HOME >> 健康食品・医薬品関連ニュース >> 富士経済、一般用医薬品市場の調査、08年は新スイッチOTC製品の拡販が本格化
2008年04月11日
富士経済、一般用医薬品市場の調査、08年は新スイッチOTC製品の拡販が本格化
富士経済は、新薬効のスイッチOTC製品が相次ぎ、活性化が見込まれるが注目される一般用医薬品市場の調査を行い、5分野23品目の医薬品と医薬部外品について、07年まで7年間の市場データを基に08年~11年までの動向を予測した。その結果、2008年の注目市場として、総合感冒薬は新スイッチOTC製品の拡販が本格化し612億円(07年比104%)に、鼻炎治療剤は2つの新薬効スイッチOTC製品が牽引し169億円(07年比106%)に、禁煙補助剤はOTCパッチ剤登場で拡大が期待され63億円(07年比126%)に達するなどが明らかになった。なお詳細は報告書「一般用医薬品データブック2008 No.2」にまとめた。
08年2月の厚生労働省の医薬品販売などに関する検討会で、一般用医薬品を服用時の要注意度によって「第一類医薬品」「第二類医薬品」「第三類医薬品」と分類して表示することがほぼ決定。陳列方法も第一類は薬剤師が医薬品を展示棚から手にとって説明して渡す、いわゆるオーバー・ザ・カウンターを義務付け、第二類も、オーバー・ザ・カウンターに“努める”ことになる見通しとなった。一般用医薬品の販売制度は今回の法改正によって大きく変わり、単なる規制緩和だけではなくて、販売時にきちんと情報提供を行わねばならないという原則が打ち立てられた。
08年の一般用医薬品市場は第一類に移行するスイッチOTC製品が寄与して拡大すると見込まれる。“要薬剤師薬”として取り扱われる第一類は、スイッチOTC製品の受け皿として効果感の高い製品投入が活発化し、低迷する一般用医薬品市場を回復させる役割が期待される。
今回の調査品目では、総合感冒薬ではアンブロキソール塩酸塩が解禁され、エスエス製薬「エスタックイブファイン」、大正製薬「パブロンエースAX」が発売されている。総合感冒薬や解熱鎮痛剤などの主力薬効分野でターゲット層や効能を絞り込んだ新製品の売れ行きが好調で、また、禁煙補助薬ではパッチ剤(皮膚に貼る投薬剤)のOTC化が正式に承認され08年中にも製品投入が予定される。禁煙補助薬や催眠鎮静剤などの生活改善薬領域における各社の製品開発、市場参入意欲が高まっており、低迷が続く一般用医薬品市場に活性化の兆しが見え始めている。
総合感冒薬の07年は589億円(前年並み)に達した。08年は612億円(07年比103.9%)に達する見込みとなっている。
総合感冒薬は、鼻水、のどの痛み、せき、発熱など風邪の諸症状の和らげる目的に使用されるため、解熱、鎮咳、去痰、鼻炎などの成分が総合的に配合されている。このため、鼻炎治療剤、鎮咳去痰剤などと競合するが、併用・使い分けが一般的だ。近年、ライフスタイルの変化に伴って総合感冒薬は多様化し、風邪の引き始めや各種症状別に対応した総合感冒薬が登場し、家庭の常備薬だけでなくパーソナルユースを取り込み好調な伸びをみせている。今後市場を牽引するとみられるパーソナル製品は、風邪の症状部位だけでなく風邪のひき始めから、辛い症状を経た治りかけまでのその時々の症状別に新しい切り口で提案を行い、新たな需要を開拓する余地が高い。
07年は10月~12月の予防準備の時期にいきなり風邪、インフルエンザが流行して需要が拡大し、さらに対象となる層や症状を絞った製品によって顧客の選択肢が増えた。シーズン初めは順調に推移し、08年は効果の強さをアピールする新スイッチOTC製品の本格的な拡販によって、前年を上回る実績が見込まれる。
大正製薬は08年、「パブロンエース」シリーズにスイッチOTCの新製品を投入して、即効性を求める社会人層に働きかけて、ブランド全体を底上げしてゆく構えである。第一三共ヘルスケアは07年にゼファーマと統合。主力ブランドとして「ルル」と「プレコール」ブランドの差別化を徹底して新製品を投入し07年の実績を拡大した。06年に発売した「ルルアタックIB」がパーソナルユースを順調に開拓しており、ファミリーユース層をターゲットとする「新ルル-A」シリーズとの棲み分けに成功している。07年、武田薬品工業は、主力の「ベンザブロック」で風邪の各症状を覚え易いカラーパッケージを用いるアプローチによってユーザーの獲得をめざし好調に推移した。グラクソ・スミスクラインの「コンタック」ブランドは、07年に発売の「新コンタックかぜ総合」で20~30歳代にアプローチを図り、「コンタック」ブランド全体を牽引しており、高い伸び率で推移している。
鼻炎治療剤の07年は159億円(前年比116.1%)となった。08年は169億円(07年比106.3%)に達する見通しとなっている。
07年の鼻炎治療剤は、前年の需要が不調であった反動や、飛散開始時期が早まったうえ、06年11月以降相次いで発売された「ハイガード」などの持続性の高い新製品がプラス材料となり、市場規模は前年を大きく上回った。08年の花粉飛散量は例年以上と見込まれ、新製品の中でも07年11月に発売のノバルティス ファーマ「ザジテンAL」ブランドによって市場が活性化しており、引き続き拡大すると見込まれる。
ノバルティス ファーマは医療用成分フマル酸ケトチフェンを配合した内服薬「ザジテンAL鼻炎カプセル」と点鼻薬「ザジテンAL鼻炎スプレー」を発売して好調に推移しており、08年は上位5ブランド内に食い込む勢いを見せている。グラクソ・スミスクラインは06年12月に発売した内服薬「コンタック600プラス」が全体実績を牽引し、上位企業によるシェア争いが激化する中、シェア上昇が続いている。
スイッチOTC分野は、06年に大正製薬がフマル酸ケトチフェンを配合した内服薬を、エーザイも塩酸アゼラスチンを配合した製品を発売し、07年はこの2製品が寄与して前年比263.6%の29億円と大幅に拡大した。08年もスイッチOTC分野は41億円になると見込まれる。この2製品に加え07年11月発売のフマル酸ケトチフェン配合「ザジテンAL」ブランドが大幅に実績を拡大し、鼻炎治療剤市場におけるウエイトも20%を超える見込みだ。
従来、鼻炎治療剤市場は対症療法に終始しており、辛い症状に短期で服用するタイプが多かった。05年以降は、初期症状から長期間服用するタイプのスイッチOTC製品が登場しており、初期症状時の需要を取り込む上でもそうした製品特性を知らせてゆく必要がある。
禁煙補助剤は、07年が50億円(前年並み)に達し、08年が63億円(07年比126.0%)に達すると予測する。
武田薬品工業「ニコレット」によって形成され、同シリーズの単独市場となっている。08年2月末に薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会において、武田薬品工業「ニコレットパッチ」、大正製薬「シガノン」、ノバルティスファーマ「ニコチネルパッチ」のニコチンパッチ剤3製品のスイッチOTC化が承認され、製品発売が目前に迫っており、新製品投入、参入企業の増加による市場活性化が確実視されている。喫煙環境は、健康増進法施行に伴いオフィスや公共機関での禁煙環境整備が進んでいることや、たばこの増税など厳しさを増しており禁煙補助剤にとっては追い風となっている。禁煙促進に向けた流れは年々強まっており、一般用医薬品のパッチ剤が登場することで、ガム剤で取り込めなかった層への拡販が見込まれ市場は大きく拡大することが期待される。
耳疾患用剤の07年は5億円(前年比5倍)に達した。08年はその倍の10億円(07年比200%)に達すると見込んでいる。
耳疾患の症状の中でも耳鳴りは原因がさまざまで有効な対応策は少ないが、07年に小林製薬が血流を良くして耳鳴りの改善を訴求した「ナリピタン」を発売し、広告を通して耳鳴りの啓発を進め、一般用医薬品が認知され市場は大きく拡大した。また耳鳴りは心因性によるケースも多いと指摘されており、07年10月に発売された催眠鎮静剤の奥田製薬「奥田脳神経用薬Mパッケージ」が生薬配合による耳鳴り、めまいへの効能を訴求した。今後、耳鳴りへの一般用医薬品の対応策として催眠鎮静剤が台頭してくる可能性がある。
催眠鎮静剤は、07年が51億円(前年比104.1%)に達し、08年が49億円(07年比96.1%)に達する見通しとなっている。
催眠鎮静剤市場は、03年のエスエス製薬「ドリエル錠」をきっかけに睡眠改善訴求が新たな切り口として浮上し、この製品が牽引するかたちで市場拡大が続いた。「ドリエル錠」の市販後調査が終了し、07年に入ると塩酸ジフェンヒドラミンを主成分とする睡眠改善薬の発売が、大正製薬、グラクソ・スミスクライン、第一三共ヘルスケアなどから相次ぎ、需要獲得競争が激化している。
睡眠改善薬の話題性が高まり、店頭でもコーナー作りが進んで市場拡大に寄与したが、トライアル需要が一巡し08年以降は競合激化の影響が出て来ている。価格競争に陥ることが危惧され、リピートユーザーを育成定着させることが市場拡大の鍵となる。
各社とも服用し易さや吸収性、ターゲット設定などの面で差別化を図っているが、“一時的な不眠改善”というコンセプト自体が消費者に正しく浸透せず、手軽に買える睡眠薬という誤ったイメージが先行してしまうと、余り効き目のない医薬品という評価につながりかねない。参入企業は一般用医薬品としての睡眠改善薬の正しい使用目的、方法について丁寧に啓発していくことが顧客育成には必要であるだろう。
[小売価格]
A4判 229頁:9万4500円(税込)
富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
« 前の記事「千趣会、美容成分など配合の女性専用ダイエットシェイク「ベルボディ・ダイエット」を発売」へ
トップページへ戻る
【健康食品・医薬品関連ニュースの最新記事】
・富士経済、一般用医薬品市場の調査、08年は新スイッチOTC製品の拡販が本格化・千趣会、美容成分など配合の女性専用ダイエットシェイク「ベルボディ・ダイエット」を発売
・三菱樹脂、5月1日出荷分から錠剤・カプセル包装用シートの価格を値上げ
・キリンビバレッジ、DHAが手軽に摂れるリフレッシュ炭酸飲料「キリン 力水」を発売
・第一三共ヘルスケア、きりキズ・すりキズにベタつかない透明軟膏「マキロンsキズ軟膏」を発売
・タニタ、特定健診・保健指導にかかわる意識調査、受診対象者の認識はいまひとつ
・小林製薬、液体タイプの消炎鎮痛剤「アンメルツヨコヨコ フェルビナエースz」を地区限定発売
・第一三共ヘルスケア、痛みに効く2つの成分を同時配合した解熱鎮痛薬「サリドン Wi」を発売
・サッポロ飲料、梅の機能果実飲料「カラダにおいしい梅 梅の天然クエン酸」を発売
・[コラム]知っておきたいメタボ健診の意義
|食事・食材関連ニュース |菓子・飲料関連ニュース |健康食品・医薬品関連ニュース |睡眠関連ニュース |美容・化粧品関連ニュース |余暇・サービス関連ニュース |運動関連ニュース |マイライフ手帳データニュース(HDL調べ) |ライフ関連ニュース |生活・健康グッズ関連ニュース |その他ニュース




