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2008年08月08日

富士経済、業務加工用食品の市場調査、08年のマーガリン・ファットスプレッドは908億円に

 富士経済は、外食・中食などで使用される業務用と、食品メーカーなどで使用される加工用の食品市場を調査した。その結果、2008年見込みでは、マーガリン・ファットスプレッドが、バター不足の代替需要を受け908億円(前年比4.5%増)に達し、品質の高い冷凍スープの需要増、加工用途の需要創出でスープ類は159億円(前年比2.6%増)に達する見通しであることが明らかになった。なお、詳細を調査報告書「業務加工用食品マーケティング便覧 2008」にまとめた。

 この報告書では基本調味料8品目、応用調味料4品目、専用調味料9品目、素材・調味済み食品6品目、ステープル2品目、乳油製品6品目と、新たに業務用ソフトドリンクや調理加工用アルコールなどの飲料・アルコール10品目を加え、合計7カテゴリー45品目の国内市場動向を明らかにした。

 ユーザーは調理の簡略化に向かう業態と、こだわりと高付加価値訴求に向かう業態とで二極化している。調味料では、調理手間の簡略化を進めるユーザーの需要が増えたことで、基礎調味料に比べ加工度の高い専用調味料の需要が伸びた。一方こだわりと高付加価値を訴求する業態では本格志向によって高単価な基礎調味料を使用する傾向にある。乳油製品では、原料価格の高騰と原料不足により需給バランスが崩れ収益性が悪化している。また、飲料・アルコールでは、肉や魚などの素材に対するマスキング向けや大人向けデザートへの使用が増加している。業務用ソフトドリンクは市販用同様、僅かながら無糖・低カロリーのものが指向されている。なお、基本調味料のオリーブ油と素材・調理済食品の惣菜フィリングは、それぞれ食用油とサラダ類の内数のため集計から除外している。

 注目市場として、マーガリン・ファットスプレッド(乳油製品)では、2007年が869億円(前年比105.2%)に達し、2008年が908億円(前年比104.5%)の見込みとなっている。なお、JAS規格上のマーガリン(油脂含有率80%以上)とファットスプレッド(油脂含有率80%未満)を対象としている。

 マーガリン・ファットスプレッドは、バターと比較した割安感から着実に需要を伸ばしてきた。06年は秋にマスコミがトランス脂肪酸の健康問題を取り上げたことで、各社から低トランス脂肪酸商品の投入が相次いだ。07年の市場は、バター不足の代替需要を受け前年比5.2%増の869億円となった。特に原料価格の高騰に伴う値上げの影響で、金額ベースが数量ベースの伸びを上回っている。ユーザー業態は製菓・製パン向けが大半を占めるが、大口ユーザーではバターと比較したコストメリットからマーガリン・ファットスプレッドの利用率が高く、個人店やパティシエ系の小口ユーザーでは依然としてバターの使用率が高い。製菓・製パン向けに次ぐのが市場の約6%を占める冷凍食品メーカー向けで、洋風メニューやデザートに使用されている。08年もバター不足は続いていることから市場は拡大すると見込まれるが、原料価格の高騰は参入各社の収益を圧迫している。特定の用途に向けた専用の高付加価値商品などの開発によって収益面の改善が期待される。

 ドレッシング類(応用調味料)では、2007年が372億円(前年比101.9%)に達し、2008年が382億円(前年比102.7%)の見通しとなっているなお、JAS規格上の乳化液状ドレッシング、分離液状ドレッシング、半固体状ドレッシングのサラダクリーミードレッシング、ノンオイルドレッシングを対象としている。

 ドレッシング類は、サラダメニューの浸透と増加によって市場が拡大してきた。消費者のヘルシー志向によってサラダはあらゆる業態でメニュー化され、サラダの種類や食機会の増加に伴いドレッシング類のフレーバーや種類も多様化してきた。現在では、サラダ以外の料理の下味としても使用されるなど用途も拡大しており、メーカーサイドでもサラダ以外のメニュー提案を積極的に行っている。ヘルシー志向からマヨネーズ類の需要も取り込みつつ、07年の市場は前年比1.9%増の372億円となった。和風テイストやノンカロリーなどの健康訴求タイプが伸びている。ファミリーレストランなどではサラダバーを中心にノンオイルドレッシングの使用が増えている。居酒屋などの料飲店ではボリュームのあるサラダメニューが人気で、ドレッシング類の使用が増えている。また、学校給食では就学児童数の減少に加え、衛生面からサラダメニューが減少しているが、産業給食ではサラダが人気メニューであり、料理の下味としての利用なども増加している。CVSや量販店は中食の拡大で共に堅調に推移している。ヘルシー志向によるサラダの主菜化で、今後もドレッシング類の需要が拡大すると見込まれる。特に、カロリーオフタイプやノンオイルドレッシングといった健康訴求タイプのドレッシング類の需要がさらに高まると見られる。ドレッシング類は、具沢山の食材や高級感のある食材にマッチし、食感の良さなど、これまでの脇役から主役並みの存在感へと変化しつつある。また、料理の下味としての利用を始めとした多彩な使用法は新しい需要の獲得につながると期待される。

 スープ類(専用調味料)は、2007年が155億円(前年比102.0%)となり2008年が159億円(前年比102.6%)と予測する。なお、粉末・顆粒、缶詰、レトルト、アセプティック(無菌)充填、冷凍タイプのスープを対象としている。

 スープ類はファミリーレストラン、給食などを中心に底堅い需要がある上、近年はファーストフードや一部の惣菜店などでも採用が増えている。スープ類を重点メニューに位置付けるファーストフードなどでは、品質の高い冷凍スープを使用するケースもある。07年の市場は、前年比2.0%増の155億円となった。トップシェアの味の素が展開する鮮度にこだわった高品質の粉末商材がユーザーからの高い評価を得ており、また、「パンに練りこむ」「豆腐に練りこむ」といった風味付けとしての用途提案で、これまで実績がなかった加工用途の需要を創出し実績を伸ばした。08年も味の素の好調が続いている他、ファーストフードをはじめ、おいしさを追及し冷凍スープを採用する業態が拡がっていることから、市場は前年比2.6%増の159億円が見込まれる。

 業務用ミネラルウォーター類(飲料・アルコール)では、2007年が94億円(前年比109.3%)に達し、2008年が99億円(前年比105.3%)を見込んでいる。

 業務用ミネラルウォーターは、料飲店(クラブやバーなど)でのテーブルウォーターや宿泊施設(ホテルなど)の部屋内冷蔵庫など、多方面へ普及している。07年の市場は、前年比9.3%増の94億円となった。宿泊施設向けが市場の三分の一を占めており、近年は外資系ホテルの進出で需要も微増となっている。料飲店ではスナック業態が店舗数の減少から需要が落込んでいるが、バー業態では各社積極的な営業展開で横ばいとなっている。居酒屋業態は浄水器で対応している店舗が多く、需要は伸び悩んでいる。その他、高級レストランを中心にテーブルウォーターとしての需要が増加しているほか、大規模地震などに備え、官公庁や企業等が非常用保存水とする需要が拡大しつつある。業務用では、まだ有価飲料としての認知度は低く、また未だに料飲店の多くは浄水器等を使用していることから、市販用市場ほどの大きな伸びは期待できないが、一部のレストランや宿泊施設、災害時の保存水等でニーズが高まっており、08年の市場は、前年比5.3%増の99億円が見込まれる。

 調理加工用清酒・合成清酒(飲料・アルコール)では、2007年が60億円(前年比101.7%)に達し、2008年が61億円(前年比101.7%)の見通しとなっている。なお、量販店のバックヤード、外食、給食等で使用される調理用と、加工食品メーカーで使用される原料用の清酒・合成酒を対象としている。

 調理加工用清酒・合成清酒は、肉や魚の下処理や味付けに使用することで、素材のうま味を引き出し、柔らかくし、臭みをマスキングすることから幅広い用途に使用されるが、酒税の課税対象ではない発酵調味料(清酒タイプ)に価格面や機能面で押されており、コストに偏重する調理加工用途において、特に価格の高い清酒は苦戦していた。清酒と比べ価格の安い合成清酒は、発酵調味料と競合していること、「合成」表示を敬遠するユーザーが増加していることなどマイナス要素もあるが、規制緩和による酒類販売ルートの拡大によって業務加工用でも使用が拡がっており、外食やCVS・量販店の惣菜向けの中で本格志向のメニューが増えていること、食材の臭みをマスキングする需要が伸びていることから、07年の市場は前年比1.7%増の60億円となった。調理加工用清酒・合成清酒は、近年の和食回帰によって、つゆ・タレなどの和風調味料向けや和惣菜などの中食分野に安定した需要があるものの、燃料価格やあらゆる食材価格の高騰によってユーザーのコスト意識が高まっているため、価格の高い清酒から合成清酒へのシフト、合成清酒から発酵調味料へシフトする懸念もあり、08年の市場は微増に留まると見られる。

[小売価格]
A4判 268頁:13万6500円
CD‐ROM付き:14万7000円
(すべて税込)

富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/

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