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2007年10月04日

富士経済、特定保健用食品と有望な健康食品成分の市場調査、07年の特定保健用食品市場は3623億円に

 富士経済は、特定保健用食品と有望な健康食品成分・コンセプト市場の調査を6~8月にかけて行った。その結果、2007年の特定保健用食品市場は3623億円で、前年比3.7%増の見込みなどが明らかになった。なお、詳細は調査報告書「特定保健用食品&有望成分市場 2007」としてまとめた。

 健康食品市場は成熟期を迎えつつあり、素材の目新しさや話題性だけでは需要を確保することが難しくなっている。06年は、アガリクス問題、大豆イソフラボンやコエンザイムQ10の摂取上限値問題などに見舞われ、広告表現や商品名を巡っては規制強化の動きもみられた。一方で、メタボリックシンドロームの3要因(高脂血症、高血圧、高血糖)への対応や医療費の節減をするために未病向け健康食品の活用を模索する動きが徐々に強まり、中長期の需要が拡大する要因もみられ始めている。

 健康食品の安全性が取り沙汰されるなかで、安全性と健康効能をあわせもった食品・成分に人気が集まるのは自然の流れともいえ、既存素材を新たな切り口で商品化して需要獲得を目指す動きが当分続くとみられる。

 06年の特定保健用食品の市場は、わずかに前年実績を上回って3493億円となり、さらに07年は3.7%、130億円拡大すると見込まれる。特定保健用食品の表示許可商品は、1991年の制度発足以来着実に増加し、07年6月末現在、許可商品数689、承認商品数2の合計691となり、前年同月と比べ約100も増加した。

 特定保健用食品市場の06年は、訴求効能では、中性脂肪値改善、血糖値改善、コレステロール改善や、整腸効果のうちオリゴ糖(前年比18.1%増)などが高い伸びを示した。とくに中性脂肪値改善分野は、サントリー「黒烏龍茶」のヒットで、前年比24.1%と大幅に市場が拡大し、メタボリックシンドロームへの関心の高まりを裏付ける結果となった。また、コレステロール改善のマヨネーズタイプ調味料が順調に成長して日常の食事シーンに定着しつつある。

 07年には、中性脂肪値改善分野では味の素ゼネラルフーヅのボトルコーヒー「ブレンディ香るブラック」、サントリー「黒烏龍茶」の躍進が見込まれ、高血圧予防の分野ではヤクルト本社「プレティオ」、サントリー「胡麻麦茶」が売上を伸ばすと見込まれる。

 特定保健用食品の注目市場として、中性脂肪値改善(07年6月末現在の許可商品数 41件)は、2006年が688億円に達し、2007年が760億円(前年比110.5%)を見込む。

 花王が健康油「エコナ」で需要を拓き、今メタボリックシンドロームへの関心の高まりから市場が拡大している。03年には、花王「ヘルシア緑茶」が発売され、翌年、市場は600億円に達した。その後“緑茶戦争”で売上は急激に減少し、市場も縮小に転じた。06年は、サントリーがウーロン茶重合ポリフェノールを関与成分とした「黒烏龍茶」をヒットさせて市場も再び増加した。効果的メディアミックスの宣伝活動によって商品認知・機能認知が一気に高まっており、メタボリックシンドロームへの関心の高まりとあいまって、07年は200億円を超える売上が見込まれる。07年には、味の素ゼネラルフーヅがボトルコーヒー「ブレンディ香るブラック」を発売して、さらに市場拡大が見込まれるという。

 日清オイリオグループは、中鎖脂肪酸を関与成分とした健康油「ヘルシーリセッタ」と、この商品を原料としたファットスプレッド「リセッタソフト」(業務用)を展開し、07年は「ヘルシーリセッタ」のパッケージリニューアルとWebサイトの販促活動によってさらに売上拡大を狙っている。

 メタボリックシンドロームへの関心から中性脂肪値改善ニーズは今後も拡大が予測され、市場は順調な成長が見込まれるとのこと。ただし、このドリンク類は非特定保健用食品を含め競合が激しいこと、調味料類は一般食品との価格差が大きいことが安定した需要を確保する上でネックとなるとの見通し。商品価値や機能を浸透させ、価格に見合う差別化が継続的な利用を促すための課題であると指摘する。

 高血圧予防(07年6月末現在の許可商品数85件)は、2006年が95億円に達し、2007年が150億円(前年比157.9%)になると予測する。

 競合が激化して03年頃から減少し始めた市場は、05年に前年発売のヤクルト本社「プレティオ」によって再び上向いた。07年は、サントリー「胡麻麦茶」が「黒烏龍茶」に続いてこの市場でシェアを拡大する見込みで、ヤクルト本社「プレティオ」も量販店チャネルの販売開始によって、実績増加が見込まれる。

 高血圧予防市場は、量販店に販売チャネルを拡大したヤクルト本社「プレティオ」の拡販とサントリー「胡麻麦茶」の新商品効果による伸びと今後の競合推移による動向が注目されるとのこと。

 コレステロール改善(07年6月末現在の許可商品数102件)は、2006年が128億円に達し、2007年134億円(前年比104.7%)を見込む。

 02年に味の素製油(現・J-オイルミルズ)が「健康サララ」で、食用油のコレステロール摂取を気にする潜在需要を顕在化させ、日清オイリオグループ「ヘルシーコレステ」、味の素「ピュアセレクト サラリア」、キユーピー「ディフェ」などで勢いを増し、この市場は05年には前年比50%近く伸びて120億円を突破した。06年は、大豆イソフラボン摂取の上限値問題によって豆乳類が苦戦したが、「健康サララ」や調味料類は概して順調に推移し、市場トータルで伸び率は前年と比較して鈍化したものの増加が続く。06年、不二製油グループは、ヨーグルト「豆乳で作ったヨーグルト」と豆乳「おいしさスッキリ調整豆乳」、「大豆農場の調製豆乳」(宅配専用)を展開して、コレステロール改善市場でシェアトップとなった。

 「健康サララ」は、天然成分使用と特定保健用食品であることが支持され順調に伸長。味の素の調味料「ピュアセレクト サラリア」は、06年に発売した小袋タイプが個食対応や携帯性に優れることから、新しい利用シーン提案に貢献して好調に伸びている。

 需要開拓が一定レベルに達すると特定保健用食品というだけでは拡大を続けることが難しくなることも予期され、好調な推移の調味料類も、次なる価値を訴求する方法を用意することが必要な段階になりつつあると指摘する。

 有望成分・コンセプト市場は、有望成分としては野菜サプリメント、ノニ、コラーゲン、DHA、植物性乳酸菌、白金ナノコロイド、ブレンド雑穀、アスタキサンチン、ギャバ、グルコサミン、マカ、快眠訴求食品、食事型カロリー調整食品を加えた13品目を取り上げ、市場の現状と将来性について調査・分析を行った。

 07年に市場規模が拡大すると見込まれる成分は、野菜サプリメントの375億円、ノニの321億円、コラーゲンの316億円など。コエンザイムQ10のような目立った新規有望成分は登場していない。従来から存在する素材・成分を新たな切り口で商品化して需要を開拓した分野があり、今回はそのような市場に着目したという。

 有望成分・コンセプトの注目市場として、植物性乳酸菌は、2006年が109億円に達し、2007年が210億円(前年比 192.7%)になると予測する。

 90年代半ばに通信販売で登場し、06年に乳酸菌飲料や野菜飲料が相次いで発売されて市場が拡大。なかでも06年にカゴメが「植物性乳酸菌ラブレ」で40~50歳代女性の新規需要を開拓し、便通改善効果からリピート需要も順調で消費者の植物性乳酸菌に対する認知が急上昇した。07年は、大幅な実績増加が見込まれるという。

 キッコ―マンは、「ラクベジ」シリーズで果汁入り野菜飲料が人気を得ており、07年は大幅な実績拡大が見込まれる。参入メーカーが“植物性乳酸菌”の啓発活動を積極的に展開しており、新商品の投入がみられる注目市場であるため、今後も拡大が予想されるとの見解を示す。

 ブレンド雑穀の市場は、2006年が74億円に達し、2007年が93億円(前年比125.7%)を見込む。

 ブレンド雑穀は、アワ、キビ、黒米、赤米、ヒエ、ハトムギ、アマランサス、キヌア、など複数の品種をブレンドして、家庭で混ぜて炊き上げるタイプの商品。雑穀には、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養分が豊富なことや、それぞれの品種ごとに抗酸化作用、コレステロール低下、免疫力向上などの作用があるといわれている。ブレンド雑穀は各品種の炊き上がりの状態を均一にし、味のバランスなども改良して15種類以上の品種をブレンドすることを可能にしている。04年にハウス食品が15種、やずやが16種ブレンド商品を発売。07年には、ヱスビー食品が18種の商品を発表しており、今後はブレンドする品種数での差別化が進み競合が激化するとともに、市場拡大の可能性も高まるとみられる。

 はくばくは、06年に「十六穀ごはん」を発売し、精麦商品や「骨太家族」などの米飯関連商品の実績から量販店の販売ルートを確立して販売実績を高めた。07年に品揃えの強化と販促活動に力を注ぎ、好調な伸びが見込まれる。やずやは、07年にブレンド雑穀「発芽十六雑穀米」を発売しTVCM投下、チラシ、無料試食セットと商品の情報小冊子配布キャンペーンなどによって、販売実績を大幅に拡大する見込みとのこと。

 DHA(ドコサヘキサエン酸、略称:DHA。生体にとって重要な不飽和脂肪酸化合物)は、2006年が142億円に達し、2007年は151億円(前年比106.3%)に達すると予測する。

 DHAは、カツオやマグロの眼窩に多く含まれ、人間の体内で生成できないことから必須脂肪酸といわれる。脳の働きを良くする成分として認知度が一気に高まり、成分内容までよく理解された成分として発展してきた。すでに定着した成分であるが、高齢化が進む環境で、コレステロールや中性脂肪値改善、動脈硬化予防などの効能の再認識を促せば、さらに市場が拡大する余地があると指摘する。また、08年度から特定健診/保健指導の義務化によって、メタボリックシンドロームへの対策の必要性が高まることが必至であるだけに、この波を利用して市場を拡大することも可能との見解を示す。

 05年は、シリーズサプリメント事業を拡大するサントリーの中核商品として実績が伸び、06年もこの傾向が続いた。07年の市場拡大は、サントリーの続伸と05年に特定保健用食品「DHA入りリサーラソーセージ」を発売したマルハの実績増加が貢献するとみられる。

 この市場で30%を超えるシェアのサントリーは、「自然のちから DHA&EPA+セサミンE」を健康食品事業の主力商品「セサミンEプラス」に次ぐ商品に位置づけており、07年もこの両商品の好調な伸びが続く見込みとのこと。

[小売価格]
A4判 208頁:10万5000円
CD-ROM付:11万5500円
(すべて税込)

特定保健用食品市場および有望成分・コンセプト市場の規模[PDF]
報告書の目次[PDF]

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/

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