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2013年2月26日

[ドクター連載 第12回]進歩する「アルツハイマー型認知症」の治療薬、生活習慣の改善が予防への第一歩に--認知症編(その2)

 超高齢者社会に突入しつつある日本ですが、その中で、65歳以上の10人に1人が認知症を煩っているという実状があります。いまや認知症は、高齢者であれば、誰もがかかる可能性のある身近な病気といってもよいかもしれません。最近では、低年齢化も進んでおり、働き盛りの若い世代で発症する若年性認知症の増加も懸念されています。そして、これらの認知症患者の多くを占めるのが「アルツハイマー型認知症」です。今回は、この「アルツハイマー型認知症」にフォーカスを当て、治療法の現状や予防のポイントをご紹介します。

 「アルツハイマー型認知症」が発症するメカニズムは前回ご説明しましたが、簡単におさらいすると、脳の神経細胞の中に特殊なタンパク質(βアミロイドなど)が蓄積することで神経細胞が変成し、その機能が衰えていくことで判断力や記憶力が低下していくとされています。つまり、「アルツハイマー型認知症」の元凶は、脳の神経細胞に発生する特殊なタンパク質ということになりますが、現在の医学では、なぜ発生するのか、どうすれば除去できるのかまではわかっていません。そのため、残念ながら「アルツハイマー型認知症」を根本的に治す治療法は、まだ確立されていないのが現実です。

 一方、「アルツハイマー型認知症」の進行を遅らせるための治療薬は、近年、病態の解明とともに少しずつですが、進歩を遂げています。日本では、1999年に最初の治療薬が発売されて以来、これまで1種類のみでしたが、2011年に3剤が新たに承認され、現在では4種類の治療薬が使えるようになっています。「アルツハイマー型認知症」が発症すると、脳の神経細胞の結合に関わる神経伝達物質「アセチルコリン」が分解され減少していきますが、これらの治療薬を使うことで、「アセチルコリン」の減少を抑え、認知症の程度を軽減することができます。

 いずれの治療薬も、「アセチルコリン」の減少を抑制するという点では、同じ作用をもっていますが、選択肢が増えたことは患者さんにとっては大きなメリットといえます。治療薬が1種類しかない時には、その治療薬の副作用がみられた場合、もはや打つ手がなくなってしまいます。しかし、現在は、4種類の中から患者さんに合った治療薬を選ぶことができ、副作用のリスクも軽減できます。また、これらの治療薬は併用することもできるタイプもありますので、組み合わせて使うことでより効果を高めることも可能です。

 さらに、最先端の研究では、「アルツハイマー型認知症」を早期発見・早期治療する研究も進められています。たとえば、まだ一般には受けられませんが、「アルツハイマー型認知症」の原因とされる特殊なタンパク質が脳内に発生しているかどうか、PET(陽電子放射断層撮影)検査によってわかるようになってきました。現在は、脳の機能が低下し、症状が出てから「アルツハイマー型認知症」と診断されますが、将来的には、PET検査で特殊なタンパク質の発生を早期に発見し、その増殖を食い止めることで「アルツハイマー型認知症」を予防できる日もくるかもしれません。

 とはいえ、医療の進歩に期待するだけでなく、「アルツハイマー型認知症」の予防に向けて、今、私たちができることも少なくありません。まず、多くの専門家が勧めていることの一つは、運動を行うことです。運動不足の人よりも、継続的に体を動かしている人のほうが、認知症になりにくいとされています。そして、運動をする際には、黙々とランニングをしたり、筋肉を鍛えるのではなく、太極拳やダンスなど、脳を使いながら体を動かすほうが「アルツハイマー型認知症」の予防に効果的といわれています。

 また、運動に加えて、食生活を改善し、生活習慣病を予防する心がけも、「アルツハイマー型認知症」のリスク低減につながります。とくに、生活習慣病の中でも糖尿病は、「アルツハイマー型認知症」との関連性が強いことがわかってきました。糖尿病の方は、「アルツハイマー型認知症」の発症が正常者の2倍ほどにもなるとの研究データがあり、いろいろな病気が影響を及ぼすことが、研究によって明らかになりつつあります。

 このほか、趣味などをもって、楽しくイキイキとした暮らしをおくることも、脳の機能の低下を防ぐために大切です。運動習慣、食生活の改善、娯楽のある生活--これらは心身の健康維持のために当たり前のことではありますが、こうした基本を忘れずに続けていくことが、「アルツハイマー型認知症」の予防への第一歩といえるでしょう。(医療法人偕行会 偕行会リハビリテーション病院 病院長 田丸司)

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