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2008年06月11日

富士経済、清涼飲料40品目の市場調査、2007年の飲料市場は前年比2.1%増の5兆1403億円に

 富士経済は、炭酸飲料、嗜好飲料など清涼飲料40品目を調査し、2007年の結果と2008年の動向を分析した。その結果、2007年の飲料市場は前年比2.1%増の5兆1,403億円に達し、ミネラルウォーター類市場は4年連続2桁増で2007年に2613億円に達したなどの点が明らかになった。なお詳細を報告書「2008年 清涼飲料市場マーケティング要覧 No.1」にまとめた。

 2007年は、夏場猛暑の恩恵を受けた炭酸飲料や嗜好飲料が好調に推移したが、100%果汁飲料は、原料果汁高騰による値上の影響から需要が減少している。また、これまで清涼飲料市場を牽引してきたミネラルウォーター類は伸びが鈍化しているものの高成長を保っている。2008年は乳性飲料の値上げに続き、カゴメが果実・野菜飲料の値上げを発表している。原料調達がグローバル化する中、国内飲料市場は世界的な原材料価格上昇の波に巻き込まれ、先行きは不透明感を増している状況だ。
 清涼飲料市場は、2007年が5兆1403億円(前年比2.1%増)となり、2008年が5兆2341億円(前年比1.8%増)を見込む。

 果実・野菜飲料は、2007年に100%果汁飲料が値上げされ、量販店での特売が減少したことから、消費が減少した。野菜飲料は“一日分”訴求が弱まり、前年割れするメーカーも出ており、新たな需要喚起策が求められている。

 炭酸飲料は、猛暑効果に加え、「ペプシネックス」「コカ・コーラ ゼロ」などが“0(ゼロ)”カロリーや糖分“ゼロ”の切り口で需要が拡大。炭酸飲料は徐々に需要回復の兆しがでてきており、各社の注力度も高まってきている。

 乳性飲料は、カップ入りのコーヒー乳飲料が高成長を続け、また、カゴメの「植物性乳酸菌ラブレ」が好調を維持している。

 嗜好飲料では、缶コーヒーが、コアターゲットの年齢の上昇に伴い“微糖”需要が高まり拡大した。また、日本茶では上位2ブランド(「お~いお茶」、「伊右衛門」)は増加しているものの、市場は踊り場にあり、“プレミアム”などの新しい切り口による需要喚起が進められている。日本茶に替わって、ブレンドティや麦茶が夏場の猛暑によって大きく市場を拡大した。

 ミネラルウォーター類では、2007年後半からこれまでの2桁を超える成長に翳りがみられ、輸入ミネラルウォーター類は1桁の成長に留まった。2008年はサントリーとコカ・コーラシステムのミネラルウォーターの新工場が新たに稼動し、国産ミネラルウォーター類市場は高成長するとみられる。これまでの“輸入=パーソナル需要、国産=ファミリー需要”という棲み分けは曖昧になってきており、国産・輸入の垣根を越えた競争が激化するとみられる。

 機能性飲料は、機能性清涼飲料では飲用目的別に複数のサブブランドを立ち上げている「アクエリアス」が健闘しているが、全体では基幹ブランドが低迷している。2008年は、北京オリンピックが開催されることから特にスポーツドリンクに期待が寄せられている。

 ブームの終焉とともに大幅な減少推移となっていた豆乳類は、下げ止まりの兆しが現れてきている。

 調査対象の40品目(小分類も含む)のうち2007年に前年から10%以上成長した市場は11品目となった。トップ3は、殺菌乳製品乳酸菌飲料(ストレート)、麦茶、ゼリー飲料となっている。殺菌乳製品乳酸菌飲料(ストレート)は、カルピスの新製品「ザ・プレミアムカルピス」のヒット、麦茶は猛暑の恩恵を受けたこと、ゼリー飲料はスパウト付パウチ容器の食事代替タイプ、機能性訴求タイプを中心に需要が拡大していることが要因となっている。10%以上成長した市場のうち規模が1000億円を超えるのは、国産ミネラルウォーター類とブレンドティの2品目で、高成長市場は比較的市場規模の小さな市場が多い。2008年は、10%以上成長するとみられる市場は4品目にとどまっている。果汁飲料(果汁含有率50%以上100%未満)は2007年にコカ・コーラシステムが撤退し大幅に減少した市場に伊藤園が新規参入したこと、機能型ティードリンクは伊藤園の新製品「カテキン緑茶」の寄与、国産ミネラルウォーター類は上位2社(サントリー、コカ・コーラシステム)の新工場稼動による能力アップ、殺菌乳製品乳酸菌飲料(ストレート)は「ザ・プレミアムカルピス」の通年販売の寄与が主な要因となる見込だ。

 注目市場として、ミネラルウォーター類(国産+輸入)は、2007年が2613億円(前年比10.3%増)に達し、2008年が2900億円(11.0%増)を見込む。

 国産ミネラルウォーター類は、水道水の安全性への不安感から徐々に需要を拡大してきたが、最近はキリンビバレッジが調理用としての利用を推進するなど飲用以外の需要も拡大している。国産ミネラルウォーター類は、取水地に関わらず軟水が大半を占め、飲みやすいものの成分による差別化、高付加価値化は進まず、価格が最大のセールスポイントとなっている。量販店では家庭用の2LPETボトルが100円以下で販売されるなど、価格競争が激化している。

 輸入ミネラルウォーターは、ボトルデザインなどのファッション性が人気を集め、持ち歩きやすい500mLPETボトルのパーソナルタイプを中心に需要を拡大してきた。また、取水地によってマグネシウムやカルシウムなどの含有量の多い硬水や、発泡性のものあり、メーカーではそれらの特徴や、商品のブランドイメージを訴求するマーケティング活動を行っており、国産ミネラルウォーター類のような価格競争には陥らずに市場を拡大してきた。

 2006年までは、国産、輸入ともに2桁以上の高成長を続けてきたが、2007年の秋以降輸入ミネラルウォーター類市場の伸びが鈍化している。これまでの高成長の反動や国産ミネラルウォーター類で500mLPETボトルの販売が強化され、国産と輸入の棲み分けが曖昧になってきていることが要因の一つと考えられる。

 2008年に入り、国産ミネラルウォーター類では、サントリーとコカ・コーラシステムで新工場が稼動しており、2LPETボトルでの価格競争だけでなく、500mLPETボトルの販売の強化も見込まれ、輸入ミネラルウォーター類と国産ミネラルウォーター類の間での競争が激化するものとみられる。

 無糖茶系飲料(日本茶、ブレンドティ、ウーロン茶、麦茶、その他ティードリンク)は、2007年が8446億円(前年比3.1%増)となり2008年が8533億円(1.0%増)に達すると予測する。

 無糖茶系飲料は、近年急拡大を遂げた日本茶市場によって牽引され、2007年には市場規模8446億円となり、清涼飲料市場全体の中でも大きな地位を占めている。かつて無糖茶系飲料市場で最大の規模であったウーロン茶は、需要の流出を食い止めることができず、日本茶市場にその座を明け渡し、2006年にはブレンドティにも抜かれている。2008年は日本茶市場が拡大に転じることやブレンドティ市場が好調を維持していることから無糖茶系飲料の市場は拡大するとみられる。

 無糖茶系飲料市場において販売額1000億円を超えるブランドは、伊藤園の「お~いお茶」とコカ・コーラシステムの「爽健美茶」の2つであったが、2007年にはサントリーの「伊右衛門」がその大台を超え、3大ブランドで市場の40%以上を占めている。コカ・コーラシステムの「一(はじめ)」、キリンビバレッジの「生茶」、アサヒ飲料の「十六茶」が続いており、「生茶」と「十六茶」はそれぞれのメーカーの最重点ブランドとなっており、注力度も高い。また、サントリーの「黒烏龍茶」は2005年に投入した新しいブランドであるが、一気に拡大して2007年には8位になっている。

 炭酸飲料(コーラフレーバー飲料、透明炭酸飲料、果実着色炭酸飲料、乳類入炭酸飲料、ジンジャーエール、果汁含有炭酸飲料)は、2007年が5269億円(前年比2.0%増)に達し、2008年が5266億円(前年比0.1%減)を見込む。

 2007年は、コーラフレーバー飲料でサントリーが前年に発売した「ペプシネックス」やコカ・コーラシステム「コカ・コーラゼロ」の“ゼロ訴求”のプロモーションを積極的に実施した効果もあり、市場は前年を上回った。2008年も「ペプシネックス」、「コカ・コーラゼロ」や透明炭酸飲料「三ツ矢サイダー」「キリンレモン」、乳類入炭酸飲料「カルピスソーダ」等が市場活性化に寄与する見込みであるものの果実着色炭酸飲料、果汁含有炭酸飲料市場が縮小するとみられ前年を上回ることは難しい状況だ。

[小売価格]
A4判 364頁:13万6500円(税込)

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/

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