮小としている。

 栄養バランスを考慮し、摂取カロリーを低く抑えた食品として主に食事代替目的で使用される。この市場は、脂肪吸着排出や燃焼効果促進といった新機能素材が登場するたびにブーム的に市場を拡大させ、リピートユーザーを獲得できず翌年には失速する推移を繰り返してきた。01年以降は、カロリー調整食品の代表であるサニーヘルス「マイクロダイエット」が積極的な広告宣伝の展開と効果実感性の高さによって“ダイエッター”の支持を獲得し、他のダイエット食品のニーズを奪って実績を伸ばした。市場は2ケタ成長を続け、04年には1000億円を超す規模に達した。しかし、05年以降はキリンウェルフーズ(現キリンヤクルトネクストステージ)を始め、数多くの企業がカロリー調整食品市場へ参入して競合激化と低価格化も進行し、市場は大幅減少に転じている。07年もカロリー調整食品分野への参入ラッシュが続く一方で、エクササイズDVD「ビリーズブートキャンプ」のヒットに見られるように痩身需要が異業種にまで分散する傾向が顕著となっている。市場は引き続き大幅な減少が続く見込みである。

 今後は、美容要素と、生活習慣の改善による健康維持の2カテゴリーに分類され、とくに後者の健康維持としてのダイエットニーズは、女性層より男性需要の取り込みが図れるかどうかが、市場回復および潜在需要の顕在化に向けた大きな課題となってくると思われる。

 なお、健康美容食品(H・Bフーズ)は、健康(Health)の維持増進・回復の目的や美容(Beauty)目的で飲食する食品。すなわち、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品および期待されるイメージをもつ食品。また、法的区分上、医薬品・医薬部外品扱いのものは対象としない。

 健康美容食品(H・Bフーズ)の分類では、全体を、健康志向食品と機能志向食品の2つに分野に分けて、健康志向食品では、機能よりも味覚を重視した商品を、機能志向食品では、味覚より機能を重視した商品を集計して分析した。さらにこの2分野を以下のように4つに区分した。

 健康志向食品として、明らか食品では、一般加工食品と呼ばれる「通常の形態をした、日常的に食べられる食品」に機能成分を添加、強化して、商品の機能性を訴求する食品群を対象。ドリンク類では、明らか食品のうち、飲料分野に属するものは、医薬品/新・医薬部外品のドリンク剤と区分するために、本資料では食系ドリンクと呼称するものを対象。なお、特定保健用食品については、その食品を含む効能分野ごとに分析を行った。

 機能志向食品として、健康食品では、日本健康・栄養食品協会で定めるJHFA規格品に、規格外の健康食品でも違法性が明らかな成分を使用していないものも加える。シリーズサプリメントでは、健康食品のうち、単品の中心価格帯が2000円以下で、ビタミン・ミネラル類を中心にアイテムを各種取り揃えた健康食品(剤型は医薬品形状が主体)を「シリーズサプリメント」と呼称する。

 富士経済では07年8月~08年2月にかけて、健康美容食品(H・Bフーズ)の市場全体を調査しており、昨年11月に公表した健康志向食品に次いで、今回機能志向食品(07年見込でH・Bフーズ全体の約32%)を調査して報告する予定。

[小売価格]
A4判 238頁:10万5000円(税込)

報告書の目次[PDF]

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/

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