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2010年11月12日

森永製菓、ココアの飲用で中和抗体価だけでなくNK活性の増強も確認、インフルエンザウイルス感染予防に期待

 森永製菓は11月10日、ココアに関するセミナー「冬の脅威から身体を守る!ココアの健康機能」を開催した。同セミナーでは、ヒトによる臨床実験を実施し、ココア飲用による新型インフルエンザウイルスワクチン接種時の免疫賦活効果について最新の研究成果を発表したほか、埼玉医科大学総合医療センター 高度救命救急センター 准教授・研究主任の間藤卓先生が、臨床現場でのココアにまつわる最新エピソードを紹介した。

 研究発表に先駆けて、森永製菓 食品マーケティング部 ココア・飲料カテゴリーの村瀬光隆マネージャーが挨拶した。「『森永ミルクココア』は、1919年に国産初のミルクココアとして誕生。飲み方提案やターゲット別提案などを行うことでココア市場のけん引・拡大に寄与してきた」と、リーディングメーカーとしてココア普及に努めてきたという。「健康ブームによって一時拡大したココア市場は、ここ数年170億円から180億円程度で推移している。今年度は185億円という大きな目標を達成すべく、市場を盛り上げたい」と、再びココアマーケットが拡大するとの見方を示す。

 「ココアには、冷え性改善やピロリ菌に対する殺菌効果、テオブロミンによるリラックス効果などがあることを、研究から明らかにしてきた。今回ココアにおける新たな成果を発表することで、さらなるココアの魅力を感じ取って欲しい」と、ココアは私たちの健康増進に寄与してくれる飲料であると訴えていた。

 続いて、森永製菓 研究所の亀井優徳 分析研究室長が、「新型インフルエンザウイルスワクチン接種時の免疫賦活効果」と題した、ココアにおける最新の研究成果を発表した。「昨年の『抗インフルエンザウイルス効果を有するココア成分特定の試み』での研究では、少なくとも2種類以上の有効成分が存在することを確認した。一つは、ポリフェノール性として、分子量5万以上で糖やタンパク質と複合体を形成している中性ポリフェノールであることが示唆された。もう一つは、非ポリフェノール性として、分子量は5000から1万の範囲で、極性の高い非ポリフェノール性成分と重合度が高いと推定されるポリフェノール性成分が共存していた」と、昨年の研究成果を改めて紹介。「今年は『新型インフルエンザウイルスワクチン接種時のココア飲用による免疫賦活効果』と題し、マウスでのウイルス感染前のココア投与による有意な致死率抑制効果の要因が、ココアの免疫賦活効果である可能性を検証するためにヒトでの臨床試験を行った」と、今回の研究目的を説明した。

 「臨床試験結果の発表前に、免疫について解説する。免疫には自然免疫と獲得免疫がある。自然免疫は、すべての人に生まれながらにして備わっている免疫で、その一つがNK活性だ。NK活性はウイルス感染細胞やガン細胞を殺す働きがある。一方、獲得免疫はワクチンを接種した時や、感染症に感染した時に獲得する免疫で、その一つが抗体となる。今回は中和抗体、HI抗体について調べた。中和抗体、HI抗体は、ウイルスの感染を抑制する働きがある」とのこと。

 「臨床試験では、新型インフルエンザに罹患歴がない健常者に対し、ココア摂取群63名、対照群60名に試験を実施。ココア摂取群には当社のココア『カカオ2倍』を1日1杯お湯に溶いて午前中に飲用してもらい、それぞれの群の新型インフルエンザウイルス中和抗体価とNK活性を測定した」と、実施概要を紹介してくれた。「その結果、中和抗体価は両群ともに有意に上昇し、ワクチンの効果がほぼ同等であることが明らかになった。NK活性については、ココア摂取群の方が対照群に比較してより高く上昇することが明らかになった」と、今回ヒトによる臨床試験で得られた結果を報告。「この結果を総合すると、ココアを飲むことによって獲得免疫(中和抗体価)だけでなく自然免疫(NK活性)も増強するので、インフルエンザウイルス感染に対してより高い予防効果が期待できると考えられる」と、ココアの免疫効果がインフルエンザウイルス感染抑制につながるのではないかと、亀井分析室長は言及していた。

 さらに、埼玉医科大学総合医療センター 高度救命救急センター 准教授・研究主任の間藤卓先生が「臨床現場におけるココア飲用の効用」について講演を行った。「最初、チョコレートを食べている人は、傷が治るのが早く、感染予防にも効果があるといった予期せぬ出来事に遭遇してから、ココアやチョコレートの研究をスタートした」と、間藤先生がココアの研究を始めるきっかけを紹介。「その時考えたのが、ココアを医療の現場に使ってよいのかということ。ココアは、常識的な量を飲んでも害はなく、アレルギーもない。なおかつ服用しやすい。こうした点から、ココアは臨床現場に取り入れるには最適であった」と、ココアが臨床現場で用いられる理由を説明した。

 「当センターでココアを使った結果、傷を治す効果が期待できたり、便がよく出るようになったり、便のニオイも抑制してくれることがわかった。この効果は、当センターと森永製菓との研究による成果である」と、10年以上前から、森永製菓と間藤先生はココアについて様々な研究を重ねてきたという。「さらに、重症の感染症患者に対しての回復効果や、ピロリ菌の除菌効果、末梢血管の循環作用、脳の血管の老化を防ぐ効果がココアにあることがわかってきた」と、ココアの効果は多岐にわたるとのこと。

 
 「そこで、昨年風邪をひいた患者に4ヵ月間ココアを飲料してもらい、熱の上昇などを調べた。また風邪をひいていない人にも与え、その後風邪をひいたかなども調べた。その結果、風邪を抑制するという効果はあまりないのだが、風邪をひいても熱の上昇が抑えられ、症状が出る期間も短いことがわかった」と、ココアは風邪の発症抑制効果があるのではなく、発症しても重症化しにくいということが明らかになったと解説していた。「ココアの感染を軽減させる効果は、臨床的にもっと評価されてよいと思っている」と、ココアがもっと医療の現場で活用されてもよいのではないかという見解を示していた。

森永製菓=http://www.morinaga.co.jp/


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