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2008年04月09日
富士経済、2007年加工食品の国内市場調査、「ザ・プレミアムカルピス」のヒットで殺菌乳製品乳酸菌飲料が伸長
富士経済は、07年8月~08年1月にかけて5回に亘り29分野370品目の市場を調査し、それをベースに加工食品市場を総括分析した。その結果、「ザ・プレミアムカルピス」(カルピス)のヒットで殺菌乳製品乳酸菌飲料(ストレート)が07年対前年伸び率No.1(前年比44%増)となったことなどを発表した。なお詳細については報告書「2008年 食品マーケティング便覧 総括編」にまとめた。
今回の調査の結果、2007年が21兆6128億円(前年比99.5%)を見込み、2008年が21兆5838億円(前年比99.9%)に達すると予測する。
07年の加工食品(370品目)市場は21兆6128億円で対前年比99.5%と僅かに前年を割り込む見込みだ。全29分野の中で07年にプラス成長が見込まれるのは その他飲料、炭酸飲料、フローズンデザート、スナック菓子、スープ類を始めとする16分野。その中でも その他飲料は対前年比116%と、前年に引き続き最も高い成長を記録している。これは国産・輸入ミネラルウォーター類の毎年の安定した伸長が貢献しているとみられる。マーケットスケールランキングはビール類が2兆円を超える市場で突出しており、以下は缶コーヒー、パン、飲用牛乳と続く。07年の品目別対前年伸び率ランキング(販売金額ベース)では殺菌乳製品乳酸菌飲料(ストレート)が44.0%増で最も伸びた品目となった。全体的には、伸長率が上位となる品目には何らかの健康感や機能性を意識したものが複数含まれている。
2007年の注目トピックとして、チルド食品市場の動向としては、鮮度志向が強い顧客の満足度を維持するため小売業者のチルドへの注力度が高まっている。9兆円を超えるチルド食品市場は、ここ数年はほぼ横ばいで推移。その70%以上が市販用であるが、量販店では和洋日配を中心とした落ち込みが影響し、僅かに前年を下回るものの、CVSでは調理めん、調理パン、サラダ・惣菜などを中心として伸びており、市販用市場を牽引している。
ネットスーパーの市場動向として、お店に来られない顧客の需要を取り込むため2000年に西友がネットスーパーに参入して以来、イトーヨーカ堂、マルエツ、オークワ、紀ノ国屋などの参入が相次ぎ、07年にはユニーが参入を果たしている。参入各社は07年も対象エリア、取扱店舗数、取扱アイテム数を拡大。主力顧客層は30~50代女性で、夕食のための買い物を自宅まで届けてもらうという日常的な利用が中心であり、牛乳・卵・青果などが売れ筋となっている。今後の課題は受注から配達までの一連のオペレーションの効率化と運営コストの低減、店頭利用顧客層へのアプローチとなるが、高齢者ほどネット操作が難しくなり、利用者拡大の障壁となっている。
食の安全性に対する不安の拡がりとして、07年に起きた食の安全性に関する主な事件は、食品偽装や“中国産”食品によるものである。“中国産”食品については08年1月に起きた中国製冷凍ギョーザによる中毒事件を契機に、安全性に対する不信感から減少するとみられる。そのため今後は国産商品の価格が相対的により高まるとみられる。しかし、国産商品は中国産商品と比べてコストが高いため、これまでの中国産商品をそのまま国産商品に置き換えることは困難となる。
近年、急成長を遂げている中国に進出し、商品を販売する日本の食品メーカーが増加しつつある。一例として、キリンビバレッジは95年に炭酸飲料の製造販売開始が挙げられる。以来「午後の紅茶」や「生茶」など投入商品を拡大させている。07年には、中国において缶入りが主流であったミルクティーを、初のPETボトル入りで投入し大ヒット商品となっている。キユーピーは94年からマヨネーズの製造販売を開始している。以来ジャムや卵加工品、ドレッシングと投入商品を拡大させている。TVのスポットCMや屋外広告を投下するなど、プロモーション活動も進めている。ヤクルト本社は1964年の台湾進出を皮切りに08年のインド進出を含め、現在では海外30ヵ国で商品を販売している。中国に進出したのは02年で、以来現地で製造販売を行っている。
2007年の業界動向として、冷凍食品業界はマルハニチロホールディングスのスタート、日本たばこ産業、加ト吉、日清食品の冷凍食品事業統合発表(後に撤回)などのかつてない規模のM&Aが目立った。後半からは原料、輸送、包材などのコスト上昇や円安による原料輸入の不利などから、既に大半の大手企業が値上げをしている。販売金額(メーカー出荷ベース)が最も伸びた(06年比)冷凍ギョーザは、08年1月末に発覚した中国産冷凍ギョーザ問題によって、08年は市場の激減が予測される。他にもうなぎの蒲焼は中国産うなぎから抗菌剤の使用や残留農薬が度々検出されており大幅な減少を続けている。
農畜水産加工品業界では、中国産や韓国産の商品から寄生虫卵が検出された問題で国産ウエイトが高まったキムチは、06年秋ごろから07年前半まで輸入品の動きに回復が見られたが、夏に発生した中国産ウナギの安全性の問題から中国産原料への不信が募り再び国産に回帰している。煮豆、豆腐、なめ茸茶漬類、素材缶詰でも国産原料を使用した商品へのシフトがみられた。その中で販売金額が前年比5.8%増と最も伸びたのがポテト加工品で、ファーストフード向けに加え最近では各種中食業態、シネコン、スーパー銭湯などからの需要が拡大し好調である。
畜産加工品業界では販売金額が前年比5.9%増と最も伸びた品目が生ハムである。それに次ぐのが前年比4.8%増の冷凍から揚げである。冷凍から揚げは鳥インフルエンザの影響から脱却し回復基調にある。しかし08年1月に発生した冷凍ギョーザ問題で、中国産が多い冷凍から揚げも予断を許さない状況である。
水産加工品業界は古くから消費されてきた品目が多いが、食の多様化などに伴って大半が縮小している。07年もその傾向は変わらなかった。その中でサバ、イワシ、サンマなどを原料とした青魚缶詰がDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)の健康効果が最近再び注目されるようになり、販売金額は前年比3.3%増と最も伸びた。
菓子業界では、少子化による需要の低迷によってチョコレート、ビスケット・クッキー、ハード・ソフトキャンディ、ガムといった主力品目の減少が響き、スナック菓子や米菓が伸びたものの、菓子市場は微減したとみられる。また、原材料の高騰を受けて商品の値上げが大手や中堅企業でみられた。その中でグミキャンディは、ソフトキャンディでは表現しずらい新食感や新メニューが新鮮に映り、子どもと大人の両方の需要を取り込み販売金額が前年比19.9%増となった。
デザート業界では、チルドデザート、フローズンデザートの伸びがドライデザートの落ち込みをカバーし、伸びている。チルドデザートは、手作り風デザートを筆頭にチルドプリン、チルドゼリーの増加がプラス成長に寄与している。
調味料業界では、値上げや今後の値上げを発表した品目が多かった。07年以前から値上げを繰り返してきた食用油をはじめ、一部のメーカーではあるがつゆの素や風味調味料、マヨネーズが値上げを実施している。08年も味噌、ごま油、しょうゆ、コンソメ・ブイヨン(味の素)、スパイス類で値上げが発表されている。販売金額が最も伸びたのは食用油で前年比12.0%増となった。しかし需要が拡大しているわけではなく度重なる値上げの効果であり販売量はマイナスとなっている。
調味食品業界も同様に商品の値上げを実施した品目が多くみられ、調味食品では最大の市場規模を誇るインスタントカレーをはじめ、インスタントシチュー、インスタントハヤシ、パスタソース(一部商品)などが値上げされた。その中で販売金額が前年比5.6%増と最も伸びた炒飯の素は、味の素の新規参入、エスビー食品の新シリーズの発売が市場を活性化させて、3年ぶりに増加に転じている。
飲料業界では、最需要期の夏に記録的な猛暑の恩恵を受け、ミネラルウォーター類、炭酸飲料が止渇需要を獲得し拡大した。炭酸飲料では特にカロリーゼロ商品がヒット。無糖茶飲料では日本茶が減少したもののブレンドティ、麦茶の伸びが目立つ。販売金額が最も伸びたのは前年比44.0%増の殺菌乳製品乳酸菌飲料(ストレート)で、その市場に新規参入した「ザ・プレミアムカルピス」(カルピス)のヒットが貢献している。
酒類業界では、ボリュームゾーンのビール類、低アルコール飲料、ウイスキー、清酒などが減少し、焼酎乙類とワインは増加したものの、改正道路交通法施行の逆風もあり、酒類トータル市場は減少した。その中で伸びた品目はプレミアムビール、カクテルドリンク、スパークリングワイン、機能型ビール類などの高付加価値商品であった。
なお、今回の報告書では、加工食品市場を新たに業界別に分析した他、加工食品市場を取り巻く環境や有力企業50社のマーケティング戦略を分析。また、07年の注目トピックとして、チルド食品市場の動向やネットスーパーの市場動向などもまとめている。
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