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2008年03月06日

富士経済、加工食品市場調査、08年の乳酸菌飲料はカゴメ「植物性乳酸菌ラブレ」が市場をけん引し240億円に

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、07年8月から食品産業界について調査を行っている。その第5回目の結果を報告書「2008年 食品マーケティング便覧 No.5」にまとめた。その中のトピックスとして、2008年は、乳酸菌飲料がカゴメ「植物性乳酸菌ラブレ」の市場けん引で240億円(前年比108.6%)に達する見通し。また、輸入ミネラルウォーター類は、発泡性やフルーツフレーバー商品が好調で1133億円(前年比108.0%)に達すると予測する。なお、この報告書では、果実飲料11品目、炭酸飲料8品目、乳性飲料10品目、嗜好飲料12品目、健康飲料9品目、その他飲料6品目、嗜好品13品目の7カテゴリー計69品目の市場動向を分析した。

 07年の果実飲料は、主要生産地の天候不順やバイオエタノール原料作物への転換などがあり、原料不足による原価高騰で100%果汁飲料では価格改定が行われ、果汁を原料に用いる飲料全般に影響を与えている。“一日分の野菜”をキーワードに急成長を遂げた野菜飲料ではトップ企業のカゴメが前年割れで市場は縮小となる一方、野菜入混合果汁飲料では積極的な商品投入や野菜の“色”をテーマにした商品がヒットするなど順調に成長している。

 炭酸飲料は、07年にコーラフレーバー飲料で糖分やカロリーをカットした「ゼロ」訴求商品が伸長しており、大幅成長した低果汁入炭酸飲料では「三ツ矢」ブランドを投入したアサヒ飲料の実績が急増している。

 07年の乳性飲料は、新規参入で活性化したチルドカップコーヒーと植物性乳酸菌飲料が売場拡大で大幅に伸び、殺菌乳製品乳酸菌飲料・ストレートでは、「ザ・プレミアムカルピス」(カルピス)が30代以上の男女という新たな年代層の需要を開拓したヒット商品となった。

 嗜好飲料は、日本茶(リキッドタイプ)が06年に続き07年もマイナス成長となり、新たな需要創出として製法や高級な茶葉を使用した“プレミアム”訴求の新商品が多数上市されている。一方、ブレンドティやウーロン茶(リキッドタイプ)市場は回復しつつあり、とくにウーロン茶でサントリー「黒烏龍茶」が07年も好調で市場拡大に貢献している。

 その他飲料は、ミネラルウォーター類が記録的な猛暑による特需によって、国産・輸入ともに2ケタの増加が見込まれる。発泡性やフルーツフレーバーを加えた商品により、差別化が図られている。

 嗜好品は、インスタントコーヒーで、07年に原料高騰を受け、08年には値上げに踏み切ると見られる。

 注目市場として、輸入ミネラルウォーター類は、2007年が1049億円(前年比119.7%)を見込み、2008年は1133億円(前年比108.0%)と予測する。

 輸入ミネラルウォーター類は、近年「ボルヴィック」(キリンビバレッジ)、「クリスタルガイザー」(大塚グループ)、「エビアン」(カルピス)の3大ブランドが市場をけん引している。07年は8月以降の酷暑によって、上位各社の主力商品は2ケタ増で、市場も前年比119.7%の1049億円が見込まれる。06年にトップシェアとなった大塚グループは、07年にTVCMの投下や自販機用容器の310mlPETから500mlPETへの切り替えなどで認知度向上と市場拡大を図った。しかし、キリンビバレッジが4月に発売したフルーツ感のあるミネラルウォーター「ボルヴィック フルーツキスレモン」の新奇性が消費者に受け入れられ大幅増となり、07年はキリンビバレッジがトップシェアに返り咲く見込みだ。08年も上位2社が前年比10%以上の伸び、サントリーやカルピスも引き続き実績増で、市場全体も前年比108.0%の1133億円が予測される。ミネラルウォーターにフレーバーや炭酸などを付加した商品にみられるように、今後は「ミネラルウォーター=水」という概念を超えた新しい飲料であることを強調するブランドが増加してくると思われる。

 乳酸菌飲料は、2007年が221億円(前年比117.6%)を見込み2008年が240億円(前年比108.6%)に達する見通しだ。

 乳酸菌飲料は、1cc当たりの乳酸菌数100万個以上、無脂乳固形分3%未満の商品を対象にしている。07年は、全国展開となったカゴメ「植物性乳酸菌ラブレ」が前年に引き続き躍進し、他の参入企業でも植物性乳酸菌を訴求した商品投入が増えた。トップブランドであるカゴメの「植物性乳酸菌ラブレ」は07年には市場の44%を占めるまでに成長している。森永乳業は3月に「マミー」、「コーラスウォーター」のパッケージリニューアルを行い、好調だ。上位2社が市場をけん引し、08年は前年比108.6%の240億円が予測される。植物性乳酸菌飲料のヒットで小売店の注力度が高まり売り場が拡大しているが、この効果が一巡した後は、乳酸菌の機能性を生かして性別・年代などでターゲット層を細分化した商品開発など新たな商品コンセプトが期待される。

 野菜入混合果汁飲料は、2007年が1354億円(前年比112.3%)を見込み2008年が1422億円(前年比105.0%)と予測する。

 野菜入混合果汁飲料は、野菜汁に果汁を加えた飲料を対象としている。果汁を加え、飲み易い商品とすることに成功し、順調に成長を続けている。07年は、カゴメは“色”をテーマにした「野菜生活100 紫の野菜」と「同 黄の野菜」が好調であり、他の商品の落ち込みをカバーし、伊藤園は「緑の野菜」、「植物性乳酸菌 朝から野菜」が好調で、実績増が見込まれる。キッコーマンも「ラクベジ」シリーズの「濃いラクベジ」、「ラクベジ 朝から野菜」が好調で、広告や販促にも注力した拡販が続伸に繋がる見込みだ。08年は市場の60%以上を占めるカゴメと伊藤園がそれぞれ5%以上伸び、全体市場は前年比105.0%の1422億円が予測される。参入メーカー、アイテムの増加によって市場内での競合は激しさを増すため、今後各社はブランド力の強化や業務用など新たな販路の拡大が不可欠と見られる。

 健康サポート飲料は、2007年が1289億円(前年比114.0%)を見込み2008年が1344億円(前年比104.3%)に達する見通しだ。

 健康サポート飲料は、食事代替や栄養補給を訴求したスパウト付パウチゼリー飲料、栄養成分や効果・効能を訴求した小びん・缶などの機能型ドリンク、食事代替の栄養バランスドリンクを対象としている。ここ数年はスパウト付パウチゼリー飲料の増加が続き、既に市場の半分近くを占めるまでに成長しており、小びん機能型ドリンクは減少している商品が多く、ボトル缶やペットボトルは増加という流れが顕著になっている。07年は「ファイブミニ」などの小びんドリンクの不振が続いているものの、森永製菓「ウイダーinゼリー」が大規模なプロモーションによって再拡大となり、ハウス食品の「ウコンの力」、「ニンニクの力」、「うるおい美率」、コカ・コーラボトラーズの「ミニッツメイド朝シリーズ」などの好調なブランドも多く、市場トータルでも高い成長が続き、前年比114.0%の1289億円が見込まれる。08年は、生活習慣病予防などの重視が市場の追い風となって、トップシェアの森永製菓を始め、他上位企業も06年の発売商品や07年発売の新商品が好調な企業もあり、市場は前年比104.3%の1344億円と予測される。

 ココア(リキッドタイプは含まない)は、2007年が157億円(前年比88.2%)見込み2008年が140億円(前年比89.2%)に達すると予測する。

 ココア市場はブームの反動で05年から縮小し、07年もこの傾向は続いており、各社とも低迷している。季節性の高い市場であり、売上は冬場に多くを依存するが、各社は夏場向けにアイスココアの商品開発と啓発を続け需要開拓を図っている。しかし、07年は記録的な猛暑によって、夏場需要の取り込みもままならなかったことも縮小要因になっている。トップシェアの森永製菓は春夏にアイス用「牛乳で飲むココア」で健闘し、明治製菓も「テオブロ」シリーズにアイス用や健康性を高めた新商品、リニューアル品を加えるなど、上位各社は新商品や他社商品との差別化、認知度の高いブランドのリニューアルなどを行うが、市場は縮小が見込まれる。引き続き大人向け商品、高品質商品、健康性商品などの開発や啓発活動を主軸とした展開が進められ、各社ではロイヤルユーザーの囲い込みを図っているが、プラス成長は困難とみられ、08年の市場は前年比89.2%の140億円が予測される。また、カカオ豆高騰によってチョコレートを値上げしているために、ココアも08年に価格改定が行われる可能性が高い。

 豆乳類・大豆飲料は、2007年が341億円(前年比85.3%)を見込み2008年が338億円(前年比99.1%)と予測する。

 JAS規格で定義される豆乳類(豆乳、調整豆乳、豆乳飲料)と、JAS規格の豆乳に該当しない大豆飲料を対象としている。05年頃から需要が一巡し、07年は06年の食品安全委員会によって摂取目安量の上限が定められた“大豆イソフラボン過剰摂取問題”が尾を引いており、マスコミへの露出も低下していることに加えて、好調な野菜系飲料に需要がシフトしているため市場はさらなる縮小が見込まれる。大豆イソフラボンは自然に摂取する量であれば問題が無いことは明らかで、今後も健康性のアピールは続けられるとみられるが、シェア上位の紀文フードケミファやマルサンアイ、日本生活協同組合連合会をはじめ、各社横ばいから微減と苦戦する企業が多く、08年の市場は前年比99.1%の338億円が予測される。当面は横ばいか微減での推移が続くが、豆乳の健康性の高さは万人が理解するところであるため、将来的には再拡大に向かう可能性も高い。

[小売価格]
A4判 215頁:8万9250円(税込)

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/

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