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2008年05月28日
富士経済、惣菜向け冷凍食品市場の調査、CVS各社が注力する09年ホットスナック市場は2691億円に
富士経済は、成長を続ける惣菜市場で使用される業務用冷凍食品の市場を調査した。その結果、2009年予測では、鶏のからあげ・フライドチキンはCVSホットスナック需要拡大で、316億円(07年比115.3%)となり、CVS各社が注力するホットスナック市場は、2691億円(07年比115.7%)に達するなどが明らかになった。なお、調査の詳細は報告書「惣菜用冷凍食品市場の全貌」にまとめた。
外食市場が依然として停滞しているのに対し、惣菜市場は拡大を続けている。消費者の簡便志向や、共働き夫婦の増加に伴い食の外部化比率が高まっており、特に外食に比べ手軽な惣菜が需要を獲得している。一方で冷凍食品市場は、飛躍的な成長を遂げてきたが、ここ数年は少子高齢化などによって足踏み状態が続いている。さらに近年は、中国産の冷凍野菜から相次いで残留農薬が検出されたり、中国産冷凍ギョーザ事件が発生するなど、食の安心・安全を脅かす事案が多発しており、特に08年の市販用市場は大きなダメージを受けるとみられる。これに対して業務用市場への影響は比較的少なく、冷凍食品メーカーにとっては、消費マインドが上向かない市販用よりも業務用にチャンスが多いといえる。そこで今回の報告書では、惣菜用に使用される主要な業務用冷凍食品に着目し、その市場動向とメーカーシェア、ユーザー業態別構成比などを明らかにした。
惣菜向冷凍食品の動向として、まず、鶏のからあげ・フライドチキンは、2007年が274億円となった。2009年では316億円(07年比:115.3%)に達すると予測する。鶏のからあげ、フライドチキン、チキンナゲットなどを対象としており、チキンカツや焼き物(照り焼き、ローストチキンなど)などは対象外としている。中国、タイ、ブラジルなどからの輸入依存度が高い。
鶏のからあげ・フライドチキンは、給食やファミリーレストランを中心に幅広くメニュー化されている。しかし冷凍を使用せずに生肉を調理するケースも多く、また外食の不振による影響で、業務用の全体市場は低迷している。その中で惣菜向けは、CVS(コンビニエンスストア)の惣菜やテイクアウト弁当・惣菜を中心に好調で、ここ数年は特にCVS各社がホットスナックに注力していることから、その需要が急増している。
07年の惣菜向市場は前年比5.0%増の274億円となった。鶏のからあげが60%、その他(フライドチキン、チキンナゲットなど)が40%の構成である。メインユーザーは量販店で、その販売額は惣菜向市場の40%強を占めるが、店内調理が徐々に増加していることやCVSに顧客を奪われて縮小が続いている。一方量販店に次ぐユーザーであるCVSではホットスナック向けの需要が増加しており、CVSへの販売額は急拡大している。08年には量販店とCVSへの販売額はほぼ同額になると見込まれる。鳥インフルエンザなどの問題の発生で市場は大きな影響を受ける可能性はあるが、今後もCVSのホットスナック向け需要が増加し、惣菜向市場は拡大すると予測される。
やきとりは、2007年が443億円に達し、2009年は429億円(07年比:96.8%)になると予測する。やきとりは、機械化の難しい串打ち作業に膨大な人件費を必要としたが、'90年代からハム・ソーセージメーカーや冷凍食品メーカー、商社が人件費の安価な中国で大量生産を開始したことで、量販店やCVSへ幅広く普及させることが可能となった。特に量販店では急速に普及している。
07年の惣菜向市場は、前年比0.7%増の443億円となった。その77%を量販店が占める。量販店ではバイキング式の販売方法で実績を拡大させてきたが、需要はほぼ一巡している。一方、07年で量販店の30%程度の実績であるCVSへの販売は、ホットスナック向けの需要が拡大し、伸びている。
08年は、鳥インフルエンザの影響はほとんど見られないものの、中国生産の依存度が高いやきとりの輸入を、多くの企業が中国産冷凍ギョーザ事件の余波で一時的に停止したことが影響し、惣菜向市場は前年比約4%減となる見込みだ。しかしCVSのホットスナック向け需要が拡大していることや、量販店でも需要は旺盛であるため、09年には再び拡大に向かうと予測される。
冷凍野菜は、2007年が247億円に達し、2009年が235億円(07年比:95.1%)になると見込まれる。冷凍野菜は、冷凍処理した農産素材品を対象としており、調理済みの商品や冷凍果実は対象外としている。
07年は世界各国で中国産製品による死亡事故が相次いで報道され、8月には中国産冷凍枝豆から残留農薬が検出されたことから、中国産冷凍野菜全体の信頼性が再び揺らぐこととなった。そしてこれまで好調に拡大してきた業務用全体市場並びに惣菜向市場は共に伸び率が鈍化し、業務用全体市場は前年比1.0%増の899億円、惣菜向市場も前年比2.5%増の247億円に留まった。
中国産品の度重なる不祥事に対し、冷凍食品メーカーは02年~03年頃からベトナムやタイ、インドネシアなどに生産拠点を分散化している。しかし未だ輸入量の多い中国産品の市場に与える影響は大きく、08年の業務用全体市場は前年比5%減が見込まれる。惣菜向けも量販店やCVSを中心とした需要が着実に拡大しているが、今年始めの中国産冷凍ギョーザ事件の余波による中国からの輸入の落ち込みが影響し、市場は前年比3%程度の縮小が見込まれる。ただし、中国サイドも北京オリンピックを控え検疫体制を強化していることや、ユーザーサイドもコスト面で中国野菜を使用せざる得ない実情がある。惣菜向けも、時が経ち“中国アレルギー”が薄れるに連れ、量販店を中心に、残留農薬問題が表面化した枝豆、ほうれん草、オクラなども回復してくると見られる。また、CVSが注力するホットスナック向けの需要もあるため、数年後にはプラスに転じると予想される。
ギョーザは、2007年が35億円に達し、2009年も35億円(07年比:100.0%)に達すると予測する
ギョーザは中華惣菜の人気メニューとして幅広いユーザーで使用されており、業務用全体で100億円近い市場となっている。外食向けがほぼ飽和であるのに対し、惣菜向けは量販店を中心に着実に伸びており、07年の惣菜向市場は前年比2.9%増の35億円となった。その市場の55%を占めるメインユーザーの量販店は、おいしさに加え「焼き目」や「パリパリ感」を訴求したものや一口タイプなど、これまでにない商品を投入している。
惣菜向市場は安定した伸びが続いていたが、08年は中国産冷凍ギョーザ事件の影響により一時的に需要が落込むとみられる。徐々に需要は回復しているものの、通年ではこの影響を回避できず、惣菜向市場は前年比約10%の縮小が見込まれる。ただし、事件以降の回復状況から判断しても、長期的な影響はないものとみられ、09年は07年並の市場に回復すると予測される。
注目市場の動向として、CVSホットスナックは、2007年が2325億円に達し、2009年が2691億円(07年比:115.7%)に達すると予測する。CVSホットスナックは、カウンターやレジ前で販売しているからあげ、フライドチキン、フライドポテト、フランクフルト、アメリカンドッグ、コロッケ、やきとり、中華まんじゅう、おでんなどであり、同様の商品でもデリカコーナーの商品は対象外としている。
あつあつの状態で販売するホットスナックは、気軽に出来立てのおいしさを味わいたいという消費者ニーズを捉えて市場が拡大している。当初はおでんなどが中心であり、各チェーンともメニューが少なかったために市場は小規模であったが、デリカコーナーに欠ける出来立て感を訴求できる差別化商品として各チェーンは注力し始めている。特に揚げ物は、揚げ立てのおいしさが伝わりやすく、ローソンは「からあげクン」、ファミリーマートは「ファミチキ」を手がけており、いずれもここ数年で実績を大きく伸ばしている。
07年のCVSのホットスナック市場は前年比3.1%増の2325億円となった。これはCVSデリカ全体市場の約12%にあたる。セブン-イレブンは07年の夏にフライヤーを300店に導入し、からあげやフライドチキンなどの販売を開始している。そして好調であるため、08年はフライヤー導入店を大幅に増やす計画をしている。これにより、08年のホットスナック市場はさらに拡大すると見込まれる。
各チェーンとも弁当や米飯類が停滞していることからもホットスナックへの注力度はますます高まっている。また、商品の品質や機械レベルの向上で量販店デリカと比較しても遜色なく、夕飯のおかずや、弁当とともにホットスナックを買うといったシーンも増加していく可能性もある。そのため今後市場はさらに拡大し、09年にはCVSデリカ全体市場の14%近くを占めるまでに成長すると予測される。
キット食材は、2007年が37億円となり、2009年が38.5億円(07年比:104.1%)に達すると見込まれる。複数の冷凍食材やたれ・ソースなどをセットにした商品を対象としており、チルド食材、常温食材のセットは対象外としている。
'90年代半ばから必要な食材のみを下処理してセット化し、調理工程も厳密に設定したキット食材が増加している。ユーザーは量販店である。調理を必要とすることから煩雑な作業は増えるものの、ただ温めるだけ、揚げるだけといった商品と異なり、おいしく、手作り感が高く、また、品質の統一化や標準化をしやすい点で、パート従業員に労働力を依存している量販店に評価されている。
07年のキット食材の市場は前年比2.8%増の37億円となった。様々なメニューが開発されキット化が進んだものの、冷凍食材よりもチルド食材の方が適しているメニューも多いため一部ではユーザーに支持されない商品もある。また、参入メーカーが増加し競合が激化したことに加え、少量多品種のメニュー構成となりコストメリットが得られにくく、注力度が低下したりあるいは撤退するメーカーもある。そのため、ここ数年市場は伸び悩んでいる。しかし量販店は限られた設備の中で調理を行っていく必要があり、消費者を飽きさせないためにも煮物や創作料理など様々な分野へメニューの幅を広げていかなければならないといった需要もあるため、キット食材の開発への期待は高まっていくとみられる。
[小売価格]
A4判 223頁:13万6500円
CD-ROM付:14万7000円
(すべて税込)
富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
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