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2006年12月05日

富士経済、加工食品市場調査(2)結果を発表

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、2006年8月から今年の食品産業界について調査を実施。その第2、3回目の結果を報告書「2007年 食品マーケティング便覧No.2、No.3」にまとめた。また、来年2月まで5回に分けて食品産業界の動向と今後の展望、有力企業のマーケティング分析などをまとめて順次報告する考え。

 国産ビール、国産発泡酒、ビール風味アルコール飲料(第三のビール)、プレミアムビール、ビアテイストアルコール飲料と関連するアルコール飲料を含めたビール関連市場の流れをみると、90年代、ビール市場は成熟して横ばいを続けていたが、94年に登場した発泡酒がビールに代わり実績を大きく伸ばした。2001年にはアサヒビールが発泡酒に新規参入してヒットさせ、ビール類の販売量はわずかに伸びたが、販売額は前年を超えなかったという。

 2003年には焼酎、チューハイ、ビアテイスト飲料などに需要を奪われて、ビール類は前年比93%に減少。2004年は猛暑の影響に加え、ビール風味アルコール飲料の市場が本格的に立ち上がり、発泡酒需要も取り込んで前年を大きく上回る販売量を記録した。しかし、ビール類の販売額は安価なビール風味アルコール飲料が増加したため前年を超えるには至らなかったとしている。

 2005年はキリンビール「のどごし生」、アサヒビール「新生」などビール風味アルコール飲料が新たに加わり活性化したが、発泡酒が前年比75.3%と大幅に縮小、ビールも微減となったため、販売額では95%と引き続き減少した。減少要因のひとつはメーカーから提案された新取引制度が導入された影響もあったと指摘。2006年は酒税法改正によりビール風味アルコール飲料が値上がりし、夏場の天候不順もマイナス要因となった。一方で、景気の回復とともに高付加価値のプレミアムビールの需要が高まっている。

 新取引制度の定着や酒税法改正などが市場に微妙な影響を与えているが、低価格のビール風味アルコール飲料市場の成長と、プレミアムビールの好調ぶりから、需要の二極化が鮮明になってきたという。チューハイなど栓を開けてグラスに移しかえず飲む低アルコール飲料(RTD)も市場がほぼ飽和しつつあり、ビール類からの需要流出も一段落した感があると分析。長期的には、さまざまな商品構成で需要を拡大しているRTD市場や焼酎に需要を奪われていくと見られるとしている。

 国産ビールの2006年は、1兆4134億円(前年比99.4%)を見込み、2007年は、1兆4002億円(前年比99.1%)と予測する。

 国産ビールは、97年以降、発泡酒に続きビール風味アルコール飲料の台頭で減少を続けて2006年の見込みは98年の販売額の60%を下回る。2005年は大手量販店をはじめ交渉が難航した新取引制度導入と、ビール風味アルコール飲料の伸びにより減少。2006年は税制改正にともない、国産ビールは350mlあたり77円で0.7%減税され、トップブランドの「スーパードライ」が前年クリアで推移していること、昨年新取引制度にともなう影響から販売競争を抑えていた反動もあり、市場は微減にとどまると見られるという。価格面ならビール風味、品質面ならビールといった棲み分けにより市場の縮小に下げ止まりが見られ、景気の回復もあり、市場が安定してくることが予想されるとしている。

 発泡酒は、2006年が4131億円(前年比85.8%)を見込み、2007年が3782億円(前年比91.6%)と予測する。

 1994年にサントリー「ホップス」の参入によって、ビールの代替として急成長を遂げてきた発泡酒。2001年にアサヒビールが4大メーカー最後の参入を果たして同年の年間販売量は200万klを突破し、日本における代表的なアルコール飲料として地位を固めた。2002年もキリンビール「淡麗」のサブブランドとして糖質70%カットタイプの「淡麗グリーンラベル」が投入され、初年度で1300万ケースを超える好業績を挙げた。「極生」に端を発した、各社10円値下げキャンペーンなどの活性策により、数量ベースで15%も増加。2003年の税制改正によって発泡酒が増税されたことと、冷夏が重なって市場は初めてマイナスに転じ、2004年はビール風味アルコール飲料が発売されて大きなダメージを受けた。

 2005年は新取引制度による影響、キリンビール、アサヒビールの参入によりビール風味アルコール飲料の市場が拡大したことが影響して大幅な減少を続けた。2006年5月の税率アップでビール風味アルコール飲料が値上げされ発泡酒との価格差が縮まって一時的に前年比をクリアしても勢いは続かず、通年では各社前年割れの推移を辿っており、今後も市場全体では減少が続くものと見られると分析する。

 ビール風味アルコール飲料(第三のビール)は、2006年が2965億円(前年比119.3%)を見込み、2007年が3336億円(前年比112.5%)と予測する。

 ビール風味アルコール飲料は「第三のビール」と呼ばれ、酒税法上、「リキュール類」や「その他雑酒」に分類される。ビールや発泡酒規格に属さない商品の開発が進められ2004年にサッポロビールが「ドラフトワン」、サントリーが「麦風」を発売したことに端を発する。「ドラフトワン」は大ヒットとなり半年余りで一気に一大マーケットを築いた。2005年はキリンビール「のどごし生」、アサヒビールも「新生」で追随し、大幅な躍進を果たした。

 「のどごし生」は大規模な宣伝活動を継続的に展開し、トップに踊り出る急成長をした。今年は酒税法改正でビール風味アルコール飲料は増税された。上半期はサッポロビール「ドラフトワン」が苦戦を強いられたものの、参入各社は「ぐびなま」、「ジョッキ生」など新商品を次々に投入するなど販売に最も力を入れており、引続き好調に実績を拡大していく見込みであるとしている。

 プレミアムビール は、2006年が783億円(前年比123.5%)を見込み、2007年が847億円(前年比108.2%)に達すると予測する。

 サッポロビール「ヱビス」が古くからレギュラー品と同様の認知度を維持しつつプレミアム性の高いブランド力を誇ってきた。2005年にサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」がビール部門で日本初のモンドセレクション最高金賞を受賞したのを機に、前年比200%超の実績を記録し、市場を牽引するまでに成長。また、サッポロビール、アサヒビールの商品も続伸して、トータルでは前年比8%増となった。

 市場はビール風味アルコール飲料など低価格ゾーンの市場が大きく伸びる一方で、高価格のプレミアムビール市場が活況となり、消費の二極化傾向が鮮明になった。2006年は参入各社が次々に新商品を投入して、贈答品向けの拡大や業務用市場の販売に注力する動きが目立っており、大幅な伸びを続けると見込んでいる。

 ビアテイスト飲料は、2006年が74億円(前年比89.2%)を見込み、2007年が77億円(前年比104.1%)に達すると予測する。

 1986年、宝酒造が「バービカン」を市場に投入したことに端を発する。ビールとの味覚差や商品訴求が消費者に十分伝わらず小規模のまま推移していた。2002年の道交法改正により飲酒運転の罰則が強化され、外食店やゴルフ場などの引きあいが増えて前年比倍増の64億円となった。2003年は市場の活況を背景にビールメーカーが一斉に参入して前年比倍増の132億円に成長。ビアテイスト飲料の需要は業務用にとどまらず、ビール・発泡酒の消費者などから“休肝日”向けの飲料、女性のダイエット目的に飲用されるなどの新たな需要創出が見られた。

 2004年に入ってからはブームが急速に縮小し、ビール・発泡酒などと比較して味覚面で厳しい評価を受けて市場は減少を余儀なくされた。2005年は各社とも再び需要を喚起するために商品のリニューアルや大々的なTVCMを積極的に展開。業務用の需要は減少が続くものの、一定のニーズを保つことが出来た。市販用の需要が大きく減少して、トータルでも実績を大きく落とすことになった。2006年は飲酒運転への取締りがますます強化され、レストランやホテルを中心に引き合いを強めており、業務用の回復により一定の需要を保つものと見込んでいるという。

 低アルコール飲料(RTD)は、2006年が1800億円(前年比101.8%)を見込み、2007年が1875億円(前年比104.2%)に達すると予測する。

 チューハイやカクテルドリンク、水割り洋酒をRTD市場(低アルコール飲料)とする。消費者のライト志向を反映し、参入各社が新規商品を次々に投入して市場が活性化し拡大を続けてきた。2001年にキリンビールが発売した「氷結」は“すっきり感”、“果汁感”が消費者から圧倒的に支持され、大ヒット商品となった。「氷結」は市場のトップブランドとなり、低価格チューハイはアルコール市場の中でも伸長余地のある市場として注力度が高まった。

 2005年は引続き各社の新商品の投入や販促活動によるマーケティングの大型投資の結果、市場は前年比106.3%に拡大。2006年はプレミアム商品の積極的な展開の他に、「サントリー チューハイ沖縄シリーズ」(サントリー)に始まった“地域”を切り口とした商品が好調だ。また、「カクテルパートナー」(アサヒビール)も引き続き伸びており、トップブランドである「氷結」が伸び悩みを示しているものの、市場全体では前年クリアが見込まれるとしている。

●調査結果の目次〔PDF〕

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/

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