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2009年11月15日

ハートケア情報委員会、心臓と食をテーマに「浜内千波さんとお医者さんの“ハートケアクッキング”セミナー」を開催

 心臓病に関する情報提供を行っているハートケア情報委員会は、11月23日の「ハートケアの日」に先駆け、料理研究家の浜内千波さんを迎えたプレスセミナー「浜内千波さんとお医者さんの“ハートケアクッキング”セミナー」を11月13日に開催した。

 セミナーでは、まずハートケア情報委員会の委員で心臓血管研究所所長の相澤忠範医師がハートケア情報委員会の活動を紹介。「2005年に、がん・脳卒中・心筋梗塞の三大疾病のなかで最も関心のある病気を調査したところ、心筋梗塞は最下位であった。また、心臓に圧迫感や動悸を感じたとき、病院の検査を受けたという人は12%に満たなかった。こうした状況を受け、日本国内の死因の第2位でもある心疾患に関する正しい理解を広めることが必要だと実感し、2006年にハートケア情報委員会を発足した。委員会では、狭心症や心筋梗塞に関する情報提供を通して、疾患の予防、早期発見・治療、再発防止の実現を目指している」と述べた。

 設立から今年で3年目となるが、「2005年に比べて、今年行った調査では、三大疾病のうち心筋梗塞への関心度は19.0%に上昇し、脳卒中を上回った。また、病院の検査を受けたという人も28.0%まで増加してきた」と、委員会の活動によって着実に心疾患への意識は高まっているという。「しかし、未だに7割近い人が心臓に異常を感じても病院に行っていないのも事実。狭心症や心筋梗塞は、正しい知識に基づいた食生活の改善を行うこで予防できるとともに、早期発見・治療を行うことで大事に至らずにすむことを、このセミナーを通じて改めて訴えたい」と強調した。

 続いて、ハートケア情報委員会の委員で東海大学医学部付属病院教授の伊苅裕二医師が「日本と諸外国における心臓病治療の現状と最新治療」について講演を行った。「日本は平均寿命で世界第1位であり、その大きな要因として、世界に比べて心臓血管病の死亡数が圧倒的に少ないことがあげられる。死因となる疾病をみても、世界のほとんどの国では心疾患が1位であるのに対して、日本では死因の1位はがんで、心疾患は2位となっている。ただ、最近は、日本も食生活の欧米化などによって、とくに若年層で心臓血管病が増え始めており、この傾向を改善していく必要がある」と、心臓血管病が増加していることに警鐘を鳴らす。

 一方で、日本の治療技術が優れている点も強調。「心筋梗塞に有効な最新治療として、日本では冠動脈インターベンション(以下、PCI)が行われている。この治療は、カテーテルを使ってステントという金属を埋め込み、詰まった血管を広げるもので、心筋梗塞が発症してから少しでも早くPCIを行えば、症状を改善することができる。しかし、実際には、病院にたどり着く前に亡くなってしまうケースが半数以上を占めているのが現状。心臓に異常を感じたら我慢せずに、すぐに病院に向かって欲しい」と訴えた。

 講演の後は、料理研究家の浜内千波さんが登場し、「ハートケアレシピ大賞」の発表が行われた。ハートケア情報委員会では、9月1日から10月26日まで「我が家のハートケアレシピ募集キャンペーン」として、全国から「ハートケアレシピ」を募集。多数応募されたレシピの中から、久光智美さんの「鮭のきな粉ムニエル 和風ラタトゥイユ添え」が大賞に選ばれた。審査委員を務めた浜内さんは、「今回の応募では、料理研究家も顔負けのレシピがたくさん集まり、大賞の選考は悩みに悩んだ。その中で大賞に選んだレシピは、EPAなど豊富な栄養素を含んだ鮭と色とりどりの野菜を使っていて、非常に栄養バランスに優れている。また、鮭にまぶす小麦粉をきな粉に変えるなど、ちょっとした工夫にも感動した。家族の気持ちが華やかになるような一品に仕上がっている」と大賞レシピを評価。これを受け、大賞に輝いた久光さんは、「私の考えたレシピが、みなさんの健康に役立ってもらえればうれしい」と喜びを語っていた。

 次に、浜内さんと相澤医師、伊苅医師によるパネルディスカッションが行われ、「心臓病と食」をテーマに、食の専門家と医療の専門家それぞれの立場から意見が交わされた。

 相澤医師は、「心臓のためには、いかに多くの食材を、塩分を少なくして食べるかが大切。可能ならば外食は1日1食にしてほしい。私は、外食をするときには、行きつけの店を作って、減塩してもらうようにお願いしている。さらに、家では、ほとんど塩を使わないように心がけている。最初は馴染めなかったが、今では薄味に慣れてしまい、減塩が当たり前になった」と、徹底した減塩食が重要であると述べていた。

 また、伊苅医師は、心筋梗塞の治療を受けている患者に共通する食生活として、「とくに30代から40代の若年層の患者は、暴飲暴食で、タバコを吸って、お酒を飲んで、生活のリズムが悪いなど、典型的な不摂生をしている方がほとんど」と指摘。「血液検査をすると、悪玉コレステロールが多く、血糖値も中性脂肪も高いというケースが多い。以前の日本の食生活は、塩分が高くてもコレステロールは低かったが、最近では塩分もコレステロールも高いという、非常に悪いパターンになっている。そのため、塩分を控えるだけでなく、コレステロールを抑えることも重要」とアドバイスしてくれた。

 そして、浜内さんは、独身男性の食生活が乱れがちになることについて、「仕事で忙しい独身男性が、日常的に減塩料理を作ることは簡単なことではない。しかし、料理をしなくても、たとえば、ほうれん草にはしょうゆを使わずに鰹節を混ぜたり、ごま油を使うなど減塩の工夫はできる。こうした情報を、私たちやメディアが積極的に提供して、減塩の知識を共有できる環境を作っていくことが大切。また、家庭のある方は、奥さんと食材について語り合う時間をできるだけ多く作ってほしい。知識は必ず力になる」と、ハートケアのためには減塩に関する情報をもっと広く伝えていく必要があると訴えていた。

ハートケア情報委員会=http://heartinfo.jp/

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